F1カナダGP:SC中に追い越しの7人は「警告処分」 アントネッリ初表彰台確定

スチュワードの調査は、レース終盤の67周目に発生したランド・ノリスとオスカー・ピアストリの接触がきっかけだった。マクラーレンの両ドライバーはスタート/フィニッシュストレートで接近戦を展開していたが、ノリスがピアストリのリアに追突してウォールに激突。損傷を負ったマシンはそのまま約100メートル先で停止した。
このアクシデントによりセーフティカーが導入され、残りの周回はそのままSC先導下でチェッカーフラッグを迎えることになった。
しかしその間に、アントネッリ(3位)、ピアストリ(4位)、エステバン・オコン、シャルル・ルクレール、カルロス・サインツ、ピエール・ガスリー、ランス・ストロールの7名が、コース上の状況を十分に考慮せずに他車を追い越したとされ、調査対象となった。
スチュワードはこれに対し、7名全員に対して「警告」を言い渡すにとどめ、ペナルティや順位変動には至らなかった。
スチュワードの裁定文には次のように記されている。
「ドライバーは、マシン4(ランド・ノリス)とマシン81(オスカー・ピアストリ)のスタート/フィニッシュストレート上のインシデント後、セーフティカーのシグナルが表示されている状態でチェッカーフラッグ通過後に他車を追い越した」
「チェッカーフラッグ後の追い越しは異例ではないが、黄旗、セーフティカー、バーチャルセーフティカー手順下では禁止されている」
「ドライバーたちは事故現場の位置を把握していたかもしれないが、そこにマーシャルや緊急車両が出動していた可能性は否定できず、慎重に行動すべきだった」
「よって、該当ドライバーに警告処分を下すとともに、すべての競技者に注意を喚起する。今後同様の違反があった場合、より重い処分が科される可能性がある」
これにより、アントネッリの初表彰台という快挙には影響が及ばず、メルセデスにとってはラッセルの優勝と併せて記憶に残る週末となった。
カテゴリー: F1 / F1カナダGP