F1オーストラリアGP 前回大会の事故を受けて2025年にむけてコースを改修
FIA(国際自動車連盟)は、昨シーズンのF1レースで発生した事故を受けて、オーストラリアのアルバート・パーク・サーキットに改修が加えられたことを確認した。

2024年のイベントは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる小休止を経てオーストラリアがカレンダーに復帰して以来3回目だったが、意見が分かれるクラッシュで幕を閉じた。

ジョージ・ラッセルは最終ラップでフェルナンド・アロンソを追いかけている最中、アロンソがライバルの予想よりも早くブレーキをかけたことでターン6でコントロールを失い、バリアに衝突した。

この衝突により、ラッセルのメルセデスはコース上を走り回り、無線で「対向車が衝突するかもしれない」とパニックを訴えた。

ラッセルの事故は、その週末ターン6で2番目に起きた事故だった。ターン7とともに、コーナーリングスピードの向上を目指して改修されたターン6で起きた。開幕プラクティスセッションでアレックス・アルボンが同じコース上の地点でウィリアムズをクラッシュさせてしまい、マシンに大きな損傷を与えてしまった。

こうした事故やフォーミュラ2での同様の事故を受けて、FIAと地元のサーキット主催者であるオーストラリア・グランプリ・コーポレーションは、数々の変更を検討した。

その中には、トラックリミット外の既存のグラベルトラップをアスファルトに置き換えたり、出口のバリアを再配置したり、あるいはコーナーを再び変更して速度を落とすといったことが含まれていた。

FIAはバリアの変更を承認することを選択し、ラッセルのように跳ね返ったマシンが再びトラックに飛び出す可能性を最小限に抑えるよう、バリアの位置を変更することになっている。

また、縁石にも変更が加えられる予定で、ターン6と7では、これまでの2段式ではなく、単一のフラット縁石が使用される。

「アルバート・パークでの昨年のイベントを検証した結果、ターン6とターン7にいくつかの変更が加えられることが、地元のASNとグランプリ主催者との協力により承認されました」と、FIAの広報担当者は述べた。

「ターン6の出口からターン7の入口と頂点にかけての縁石は、単一仕様のネガティブ・カーブに置き換えられた」

「この調整により、このエリアに存在していたネガティブ・カーブからポジティブ・カーブへの移行が取り除かれる。この移行部分は、これまでカーブの種類間の移行をよりスムーズにするために、カーブの現地での修正(研磨)によって対処されていた。この移行部分がマシンを不安定にする可能性を排除することが目的である」

「さらに、グラベルトラップは縁石の裏側まで延び、ターン7の左側のバリアも移動され、再プロファイリングされた。これは、このエリアのエネルギー吸収バリアに衝突したマシンが、レースラインの近くで停止する可能性を軽減するためである」

「これらの変更は、FIAの安全部門が全サーキットの継続的な分析を行った結果、またドライバーやチームからの意見を踏まえて提案されたものである」

「コーナーのダイナミクスとエキサイティングなレースを維持しながら、安全性の向上を目指すものである」

オーストラリアグランプリ2024年のオーストラリアGPでターン6でクラッシュしてしまったジョージ・ラッセル

クラッシュしてしまったラッセルは、対策を求めていた
FIAの決定は、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の代表であるラッセル氏が12か月前にその解決策を提案した通り、承認することになるだろう。

「あのコーナーは素晴らしい。おそらくサーキットで最高のコーナーのひとつだ。だから、あのコーナーが変わってしまうのは見たくない」とラッセルはメディアに語った。

「しかし、特定の位置にバリアがあるサーキットでは、サーキットに押し戻されるような状況になるのであれば、それは明らかに良くない」

「大きなランオフエリアは望ましくない。ただ、その壁の位置が、たとえトラックに近かったとしてもサーキットに沿ったものであれば、少なくともレーシングラインにバウンシングすることはないだろう。」

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カテゴリー: F1 / F1オーストラリアGP / FIA(国際自動車連盟)