シャルル・ルクレール F1アメリカGP決勝「リスクを取ってでも勝負したかった」

フェラーリは大多数がミディアムを選んだ中で、ルクレールのマシンにC4ソフトタイヤを装着。3番グリッドからスタートしたルクレールは、1周目でマクラーレンのランド・ノリスをオーバーテイクし、果敢に2番手争いを展開した。
その後、ノリスに抜き返される場面もあったが、ルクレールは早めのピットストップでミディアムへ交換。全員がタイヤ交換を終えた終盤には、再びノリスの前に出る展開を作り出した。
「唯一のソフトスタートはリスクだった」
「スタートで唯一ソフトを履いていたのを見て、少し心配だった」とルクレールは語る。「リスクのある選択だと分かっていたけど、フリーエアを得るための賭けだったんだ。もちろん前に2台いたから楽観的ではあったけど、それでもトライした。結果的にポジションを1つ上げられて、レース全体に良い影響を与えたと思う」。
ルクレールは終盤、再びノリスと激しくバトルを繰り広げたが、残り数周でターン12で抜かれ、最終的に3位でフィニッシュ。それでも7月のベルギーGP以来となる表彰台を手にした。
「ランドとのバトルは楽しかったよ。最後は負けてしまったけど、クルマの中では本当に楽しめた」と笑顔で語った。

「厳しい後半戦の中での表彰台」
ルクレールは近戦での不運やマシントラブルを乗り越えての結果に満足している。「シーズン後半は本当に厳しかった。FP1ではギヤボックスのトラブルもあったけど、そこから表彰台に戻ってこられて嬉しい」とコメント。
8度のGPウィナーであるルクレールにとって、今回の結果は後半戦への復調の兆しとなった。
フェラーリが賭けに出た戦略、成功の裏側
フェラーリはルクレールにのみソフトスタートを指示し、序盤のトラックポジション確保を狙った。オーバーカットを防ぐためのアンダーカット戦略と、路面温度の高いオースティンで早期のグリップ獲得を重視した選択だった。
結果的にルクレールはターン1でノリスを抜き、レースを有利に進める展開を築いた。この一手が表彰台の鍵となったが、同時にタイヤライフの制約により終盤の防御力を失うリスクも孕んでいた。
フェラーリとしては、勝負を捨てない“攻めの戦略”でチーム全体の勢いを取り戻す狙いが見えたレースだった。
カテゴリー: F1 / シャルル・ルクレール / スクーデリア・フェラーリ / F1アメリカGP
