アストンマーティンF1 AMR26に“最初の変化” ホンダとギア制御を改良

『Motorsport.com Italia』によると、アストンマーティンはAMR26のギア制御とホンダ製パワーユニットの統合改善に取り組んでいるという。
2026年F1シーズン序盤、AMR26はエイドリアン・ニューウェイが全面的に関与した最初のアストンマーティンF1マシンとして大きな期待を集めていた。しかし実際には、空力性能だけでなく、パワーユニットやトランスミッションの統合面でも深刻な課題を抱えているとみられている。
メルセデス依存からの脱却で露呈した課題
アストンマーティンは、これまでメルセデスからパワーユニットだけでなくギアボックスやリアサスペンションも供給を受けていた。事実上、リアエンド全体をメルセデスに依存する構造だった。
しかし、ホンダとのワークス提携開始によって状況は一変した。シルバーストンのチームは、リアエンド全体を自ら設計・開発する必要に迫られた。
特に大きかったのは、自社製トランスミッション開発への挑戦だ。新設された専門部門は経験不足にも直面しており、AMR26ではシフトチェンジの遅さや唐突さがドライバビリティを悪化させているという。
ホンダPUとの統合でも苦戦
問題はギアボックスだけではない。ホンダ製パワーユニット側でも、性能面と信頼性面の両方で苦戦が続いていると報じられている。
特に問題視されたのは振動だった。有害な振動がシャシー側にも伝わり、バッテリー系統にまで影響を与えていたという。まずはその“有害な周波数”を抑え込むことが最優先課題になっていた。
ホンダは2020年末に一度F1撤退を決断しており、その後に再参戦を決めた経緯もあって、開発体制の再構築には時間を要したとされる。

マイアミで投入された“見えない改善”
F1マイアミGPでアストンマーティンが大規模アップデートを投入しなかったことには批判も集まった。しかし実際には、シルバーストンでは電子制御によるギア管理改善に取り組んでいたという。
狙いはシフト時間の短縮だったが、ドライバーの不満を見る限り、期待された成果には届かなかったようだ。
AMR26は依然としてブレーキング時の不安定さを抱えており、加速時もギア同期が難しい状況が続いているとされる。
カナダGPが“最初の転機”になるか
その後、エンジンとギアボックスは日本のホンダ施設でダイナミックベンチテストを実施。さくらで進められた電子制御面の細かな調整によって、モントリオールでは改善が期待されている。
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットはストップ&ゴー特性が強く、トラクション性能がラップタイムに直結するコースだ。ギア制御とパワーユニットの統合精度が向上すれば、AMR26にとって今季初の“小さな前進”になる可能性がある。
ただし、これはまだ本格的な反撃というよりも、問題解決への第一歩に近い。ニューウェイの革新的な設計思想だけでなく、ホンダとの連携や組織全体の成熟度も、アストンマーティンF1の将来を左右する重要な要素になっている。
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