キャデラックF1 GM製PUは2029年投入へ 規則変更リスクも覚悟

2026年に新規参戦したキャデラックは、現在フェラーリ製パワーユニットを搭載するカスタマーチームとしてスタートを切っているが、将来的には自社製エンジンによるワークス体制への移行を計画している。そのロードマップが具体的なタイムラインとして初めて明確化された形だ。
GM製PUは2029年導入へ 計画は「前倒し気味」
トウリスは取材に対し、開発状況について「実際のところ、プロジェクトは予定よりも前倒しで進んでいる」と語った。
「現時点では、2029年にキャデラックのパワーユニットを投入する予定だ」
「レギュレーションの動きについても注視しているが、現行規則の範囲では2029年に向けて順調に進んでいる」
2026年から導入された新パワーユニット規則は2030年まで継続する見通しであり、現行計画ではGM製PUはその終盤2シーズンでの実戦投入となる。
フェラーリPUと完全分離 自社開発を強調
キャデラックは現在フェラーリのカスタマーとして参戦しているが、トウリスは将来的な関係について明確に線引きした。
「知的財産については、それぞれが自分たちのものを持つ必要がある」
「フェラーリにはフェラーリのIPがあり、我々GMパフォーマンス・パワーユニット部門は自分たちのIPを開発している」
「我々は自分たちのエンジンを開発し、F1に投入する。それは完全に独立したものになる」
「パワーユニット開発中はフェラーリのカスタマーであり続けるが、それとは別にGMの開発は進めている」

2031年レギュレーション変更リスクも織り込み
一方で、2029年導入というタイミングにはリスクも伴う。現行PUレギュレーションは2030年までとされており、2031年以降に大きく変更される可能性があるためだ。
仮に規則変更が前倒しされれば、GMが巨額投資で開発したPUが短期間しか使用されない可能性もある。
それでもトウリスは方針を変えていない。
「レギュレーションが2031年より前に変わる可能性もあれば、変わらない可能性もある」
「だが資金の問題に関係なく、できるだけ早くキャデラックのパワーユニットをグリッドに載せることが重要だ」
「もし前倒しできる方法があればそうするが、現時点では2029年が目標だ」
ワークス化への現実的ステップ まずは“走らせる”こと
キャデラックにとって重要なのは、理想的なタイミングよりも「まず自社PUを実戦投入すること」にある。
新規参戦チームとして2026年シーズンは安定したスタートを切っているものの、コンストラクターズランキングでは下位に位置しており、競争力向上にはワークス体制への移行が不可欠だ。
フェラーリ製PUで基盤を築きつつ、2029年にGM製PUへ移行する――この二段階戦略は、リスクを抑えながら長期的な競争力を確保する現実的なアプローチと言える。
規則変更という不確定要素を抱えつつも、キャデラックは「自社エンジンで戦う」という最終目標に向けて、着実に歩みを進めている。
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