F1イギリスGP:14日間の検疫免除を認められず現状では開催不可能
イギリス政府は、6月8日(月)から新型コロナウイルス対策としてすべての入国者に14日間の検疫措置を適用することを発表。だが、これまでのところF1は免除対象のリストには含まれておらず、F1イギリスGPの開催、さらには選手権の開催自体が暗礁に乗り上げる可能性がある。

5月22日(金)、プリティ・パテル内相はこの措置により「感染症例が国境を越えてくるリスクを軽減する」と政府が首相官邸で毎日開いている定例会見で話した。

内務省によると、6月8日から外国から入国する人は14日間の自主隔離が義務づけられ、違反者は罰金1000ポンド(約13万円)を科せられる場合もある。ただし、輸送トラック運転手、勤務先で自主隔離することになる季節農業従事者、新型ウイルス関連の医療従事者に加え、アイルランド、チャネル諸島、マン島からの渡航者も除外される。

だが、F1を含めたスポーツ関係者は免除リストに入らなかった。現状では、この措置がどのくらいの期間適用されるか定かではない。

理論的には、検疫ルールは7月26日と8月2日にシルバーストンでの2連戦を開催するというF1の希望の主要な障害となる。7月5日と12日にオーストリアで計画されている開幕戦からイギリスに戻るF1スタッフには必須の14日間の自主隔離をする十分な時間がないためだ。

F1は定期的に英国政府と対話しており、管理された“バイオスフィア(生物圏)”環境を作り出す計画を概説している。F1バドックのすべての人員は距離が保たれ、48時間ごとに新型コロナウイルスのテストを実施することで、英国政府に入国制限を免除するよう説得できることを期待していた。

先週、シルバーストンは、7月26日と8月2日に無観客でのレースを開催することでF1と合意に至ったが、イギリス政府が14日間の検疫措置からF1を免除しなかた場合、F1の計画は“不可能”だと認めていた。

F1の広報担当は「我々はF1とシルバーストンのための政策の含意に関して政府と緊密に協力している。これらの議論は、安全を最優先事項とする解決策を見つけることを目的として現在も進行中だ」と語った。

政府は、措置は実施後3週間ごとに見直されると述べている。つまり、最初の3週間の期間後にF1が解除されるかどうかは流動的な状況だ。免除された場合、当初の計画通りにシルバーストンで無観客のレースを開催する扉が開かれる可能性があるが、問題はレースを開催するまでF1がどれだけ待てるかだ。

シルバーストンのマネージングディレクターを務めるスチュアート・プリングルは、F1とその職員は英国に安全に入ることができることを証明できると確信していると Sky Sports F1 に述べた。

「F1は巨大なロジスティックを備えた世界的なチャンピオンシップであり、進めるのが非常に複雑なスポーツだ。したがって、F1は、世界中を旅し、本拠地に出入りできることを知る必要がある」とスチュアート・プリングルはコメント。

「政府がこの業界の重要性を理解していることは明白だ。彼らは解決法を見つけてくれると非常に楽観的に考えている。これらを起草するのは非常に複雑で、常に変化する締め切りに対応しなければならないことを非常に意識している。それは私がやりたい仕事ではない」

「賢明で実用的なソリューションが見つけられると楽観的に捉えている」

F1イギリスGPが開催できなかった場合、F1は代替開催地としてホッケンハイムと過去数週間にわたって話し合いを進めている。ただし、F1チームの大部分はイギリスを拠点としており、現時点では計画されているカレンダーは1週間のインターバルしかないため、チャンピオンシップが進行してもF1スタッフは拠点に戻ることができないことになる。

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カテゴリー: F1 / F1イギリスGP