コルトン・ハータ インディカーを離れてキャデラックでF1挑戦「リスクは承知」

これは慣例を覆す決断だ。実績あるレース勝者が自ら下位カテゴリーへと降りていくことは稀だが、ハータはF1世界への統合の一環として来季フォーミュラ2に参戦する。
25歳の元アンドレッティ・グローバル所属ドライバーにとって、この賭けは明白だ。夢のためにすべてを賭けるか、それとも「もしあの時…」と思い続けるキャリアを過ごすか。
「みんな、僕がこれまでどれだけF1に近づいたかは知っている」とハータは最近、ポッドキャスト『Off Track with Hinch and Rossi』で振り返った。
「これが僕にとってF1に行くための最高のチャンスだと思う」そして、意図を明確にするように間を置いて付け加えた。「これは最後の救いの綱なんだ」
リスク要因
ハータは、インディカーでの栄光をヨーロッパでの試練に置き換えることの難しさを過小評価していない。
「言うまでもなく、リスク要因はある…」と彼は認めた。「僕にとってこれは信じられないほど難しい決断だった。なぜなら、自分が何を置いていくかを分かっているからだ。
僕は素晴らしい仲間たちを、そして日によっては誰でも勝てるような信じられないほど競争力のある選手権を置いていく。F1ではそうはいかない。競争するにはマシンが必要だからだ。
簡単なのはインディカーに残ることだ。それは僕にとってシンプルなことだっただろう。同じような生活を送れるはずだった。
これはリスクだし、僕の夢なんだ。だから、これが最後のチャンスだと思った。やりたい、挑戦したいんだ。僕にとってこれは、夢のために戦うということなんだ」
自分自身に賭ける
キャデラックが2027年、あるいはそれ以前に彼にレースシートを与える保証はない。それでもハータは揺るがない。2023年に挫折したアルファタウリでの機会とは違い、いまやスーパーライセンスのポイントは障害ではない。すべてはコース上で自身の価値を証明できるかどうかにかかっている。
その不確実性が怖くないかと問われ、ハータは力強く答えた。「いや、僕にとっては怖くない。レーシングドライバーというのは常に自分自身に賭けているものなんだ。僕にとってこれはそのひとつにすぎない。自分を信じているし、自分が十分速いことも信じている。
だからといって簡単だというわけじゃない。グランプリレースとインディカーの違いを理解するのは大変なことだろう。でも、それに取り組むつもりだし、100%飛び込んでいく。
もし自分にできないと思っていたなら――言ったように、それはとても大きなリスクだ――インディカーに残っていただろう。でも僕は自分を信じているし、自分が十分速いと思っている」

インディカーへの愛
視線はF1に向けられているが、ハータはインディカーへの扉を完全に閉ざしたわけではない。スケジュールが合えば、インディ500へのスポット参戦の可能性をほのめかした。
「理にかなうなら、それは間違いなく僕がオープンに考えることだ。でも理にかなわなければならない。究極の目標であるキャデラックF1でのF1参戦を妨げてはならないからね」と彼は強調した。
そしてヨーロッパでの挑戦がどんな結果に終わろうとも、インディカーとの関係が終わるわけではないと強調した。
「これはインディカーへの永遠の別れでは決してない」と彼は語った。「キャリアのどこかでインディカーに戻る自分を想像している。なぜなら僕はインディカーが大好きだからだ」
だが今のところ、カリフォルニア出身の彼はすべてを懸けている。キャデラック、F2、そしてF1という夢。そのすべてを懸けて、コルトン・ハータはこれまでで最大の賭けを自分自身に託した。
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