2019年 F1アブダビテスト 2日目
2019年最後の公式テストとなるF1アブダビテストが12月4日(水)にヤス・マリーナー・サーキットで終了した。

ピレリは、2020年のC1~C5+C2Bのプロトタイプと2019年仕様のC1~C5コンパウンドを用意。1日にチームに供給されるタイヤは10セット。2日間で20セットとなる。12セットはピレリが指定し、残り8セットはチームが選択。各チームが両年度のコンパウンドを比較しながら、2020年に向けたデータ収集を行った。

2日目のトップタイムを記録したのはメルセデス。ウィリアムズのF1ドライバーでメルセデス育成ドライバーでもあるジョージ・ラッセルがテストを担当し、145周を走行して2020年C5で1分27秒307をマークした。

メルセデス
ジョージ・ラッセル
「今日はチャンピオンシップを制したW10をドライブできて本当にうれしい。2020年タイヤをテストし、かなり多くのことを学べた。来シーズンに向けて自分自身とチームに役立つはずだし、本当にポジティブだ。とても楽しい1日だった。来週あと少しコースで過ごす時間がある。ピレリのタイヤ開発テストに参加して、それでやっと僕のシーズンに終わりがくる。数日間はリラックスするつもりだし、楽しみにしている。その後は2020年に向けてベストな状態に仕上げられるようトレーニングを再開するつもりだ。F1で過ごした最初のシーズンは急な学習カーブだったし、すでに来年のレースが始まるオーストラリアが楽しみでしかたがない」

アンドリュー・ショブリン(トラックサイドエンジニアリングディレクター)
「今日、再びジョージと仕事ができたことを嬉しく思う。800km以上にわたって素晴らしい仕事を果たし、今日の最速タイムを刻んでいる。マシンはこの2日間故障することがなかったので、大量の作業に取り組むことができた。今日は2020年タイヤを最大限に生かす方法に多くの時間を割き、セットアップに関してタイヤが求めるものを理解する点で良い進歩を遂げられた。また、午前中にはコンパウンドスキャンも完了しており、来シーズンの序盤数戦のタイヤ選択に関するデータをいくらか入手できた。またジョージが最速タイムを刻んだ最も柔らかいコンパウンドであるC5でも作業に取り組めた。W10に関してはこれで終わりではない。この後、数日を通してバルテリのレースシャシーをミュールカーにコンバートし、ピレリのために初めての18インチタイヤの開発テストに臨むことになっている。ジョージがとどまり、テストドライブを担当するのでで、日曜日に始まる作業に向けて、今日、我々のマシンに慣れられることがでいたのは彼にとって非常に有益だった」

フェラーリ
シャルル・ルクレール
「トラックで過ごす最終日だった。アクシデントのせいで早めに切り上げなければならなくなってしまったけど、有益な1日だったと思う。2020年タイヤと今年のタイヤを比較するテストをかなりたくさんできたし、大量のデータを得ることができたので、これから深く分析していく。しばらく休めるけど、スクーデリア・フェラーリと過ごした初めてのシーズンは絶対に忘れない。きっとすぐにコースに戻りたくてしょうがなくなるはずだ」

マクラーレン
カルロス・サインツ
「今日も良いテスト日だった。2018年のアブダビテストには良い思い出がある。初めてマクラーレンをドライブした時だからね。今年のテストも、昨シーズンから僕たちがどれだけ進歩したのか比較して実感するチャンスだった。それを除けば、今日のテスト自体はピレリのコンパウンドを試しながら順調に周回を重ねた。全体的にすべての内容に満足している。テスト中に何時間もハードワークを続けけてくれたメカニックやチームに本当に感謝している。112周を走り、来シーズンに向けて大量のデータを入手して2019年シーズンを締めくくれたのは素晴らしいことだ」

アンドレア・ステラ(パフォーマンスディレクター)
「今日も生産的なテスト日だったし、若干の遅延はあったものの、再び600km以上を走破し、大きなトラブルなく予定していたプログラムをすべて完了することができた。この2日間を通して、2020年タイヤについて徹底的に学習し、現行の2019年タイヤとの比較もできた。ピレリにとっても我々にとって非常に有益となる重要な情報だ。2019年の素晴らしい締めくくりとなったし、アブダビにいる全員はもちろん、マクラーレン・テクノロジー・センターも含め、今年の彼らの多大なる努力に心から感謝している」

ルノー
エステバン・オコン
「アブダビで忙しい2日間を過ごし、素晴らしいエンディングで2019年を締めくくる最高の結果だ。特に今日は非常に生産的だった。貴重な2日間のテストだったと思う。様々な作業に取り組んだし、かなり役立つと思う。僕はまたすべてに慣れているところだし、走るたびにさらに快適に感じるようになっている。クリアになった重要な部分がいくつかあったし、冬の間に取り組むべきいくつかのエリアについても特定できた。今回のチャンスをくれたルノーに感謝したい。忙しいシーズンを送ったチームのみんなが最高の冬を過ごしてくれることを願っている。またすぐに彼らに会えることを楽しみにしている」

アラン・パーメイン(スポーティングディレクター)
「今週のテストはチームにエステバンを招いて非常にうまくいった。205周を走破し、マシンもエステバンも完璧に走りきった。彼の見事なフィットネスや一貫性を保つ能力は、彼が定期的に走っていなかったことを感じさせないものだった。彼のフィードバックも素晴らしいものだったし、トラブルもなかった。おかげで冬の作業に向けてしっかりと準備を整えられたので、すぐに来年の作業に取り掛かることができる」

トロロッソ・ホンダ
ピエール・ガスリー
「STR14での最後の1日を過ごすことができて良かった。僕たちは2020年シーズンに向けて丸1日作業を行った。非常に生産的だったし、今日、僕たちは誰よりも多くの周回数を走った。このような1日でシーズンを締めくくることができたのはとてもクールだった。これからは休暇を取り、友人や家族との休日を楽しむ時間だ。その後は2020年にむけて作業を始めるために仕事に戻る」

ハースF1
ピエトロ・フィッティパルディ
「またテストにまた参加できて本当に嬉しく思っている。最後にマシンをドライブしたのが5月のバルセロナなので6カ月ぶりだ。今日は多くラップを走ったし、ロングランもかなりできたのでよかった。今シーズンはDTMでレースをしていたので、F1マシンに乗り換えるとコーナーを走ったときのGフォースを実感するけど、しばらくドライブしていないとものすごく身体的に厳しい。でも、F1マシンのドライブならいつだって歓迎だ。走行プランとしては、今日はやりたかったことをすべて完了することができた。何度かとても良いラップを走れたし、2019年タイヤと2020年タイヤの比較テストにも取り組んだ。違いを見るためにショートとロングランをミックスさせたりもした。本当に良かったし、自分たちの作業には満足している。チームのみんなと仕事をすることができて楽しかった」

ウィリアムズ
ニコラス・ラティフィ
「良い1日だった。短時間でかなりの周回数を重ねることができた。新しい2020年タイヤを経験できたので本当に生産的だったし、来年に向けて素晴らしい経験になるだろう。燃料を軽くした予選スタイルの走行も実施したけど、それ以上に重要な燃料を重く積んだレースシミュレーションも走った。まだ経験を積んでいかければならない。午後の走行はかなりスムーズだったし、トラブルもなかった。この新しい仕事の正式な初日の出来としてはとても満足している」

ロイ・ニッサニー
「今日も最高の1日だった。午前雄は空力レーキをつけた作業からスタートし、エンジニアリングのテストをたくさんこなした。僕にとってもチームにとっても非常に生産的だった。かなりのロングランを走ったし、セッションを通してうまく改善できたと思う。全体的に今回のテストの自分のパフォーマンスにはとても満足している。チームが同じように感じてくれていることを願っている」

デイブ・ロブソン(シニアレースエンジニア)
「このアブダビで非常に生産的なテスト日を過ごして2019年のキャンペーンを完了した。ロイが1日のスタートを担当して重要な空力データを収集した後、昨日開始していたタイヤテストを完了させた。今日もまた自信にあふれ、プロらしく、効果的なドライブを披露しており、2020年タイヤに関して非常に貴重なフィードバックをもたらしてくれた。後半6時間はニコラスがドライブし、温度が上がった路面で新しいタイヤを初めて味わった。昨日、ジョージが取り組んだものと似たようなプログラムをやり遂げたが、今回は2020年のC4コンパウンドから最大のパフォーマンスを引き出すことに集中した。今シーズンに彼が参加したFP1のセッションで取り組んできたように、非常に素晴らしいフィードバックを与えてくれているし、午後のロングランのプログラムの手助けをしてくれた。我々にとってもニコラスにとっても貴重な経験だ。タイヤに関して多くの新しい情報を得て、これからファクトリーに戻る。その情報は冬季テストや来シーズン序盤のレースに向けたコンパウンド選択に役に立つだろう。非常に有益かつ生産的な2日間のテストで今シーズンを締めくくれたのは素晴らしいことだ。273周を走破したことはチーム全体がシーズンを通してマシンを確実に効果的に走らせてきたことの証だ。ポストシーズンテストは常に激務だが、これだけ長いシーズンの最後にこれを成し遂げてもらうのは、これまでの10カ月を耐えてきたメカニックたちに対して大きな要求だった。今シーズンの最後に、これほど成功に満ちたテストを完了できたことは、最後までプッシュし、それが実現できるように頑張ってくれた彼らのおかげだ。ガレージの素晴らしいサポートチームをはじめ、最高のマーケティング、メディア、ケータリングなどのチームがシーズンを通して支えてくれた。彼らの惜しみない支援、サポート、素晴らしいユーモア、常に用意されているお茶に本当に感謝している。彼らがいなければ、トラックがこれほど楽しい場所になることはなかっただろう。彼らがそのハードワークにふさわしい休みを楽しみ、良いクリスマスを過ごしてくれることを願っている」

ピレリ
マリオ・イゾラ(カーレーシングレース責任者)
「F1シーズンの典型的な温度で2020タイヤを使用して2日間のテストを完了した。最も重要な部分は、チームに現在の2019タイヤとバック・トゥ・バックで走る機会を与えることだった。各チームのテストプログラムは、通常のように個々ではあるが、ドライバーの主観的な印象が良好であり、次のタスクはそれを収集された客観的データと関連付けることだ。特に最も柔らかいC5タイヤでいくつかの改善が見られたが、それは必ずしもミドルレンジのコンパウンドを含むタイヤと一致するわけではない。もちろん、完全な全体像をつかむために、今後数日ですべてのデータを正確に詳細に分析していく。特にロングランのデータは核心に関連する。来シーズンのクルマに予想される進化を考えれば、我々は2020年タイヤが依然として最善のソリューションだと考えているが、チームの大多数が望んでいるのであれば、もちろん2019年のタイヤでの作業を継続することにオープンだ」

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カテゴリー: F1 / F1ドライバー