キャデラックF1参入 ジャック・ヴィルヌーヴが重大な疑問を呈す

ゼネラルモーターズの支援を受けるこのプロジェクトは大規模な変更と全面的な再構築を経て承認されたが、デビューに向けて残された課題も多く、ドライバーラインナップの決定もその一つだ。
1997年のF1ワールドチャンピオン、ジャック・ヴィルヌーヴは自身がかつてアメリカ資本のBAR創設に関わった経験を持ち、この新チームの行方を注視している。彼はRacingNews365のインタビューでこう語った。
「そこで何が起きているのか誰もわからない。1年前と同じチームじゃない。プロジェクト全体が変わってしまった。強引な形で参入したのも良い方法じゃなかったが、とにかく彼らは入った。それはいいとして、問題はこれからだ。彼らは何をするのか?どんなドライバーを選ぶのか?誰を配置するのか?」
ヴィルヌーヴは新チームの成功例として、アウディのワークスチーム化を控えるザウバー(ステーク)の現状を引き合いに出した。
「アウディが入ってくるサウバーを見ればわかるだろう。ジョナサン・ウィートリーが加わって、同じマシンでも結果が出始めている。エネルギーや働き方が変わったんだ。だから大きな成果を期待できる」
一方でキャデラックの成否は、少なくとも最初の3シーズン使用するフェラーリ製パワーユニットの出来にも左右されると指摘する。
「キャデラックについてはまだわからない。彼らは経験豊富なドライバーが欲しいと言っているが、本当に良い経験豊富なドライバーを必要としている。我々にはどのエンジンが良いのかもわからない。それは大きな問題だ。まあ、そのうちわかるさ」
現時点でキャデラックは少なくとも1人のドライバーを決定しているはずだったが、依然として未発表のままだ。経験豊富な2人で固めるのか、若手とのバランスを取るのかは不透明で、候補としてはセルジオ・ペレスやバルテリ・ボッタスの名前が挙がっている。若手を起用しない場合、この2人の可能性が高まると見られている。
ヴィルヌーヴはキャデラックが「ピュアレーサー」と呼ぶタイプのドライバーを起用するには、相応の資金を投じる必要があると強調した。
「それは彼らがどれだけ資金を投じるかにかかっている。そういうドライバーを手に入れるには、新チームとして大きな小切手を切らなきゃならない。でも今のF1の価値を考えれば、その大きな小切手も昔に比べれば取るに足らない額だ」
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