デビッド・クルサード F1新レギュレーションを酷評「まるでW杯ハーフタイムショー」

クルサードは、現在のF1シーズンは接戦が増えたことで見応えが向上していると評価する一方、新世代マシンが抱えるエネルギーマネジメントの問題については「最初から分かっていたことだった」と指摘している。
F1新レギュレーションへの失望をW杯になぞらえる
元マクラーレンF1ドライバーのデビッド・クルサードは『Up to Speed Podcast』で、2026年レギュレーション導入時の混乱をサッカーのワールドカップのハーフタイムショーになぞらえて振り返った。
「新レギュレーションは、ワールドカップのハーフタイムショーみたいなものだった」
「大きな期待を持たせながら迫ってきたのに、実際には少し期待外れだった。映画のコメディでロードローラーがゆっくり迫ってきて、『ひかれるぞ』と言いながら、次の場面でも腕時計を見ながら『まだひかれるぞ』と言っているようなシーンがあるだろう」
クルサードは、この“ロードローラー”こそが2026年レギュレーションだったと説明する。
「新レギュレーションが近づいてくる中で、ドライバーもエンジニアも『これは良くないことになる』と言い続けていた。でも、それ以外の人たちはほとんど沈黙していた」
ドライバーやエンジニアの警告は現実となった
2026年の新規則導入前には、ドライバーや技術者から「スーパークリッピング」や、ストレートでバッテリー残量の違いによって順位が入れ替わる“ヨーヨー・オーバーテイク”が頻発するとの懸念が相次いでいた。
FIAは開幕前に最悪の事態を避けるための修正を加えたものの、開幕戦オーストラリアGPでは減速しながらコーナーへ進入するマシンが見られるなど、懸念された問題は現実のものとなった。
マックス・フェルスタッペンをはじめ複数のドライバーが導入前から懐疑的な姿勢を示していたことも、その後の展開を象徴している。
クルサードはこう続けた。
「そしてメルボルンに行くと、『ほら見ろ、いくつかのコーナーでは減速しながら進入しているじゃないか』という状況になった」

接戦のシーズンは評価も課題は未解決
一方でクルサードは、シーズンが進むにつれてF1のレース内容そのものは大きく改善したと評価する。
ハンガリーGPではエネルギー回生が容易なサーキット特性もあり、バッテリー節約のための極端なコースティングが少なく、純粋なレース展開が実現した。一方で、シルバーストンやスパ・フランコルシャンでは依然としてエネルギーマネジメントの影響が色濃く残っており、モンツァやシンガポール、さらに開催されればカタールでも同様の課題が再び表面化するとみられている。
それでも、各チームが激しい開発競争を繰り広げていることで勢力図は流動化し、週末ごとの予測が難しいシーズンになっている。
クルサードはその点を評価しつつ、次のように締めくくった。
「失望からの立て直しという意味では、マイアミ以降は良かったと思う。以前も話したように、直近5戦で5人の異なる勝者が生まれていることは、このシーズンの多様性を物語っている」
「ただ、私たちはこうなることを前から分かっていた。それなのに誰も本当に耳を貸さなかった。そして、未来を徹底的にシミュレーションするスポーツでありながら、現実が起きてから対応しなければならなかったことには少し失望している」
今回のクルサードの発言は、2026年F1のレース内容が改善しつつあることを認めながらも、新レギュレーション導入前に繰り返し発せられていた警告が十分に生かされなかったという、F1全体への問題提起といえる。今後、エネルギー不足が起きやすいサーキットでどのような対策が講じられるのかも、後半戦の大きな焦点となりそうだ。
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