アストンマーティンF1代表 ニューウェイの設計集中に「思わず謝りたくなる」
アストンマーティンF1チーム代表のアンディ・コーウェルは、2026年マシンの開発に没頭するエイドリアン・ニューウェイの“異常なまでの集中力”について語った。

2026年シーズンから導入される新レギュレーションに向けて、各チームが次世代マシンの開発競争を激化させるなか、アストンマーティンはF1デザイン界の巨匠を中心に新時代の布陣を固めつつある。

2024年にレッドブルを離れたニューウェイは、2025年5月にアストンマーティンへ正式加入。モナコGPでチームカラーに身を包み、2026年マシンの設計に専念していることを明かした。その姿勢について、コーウェル代表は驚きを隠さなかった。

ニューウェイ、2026年マシン開発に“没頭状態”
2024年5月、レッドブルを離脱したニューウェイは、その後の去就が注目を集めたが、最終的にアストンマーティンへの加入が4カ月後に正式発表された。2025年5月にチームの正式メンバーとなり、モナコGPでアストンマーティンのチームカラーに身を包んで登場した彼は、「2026年マシンの開発に完全に集中している」とメディアに語っていた。

その際、妻が「彼は新しいマシンを設計しているとき、まるで“設計トランス”に入ったようになる」と話していると明かしていたが、コーウェル代表もこれを裏付けている。

「彼の集中力は異常。話しかけるのが申し訳なくなる」
「彼は非常に集中力の高い人物で、信じられないほど情熱的だ。自分のオフィスにある製図台で、細部の設計を描いている。彼の集中ぶりは尋常ではない」とコーウェルは語った。

「彼の部屋に入って話しかけようとすると、細かい設計に没頭していて、まるでトランス状態にあるように見える。あまりに集中しているから、こちらが『邪魔してすみません』と謝りたくなるんだ。少しだけ時間をもらって別の話をしたいだけなんだけどね」

さらにコーウェルは、ニューウェイが持つ“全体構造を見渡す力”を絶賛した。

「彼のすごさは、クルマ全体のアーキテクチャを見渡して、互いに矛盾する要素を完璧にバランスさせること。業界で彼以上の人物はいないと思う」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

ニューウェイの“職人主義”がチーム文化を変える
アストンマーティンは近年、風洞施設の刷新や人材獲得など、急速な技術基盤強化を進めている。その中心に立つニューウェイの設計哲学は、デジタル化が進むF1界の中で異彩を放つ“職人主義”だ。彼は依然として紙の図面と鉛筆でアイデアを練り上げ、空力・メカニカル構造を一体的に捉える。

このアナログ的なアプローチが、2026年からのF1マシン設計における“軽量・高効率・コンパクト”という新方程式にどう影響するかは注目に値する。
アンディ・コーウェルのような工学的リーダーと、ニューウェイの芸術的設計思想が融合すれば、アストンマーティンはレギュレーション一新の初年度において、最も危険な存在になり得る。

Source: RacingNews365

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム