F1オーストリアGP決勝:フェルスタッペンとアントネッリがクラッシュ0周リタイア
F1オーストリアGPの決勝は、スタート直前から波乱の展開となった。

グリッド上ではカルロス・サインツJr.のマシンが1速に入ったまま動けなくなり、スタートが中止される事態に。サインツはピットレーンへマシンを移動させたが、途中でブレーキから発火。ウィリアムズのメカニックが急いで対応したものの、マシンはオーバーヒートし、最終的に出走不可と判断された。これによりレースは1周短縮されることとなった。

改めて行われたフォーメーションラップ後、ポールポジションのランド・ノリスが好スタートを決めて先頭に立つ一方、フェラーリ勢はダーティサイドからの発進に苦戦。オスカー・ピアストリがシャルル・ルクレールに仕掛ける場面も見られた。

しかし、後方ではさらなる混乱が発生。ターン3へ向かう場面で、トップ5はクリーンに通過したものの、直後につけていたマックス・フェルスタッペンに対して、後方からアプローチしてきたアンドレア・キミ・アントネッリがイン側で大きくロックアップ。制動が間に合わず、横滑りしながらコースを横切る形でフェルスタッペンに衝突してしまった。

この接触により、フェルスタッペンとアントネッリはともにグラベルにストップ。レースはセーフティカー導入によって中断されることとなった。アントネッリはすぐにチームラジオで謝罪の言葉を口にしており、レース直後の無線ではその責任を認めていた。

クラッシュ後、両者のマシンはトラクターで撤去される中、アントネッリとフェルスタッペンはコースサイドで言葉を交わし、フェルスタッペンは観客席に向かって手を振る姿も見せた。

この時点で、リタイアとなったのはサインツ、フェルスタッペン、アントネッリの3台。高温のコンディションに加え、スタート手順の混乱と序盤のクラッシュにより、各チームとドライバーには難しいレース運びが強いられている。

元F1ドライバーでF1TVの解説を務めるジョリオン・パーマーは「先頭にいるドライバーとしては嫌な展開。集中力を高めたあとでリズムが崩れるのは大きな影響がある」とコメント。特にノリスは昨年のブラジルGPでスタート手順を誤った過去があるが、今回は冷静に状況をコントロールしている。

昨年のオーストリアGPでもフェルスタッペンと接触し、レースを完走できなかったノリス。今年こそチェッカーを最初に受けることができるのか。波乱含みの展開の中、注目が集まっている。

オーストリアグランプリサインツのマシンがレース続行不可と告げられるのは、驚きではなかった。消火にはかなりの時間がかかり、ウィリアムズのガレージに戻される際にも車体からはまだ煙が上がり、オーバーヒートの兆候も見られた。後方グリッドからの厳しいレースが予想されていただけに、サインツにとっては無念な結末となった。ウィリアムズはここ最近、マシンのパフォーマンスだけでなく運にも見放されているようだ。




このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1オーストリアGP