アルピーヌF1チーム オリバー・オークス辞任と弟の逮捕の「無関係」を強調

ウィリアム・オークスは、英モータースポーツの中心地ともいえるシルバーストン・パークで、メトロポリタン警察に身柄を拘束された。警察は「大量の現金を所持していた」として、容疑の根拠を示している。
この事件はイギリス・モータースポーツ界に衝撃を与え、容疑の内容やその影響について多くの疑問が噴出している。
ウィリアムはその後、「犯罪収益の移転」というイギリス法において重罪にあたる容疑で起訴され、5月3日(土)にノーサンプトン治安判事裁判所に出廷。勾留が決定され、今後の法的手続きに備えることとなった。
メトロポリタン警察は『テレグラフ』の取材に対し、逮捕の事実は認めたが、現金の出所や逮捕に至る経緯については詳細を明らかにしていない。
また、この記事ではフラビオ・ブリアトーレによる「オリバー・オークスのアルピーヌ離脱に関する真相」も紹介されている。
この事件の全容は依然として不透明であり、他の犯罪行為との関連を示す具体的な証拠も現時点では確認されていない。
ウィリアム・オークスは2022年からハイテックGPのディレクターを務めており、同年には新たに設立した企業を通じてチームの過半数株式を取得し、同チームの実権を握っていた。
この買収はタイミング的にも注目された。というのも、この取引はロシアのウクライナ侵攻を受けて、英国政府がチームの前主要株主であるロシアの実業家ドミトリー・マゼピンに制裁を科したわずか3日後に行われたためだ。
元F1ドライバー、ニキータ・マゼピンの父であるドミトリーは、プーチン政権との関係が深い人物として制裁対象となっており、その株式が迅速にウィリアム・オークスの会社へ移譲されたことは、モータースポーツ界のみならず国際政治の観点からも注視された。
それ以降、ウィリアムはビジネスの才覚とモータースポーツへの情熱を武器に、ハイテックGPをジュニアフォーミュラ界の強豪へと押し上げてきた。

アルピーヌの“無関係”な混乱
ウィリアム・オークスの逮捕からわずか数日後、モータースポーツ界ではもうひとつのニュースが駆け巡った。兄であるオリバー・オークス(38歳)がアルピーヌF1のチーム代表を辞任したのだ。
この2つの出来事があまりにも近いタイミングで発生したことから、両者に何らかの関連があるのではないかという憶測が広がっている。
しかし、モータースポーツ・コムの報道によれば、オリバー・オークスの辞任は弟ウィリアムの法的トラブルとは無関係だとされている。ただし、2022年時点でハイテックGPの創設者かつ経営陣の一員だったオリバーが、マゼピンからウィリアムへの株式移譲を「知らなかった」とは考えにくいという声もある。
オリバーはF1マイアミGP終了後、ドバイへ飛んだとも伝えられており、その行動にも注目が集まっている。
一方で、近年の成績不振や度重なる体制変更に悩まされているアルピーヌF1チームは、ウィリアム・オークスの逮捕に関して公式なコメントを一切出しておらず、当面はオリバー退任後の体制立て直しに集中する構えだ。
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