アストンマーティン、F1セーフティカー供給から撤退

アストンマーティンとメルセデスは2021年以降、セーフティカー業務を分担してきたが、これは1996年から続いていたメルセデスの独占体制を終わらせるものだった。しかし、アストンマーティンとの契約が2025年末で満了したことで、再びメルセデスが全責任を担う形となる。
アストンマーティンは声明の中で、F1への関与に感謝の意を示している。
「FIA公式セーフティカーおよびメディカルカーを提供するためのF1との契約は、2025年シーズン終了をもって満了した。F1へのブランド復帰を大きく後押しする機会となり、過去5年間にわたってこの重要な役割を担えたことに感謝している」
アストンマーティンのセーフティカー供給は、とりわけ初期において議論を呼んだ。最初に投入されたヴァンテージF1エディションは、交代で使用されていたメルセデスAMG GTブラックシリーズと比べて重量が重く、出力も大きく劣るとパドック内で批判され、集団のペースを適切にコントロールできるのか疑問視されていた。
その懸念が公の場で表面化したのが、2022年F1オーストラリアGPだった。このレースでマックス・フェルスタッペンは、セーフティカーの速度について辛辣なコメントを残している。
「セーフティカーがあまりにも遅すぎた。まるでカメみたいだった。信じられない」
「バックストレートで時速140kmしか出ていなかった。壊れたマシンもなかったのに、なぜあんなに遅く走らなければならないのか理解できない。調査する必要がある」
これを受け、アストンマーティンは改良を重ねた。2024年シーズンには改良型ヴァンテージを導入し、大型ターボチャージャーの採用、冷却性能の向上、新カムシャフトの投入などにより、出力は656馬力まで引き上げられた。

さらに改良は続き、昨年のF1オランダGPでは、アップグレード版となるヴァンテージSが初登場している。
セーフティカーに加え、アストンマーティンはメディカルカーとしてDBX707も提供してきた。この高性能SUVは約700馬力を発生し、医療対応車両としてF1の現場を支えてきた。
2026年シーズンからは、メルセデスがセーフティカーとメディカルカーの両方を全面的に供給する。セーフティカーはAMG GTブラックシリーズ、メディカルカーはメルセデスAMG GT 63 Sをベースとした車両が使用される予定だ。
なお、セーフティカードライバーを務めるベルント・マイレンダーは引き続きその役割を担う。彼は2000年からこの職務に就いており、F1におけるセーフティカーの象徴的存在であり続ける。
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