アストンマーティン 2025年F1シーズンの大不振を受けて緊急会議
2025年のF1シーズンが始まって5レースが経過した現在、アストンマーティンの高い野望は厳しい現実と正面から衝突している。

アストンマーティンF1チームは、新しい施設、再編された経営陣、そしてエイドリアン・ニューウェイという天才的なデザインを武器にしているが、まだその潜在能力を発揮できていない。

それどころか、チームはグリッドの最前線からさらに後退し、サウジアラビアでのまたしても期待外れのレース週末の後に、チーム代表のアンディ・コーウェルが緊急会議と表現した事態を招いた。

「我々は、この3連戦で何を学んだかについて考え、今後どうするかを話し合うために集まっている」とコーウェルはレース後に明かした。

「この車からもっと何かを引き出せる? ああ、できると思う」

新たなレース、新たな闘い
サウジアラビアGPは、かつて復活を遂げたチームにとって、またしても苦戦の週末となった。2度のワールドチャンピオンに輝き、F1界で最も安定したパフォーマンスを誇るフェルナンド・アロンソは、11位に終わった。今シーズン2度目のポイント圏外のフィニッシュとなった。

2度の世界チャンピオンのコメントは、現状の厳粛な状況を浮き彫りにした。

「コース上では全力を尽くした。前のマシンのペースを維持するのは難しかった。とにかく速さが足りなかった」とアロンソは認めた。

「11位はおそらく最悪の順位なので、それに慣れる必要がある。今年はポイント獲得が難しいだろう」

雨に濡れたオーストラリアの開幕戦でランス・ストロールが6位に入るなど、一筋の希望の光とともに年が始まったにもかかわらず、アストンマーティンはすぐに平凡な成績に陥ってしまった。

5ラウンドを通じて、チームはポイントを獲得できたのはわずか2回、予選でトップ10に入ったのはわずか1回だけだった。これも上海のスプリントシュートアウトでのストロールの活躍によるものだ。

アロンソはジェッダでの結果についてさらに詳しく説明し、トップ10圏内に留まったのはペースではなく運だけだったと強調した。

「今日は11位だが、1周目に角田裕毅とガスリーが接触し、リアム・ローソンが10秒加算ペナルティを受けたおかげだ。そうでなければ14位だった。でも、まだ先は長い」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

「もう少し前進できる」:苦難の中の希望
厳しいスタートにもかかわらず、コーウェルは慎重ながらも楽観的な姿勢を崩していない。チームのインフラ整備における目玉として、大いに期待されていた新設のアストンマーティン風洞がついに稼働を開始した。

そして、チームの技術的方向性を再構築するために招聘されたコーウェルは、たとえそれが困難な道であっても、チームが貴重な教訓を学んでいると信じている。

「これまでのレースを振り返ってみると、マシンからもっと多くのものを引き出せると思う部分がたくさんあると思う」とコーウェルは語った。

「レースに勝つだけで十分か?いいえ。だが、もう少し前進できるかか? 答えはイエスだ。我々はこのマシンについて学んでいるし、ファクトリーに導入された新しい設備についても学んでいる。そして、どうすれば前進できるかを学んでいる」

それでも、AMR25が上昇傾向にある兆候はほとんど見られず、2026年と新しい規制の時代に大きな期待が寄せられている。

チームの新メンバー、伝説的デザイナーのエイドリアン・ニューウェイは、まさにそこに注力している。今のところ、彼は現在のマシンには手を出していない。

「エイドリアンの設計時間の100%は26年に集中している」とコーウェルはサウジアラビアGPを前に認めた。

常に実用主義者であるアロンソは、現在の困難にもかかわらず、このアプローチを支持している。

ニューウェイがAMR25に関与すべきかとの質問に対し、彼は「最終的には彼の決定だと思う」と答えた。

「彼には何が最善かを見極めるのに十分な経験、知識、そして経歴がある。彼は2026年シーズンのことだけを考えているので、もし彼がそう決めるのであれば、僕は全面的に支持する」

月曜日の緊急会議が新たな発展の方向を刺激するか、あるいは内部の優先順位を変えることになるかはまだ分からない。

しかし、一つ確かなことは、アストンマーティンが2025年シーズンを生き延びたいのであれば、口先だけで済ませるのではなく、行動を起こさなければならないということだ。今こそ、結果を出す時だ。

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム