F1:ピットストップの“自動機能禁止”技術指令を一部変更&導入延期
F1ハンガリーGPから発効される予定だった新しいピットストップ技術指令は、一部が調整され、夏休み後のF1ベルギーGPまで延期された。

2秒未満のピットストップで安全ではないホイールでピットを離れるリスクを軽減することを目指した技術指令にはF1チームから不満の声が出ていた。

実際にはピットシステムを規定するこの技術指令では、ジャッキマンがホイールナットがしっかりと締まっていることが観察されるまで0.15秒、ジャッキが降りてドライバーが合図を受けるまで0.2秒に規定された。

だが、0.2秒のギャップは削除され、代わりにいくつかのチームが現在使用している「インテリジェントホイールガン」システムの運用が規定された。これにより0.2秒のギャップと同じフェイルセーフが達成されるが、それでも人間のパフォーマンスとの差別化の要素が可能になる。

インテリジェントホイールガンは、近年メルセデスとフェラーリによって開拓され、今年はレッドブルによって導入された。ソフトウェアは一連の自動チェックを完了し、ガンをリリースする前にホイールが固定されているかどうかを判断する。

現在のシステムでは、メカニックが押すためのボタンがあり、ホイールナットが固定された後に信号を発し、ジャッキを下げることができるようになっている。

しかし、現時点では、そして、標準的な慣行では、ホイールナットが締められる前であっても、ボタンが締められることを見越してボタンを押すことは可能となっている。そして、ガンが自動チェックを完了するとすぐにジャッキから降ろす許可が自動的に行われることで、人間の反応時間を削減している。

最新の技術指令では、「ホイールナット締め」信号が発せられるまで、このジャックリリースボタンを押すことができないようにすることが規定されている。

したがって、その信号に反応してボタンを押さなければならなくなり、「ホイールナット締め」信号の前に押そうとした場合には機能しなくする必要がある。これは、現在のDRSボタンがDRSラインの前に押された場合に機能しないのとほぼ同じとなる。

これにより、人間の反応時間の違いでピットストップ速度の違いを判断できるが、フェイルセーフの整合性は維持される。

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カテゴリー: F1 / F1マシン