F1 ショートノーズ
マクラーレン・ホンダが、F1オーストリアGPからショートノーズを導入。2015年のF1規約では、ショートノーズが主流になっている。

2015年は、前年の醜いノーズを撲滅すべく、ノーズ規約が変更された。ノーズ先端の断面積9,000平方mmという規定は、気流を妨害してマシンのフロントのダウンフォースを奪うことになる。

マクラーレン・ホンダは、ウィリアムズが開拓したワイドなウィングステーに突起のような先細ノーズを加えたショートノーズを採用してこの断面積をクリアする方式を採っている。

ショートノーズを搭載する最も明らかなアドバンテージは、ノーズ下の気流の改善にある。ノーズ下の気流の領域を広げ、スプリッタ、フロア、サイドポッドのアンダーカットなどを通過する気流を改善させ、圧力中心を後方に移動させ、ディフューザーにより多くのダウンフォースをもたらす。

また、ノーズを短くし、フロントウィングの中心部分の後縁の方に下げることで、ノーズ下と上部ウィング表面との差が広がる。ノーズの中央部分がメインプレートの邪魔にならないことで、ウィングによって移動した気流と、ノーズによって移動した気流を分けることにより、フロントウィング取りつけ支柱の間を通る気流が増加。アンダーフロア先端への気流の一貫性を高め、アンダーフロアが生成するダウンフォースを増加させる。

しかし、ショートノーズ設計の難問は、空力的な問題だけでなく、構造そのものによって制限される点である。

2015年の規定では、クラッシュテストは、クラッシュ構造の最初の150mmの平均減速が求められている。これにより、ノーズの細い前方のセクションは、クルマのクラッシュに役立つものでなければならない。

ノーズを短くすると、減速距離が短くなるため、クラッシュテストに合格するのが難しくなる。ノーズに材料を追加すれば対応できるが、重量が非常に重要な問題となり、チームはできるだけ軽量の材料を使いたいので、バランスを取るのが難しくなる。

そのため、マクラーレン、レッドブル、ロータス、フォース・インディアといったチームが、クラッシュテストに合格できず、また完全に新しいフロントウィングコンセプトには、それに対応するリアエンドが必要となるため、新スペックのボディワークの投入に遅れが生じた。

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カテゴリー: F1マシン