キャデラックF1 バルテリ・ボッタス不在でフェラーリ旧車テストの可能性

アメリカの自動車メーカーは2026年シーズンからF1に11番目のチームとして参戦し、10年以上ぶりにグリッド上のマシン台数は22台に増える。セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスが最初のレギュラードライバーとして起用されることが発表され、その後コルトン・ハータがテスト兼リザーブドライバーに指名された。
キャデラックはテストを計画するがボッタスは不参加の可能性
新チームとして、キャデラックは来季開幕戦に向けて万全の準備を整えるという点で大きなハンデを背負っている。すでに参戦しているチームは「TPC(旧型車テスト)」と呼ばれる、少なくとも2シーズン前のマシンを使ったテスト日程をこなすことができ、規則変更が控えている場合にはマシンをミュールカーに改造することもある。
キャデラックも同様のプログラムを実施する予定だが、今季のライバルとなるチームからマシンを借りる必要があると、チーム代表のグレアム・ロードンは先月メディアに語っている。
「我々も今年中にテストを導入する予定だ」と、かつてヴァージンF1やマルシャF1のCEOを務めたロードンはAutosportを通じて説明した。「当然、他のチームと協力する必要があるが、それは規則の範囲内で完全に認められている」
その協力相手は、キャデラックに自社エンジンを供給するフェラーリである可能性が高い。キャデラックは今後、自社製パワーユニットを開発する計画を持つが、それまでの間はイタリアメーカーのPUを使用するからだ。

しかしもしテストが実施されても、メルセデスと契約中のボッタスが不参加となる可能性が高い。ザウバーを去ったフィンランド人ドライバーは、昨年末にメルセデスへサードドライバーとして復帰しており、将来の雇用主であるキャデラックのために走行するには現チームの許可が必要となる。
Grand Prix on SIが理解しているところによれば、キャデラックがボッタスを解放してもらうためにメルセデスへ働きかけた形跡はまだなく、したがって実際に走行を担当するのはペレスとハータになる可能性が高い。レッドブル離脱後F1マシンをドライブしていないメキシコ人にとっては貴重な機会であり、またハータにとっても、トラック上での経験を得てファクトリーとの相関性を構築するうえで大きな助けとなるだろう。
一方、ボッタスは今年すでにメルセデスのサードドライバーとして、ドイツメーカーおよび提携関係にあるマクラーレンのために走行している。
キャデラックが進めてきた準備
キャデラックはイタリアGPの際、シルバーストンとシャーロットの拠点を使って1つのレースウィークエンドをシミュレーションする段階に進んだ。これにより、F1のオン・トラックセッション全般を通じてチームのオペレーションを磨き上げ、来季開幕までに完全に機能する体制を整えることを目指している。
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