コルトン・ハータ 2026年にF2に転向:キャデラックF1チームCEOが発表
コルトン・ハータは2026年にインディカーからフォーミュラ2へ衝撃的な転向を果たすと、キャデラックF1チームのCEOダン・タウリスが発表した。

キャデラックはF1初参戦のシーズンに、ベテランのセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスを起用する一方、水曜にはハータをテスト兼開発ドライバーに任命。アメリカブランドとして米国人ドライバーの育成を重視する姿勢を明確にした。

しかし最大のニュースは、インディカーのトップドライバーがF2に転向するという前例のない決断だ。2024年インディカーのランキング2位だったハータは、2027年のF1デビューを視野に入れ、再びジュニア・シングルシーターへと身を投じる。

タウリスは「我々は幸運にもアンドレッティのインディカーチームでコルトンを走らせることができたが、今彼はF1という夢を追いかけようとしている。そしてそのためにかなり大きなリスクを取ることになる」とポッドキャスト「Off Track with Hinch and Rossi」

「インディカーを離れ、直接F1に行くのではなく、テスト兼開発ドライバーとして、F2に挑戦する。サーキットを覚えなければならないし、タイヤも学ばなければならない。タイヤはインディカーとまったく違うんだ。そのリスクを取って夢を追おうとするコルトンを、これ以上なく誇りに思う」

ハータが2027年にキャデラックのF1シートを得る現実的な可能性はあるのかと問われ、タウリスはこう答えた。
「私はコルトンがチャンスを得ると確信している。ただし彼はそれを勝ち取らなければならない。特権的に与えられるものではないし、保証されてもいない。F1にふさわしいと証明するために挑戦するんだ」

「彼の決断で最も称賛すべきは、居心地の悪い環境に身を置くことを選んだ点だ。彼ができる最も楽な選択は、インディカーに残り、十分な報酬を得ながら次の目標を目指すことだった。でも彼はあえて常識外れの道を選んだ。多くの新しいことに直面しなければならない、とても居心地の悪い状況に飛び込んだんだ。彼は大きく成長するだろうし、目の前には大きなチャンスが広がっている」

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25歳のハータは過去にもF1シートに接近したことがある。最初は2021年、アンドレッティがザウバー買収を試みたときだ。タウリスは振り返る。

「彼はスイスに渡ってシミュレーターに乗り、1時間以内に当時のF1ドライバー2人より速く走った」

当時チームにいたのは2007年のワールドチャンピオン、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィだった。しかし買収交渉は最終段階で「支配権を巡る問題」により破談したと、マイケル・アンドレッティが2021年11月に明かしている。

その後もアンドレッティはF1参入を申請し続ける中、ハータは2022年7月にポルティマオでマクラーレンのテストを2日間実施。さらにレッドブルも、アルピーヌに移籍するピエール・ガスリーの後任候補としてハータに注目した。

しかし、2020年と2021年にインディカーでランキング3位と5位を獲得した実績がありながらも、ハータはスーパーライセンスの資格を満たしていなかった。アルピーヌはガスリーの移籍を円滑にするため、ハータにプライベートテストの機会を設けようとしたが、FIAはスーパーライセンスの発給を拒否。結果、レッドブルはハータを諦めざるを得なかった。

それでも若くして積み上げた豊富な経験は、キャデラックにとって最も魅力的な米国人ドライバーとなった。

「彼はF1の世界ではあまり知られていないが、多くのテスト経験を積んでいる。レッドブルから関心を持たれたこともその証拠だ」とタウリスは強調。さらにアレクサンダー・ロッシから「なぜコルトンがキャデラックの将来を担う存在になれるのか」と問われると、こう答えた。

「これまでの様々なテストで、コルトンはF1タイプのマシンで非常に高いポテンシャルを示してきた。高速コーナーに強く、ストリートやロードコースでも素晴らしい成績を収めてきた」

事実、ハータのインディカー9勝すべてと表彰台11回のうち10回は、このタイプのコースで挙げられている。

「コルトンは新しい情報への適応が非常に速いし、複雑な操作をこなす走り方に慣れている。これらすべてがF1で必要とされる能力なんだ」とタウリスは結んだ。

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カテゴリー: F1 / コルトン・ハータ / FIA F2 / キャデラックF1チーム