アストンマーティン・ホンダF1「自壊は回避」 信頼性危機を脱出へ

ただし、競争力の面では依然として課題が残る。空力の再設計やシャシー軽量化には数カ月を要し、パワーユニットの性能改善は夏以降になる見通しだが、チーム内では「最悪期は脱した」との見方が広がっている。
アロンソとホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治がグリッド上で交わした抱擁は、アストンマーティンがこの危機をホンダとともに乗り越えていく姿勢を象徴するものだった。
レース後のホスピタリティには安堵の空気があったものの、祝賀ムードはなかった。
クラック「祝う状況ではないが前進した」
マイク・クラック(アストンマーティン)は現状について次のように語った。
「チームの雰囲気は祝うようなものではないのは明らかだ」
「ただ振り返れば、メルボルンでは6周走ることを評価していたし、上海ではセッションに参加できたがコースに出るまでに多くの作業が必要だった」
「今回はそうではなく、マシンは走れる状態にあった。目標は控えめに2台とも完走することだったが、1台で達成した。これは多くのステップの中の小さな一歩だ」
さらに現状の危機についても言及した。
「チームとして自壊してはいけない。我々は難しい状況にあるが、この3カ月のポジティブな点を見る必要がある」
「1月以降ほとんど走れていなかったが、今はレースを完走した。本来は当たり前のことだが、それが今の我々の現実だ。それを受け入れて前に進む必要がある」
「現場、さくらの施設、そしてシルバーストンの全員に功績がある」

高速コーナーと重量が課題
一方で、問題がエンジンだけではないことも明確になっている。
「我々は大きなステップを踏む必要がある。信頼性のような小さな改善ではない」
「この中断期間で最初の一歩を踏み出すが、我々は山を登らなければならない」
「高速コーナーで良くないし、最低重量にも達していない。改善すべきことがある」
「それを解決したとしても、同時にホンダも目指す位置にはいない」
ホンダ側も現状を認めている。現場責任者の武石伊久雄は、信頼性確保のために出力を抑えているわけではないと明言した。
「短期間で解決できる問題ではないが、エンジン性能の改善に集中している」
「エネルギーマネジメントの改善が必要だが、エンジンの作動条件は限界に近く、余裕は大きくない」
4週間のインターバルは、アストンマーティンとホンダにとって再建に向けた重要な時間となる。現状は依然として厳しいが、チームは「自壊」を回避し、次の段階へ進み始めている。
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