F1ドライバーに“過去分徴税” イタリア当局が大規模調査 刑事リスクも
イタリア当局が、近年イタリア国内で開催されたF1グランプリに出場したドライバーに対する課税の執行を強化していることが分かった。対象は2025年分の申告にとどまらず、法的に可能な範囲で過去年分まで遡って未納税額の精査が進む可能性がある。

未納額が一定水準を超えた場合、刑事責任に発展する可能性もあり、ドライバーやチームにとって看過できない問題となりつつある。

過去分まで遡及 対象はイタリア開催レースの所得
調査の中心となっているのは、モンツァ、イモラ、そして2020年にムジェロで開催されたレースに関連する所得だ。イタリアの税法では、同国内で競技に参加した外国人アスリートは、その地で得た所得に対して納税義務を負うとされている。

これまでこの規定の運用は一貫しておらず、実務上は厳格に適用されてこなかった。しかし今回、ボローニャの地元紙の報道をきっかけに、グアルディア・ディ・フィナンツァ(イタリア財務警察)がF1チームおよびドライバーを対象とした調査に着手したとされる。

関係筋によれば、当局は現役および近年F1に参戦していたドライバーに対し書簡を送り、2025年度分の納税申告書の提出と当局との連絡を求めている。さらに、過去に遡って未払い税の清算を進める意向も示しているという。

未納5万ユーロ超で刑事リスク
今回の調査は形式的な確認にとどまらない可能性がある。所得の実態を正確に把握するため、ドライバー契約やスポンサー契約の内容にまで踏み込んだ精査が行われる見通しだ。

特に注目されるのは法的リスクの大きさだ。未納税額が5万ユーロ(約935万円)を超えた場合、個人に対して刑事犯罪として扱われる可能性があり、追徴課税に加えて多額の罰金が科されるおそれもある。

契約内容まで精査 調査は想定以上に深掘りか
近年F1はイタリアで複数のレースを開催してきた。伝統のモンツァに加え、イモラ、そしてパンデミック下の2020年にはムジェロでもグランプリが行われた。報道によれば、イタリア会計検査院がこれらの地域すべてで調査を命じ、それを受けて捜査が進められているという。

非居住アスリートへの課税制度自体は、イタリアに限らずオーストラリアやイギリス、アメリカなどでも採用されている。ただし、今回のように過去に遡って厳格に適用されるケースは、関係者にとって大きな不確実性をもたらす。

競技外の問題として浮上した今回の税務調査は、F1ドライバーとチームに新たな負担を突きつけている。これが一時的な取り締まりにとどまるのか、それとも今後の標準的な運用へと変わっていくのか、その行方が注目される。

Source: RacingNews365

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カテゴリー: F1 / F1ドライバー