F1アブダビGP 予選:フェルスタッペンが渾身のポール獲得 角田裕毅10番手
マックス・フェルスタッペンはタイトル決定戦となるアブダビGPをポールポジションからスタートすることになった。レッドブルのドライバーはQ3で圧巻のラップを刻み、マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリの挑戦を退けた。

ピアストリとジョージ・ラッセルがそれぞれQ1とQ2をリードしていた一方で、フェルスタッペンはトップ10進出組による最終セッションのオープニングランで勝負を仕掛け、最初に最速タイムを記録すると、最後のアタックでさらにタイムを更新し、1分22秒207という鮮烈なラップを叩き出した。

両マクラーレン勢も最終アタックでトップ奪取を狙ったが、ノリスは0.201秒遅れの2番手に甘んじることになった。一方のピアストリは3番手につけ、日曜日のワールドチャンピオン決定戦に向けてトップ3がそろうことになった。

ラッセルはメルセデスで4番手、シャルル・ルクレールが5番手、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが堅実な6番手につけた。キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトが7番手と好走し、ハースのエステバン・オコン、レーシングブルズのアイザック・ハジャー、そしてレッドブルで最後の予選となる角田裕毅がトップ10を締めた。

週末ここまで力強いペースを見せていたハースのオーリー・ベアマンだったが、Q2進出はならなかった。同様に、カルロス・サインツもQ2に届かず、先週のカタールでの表彰台から一転、ウィリアムズの彼はP12で終えることになった。

リアム・ローソンはレーシングブルズで13番手に続き、メルセデスのキミ・アントネッリは14番手でQ2敗退となった。イタリア人はマシン後方に苦しんでいると報告していた。15番手にはアストンマーティンのランス・ストロールが続いた。

Q1での大きな話題は、ルイス・ハミルトンがまたしても早期敗退となったことだった。フェラーリのドライバーは、FP3でのクラッシュから数時間後、P16に沈むことになった。ウィリアムズのアレックス・アルボンも失望を味わい、1つ後ろのP17となった。

金曜日に好調を見せていたニコ・ヒュルケンベルグだったが、予選では結果につながらず、キック・ザウバーの彼は18番手に終わった。一方、アルピーヌのピエール・ガスリーとフランコ・コラピントはそれぞれ19番手と20番手で最後列を占めた。

アブダビグランプリ 予選 トップ3

■ フェルスタッペンがタイトル決戦を主導、渾身のポール獲得
1分22秒207の完璧なアタックでトップに立ったフェルスタッペンは、ノリスに0.2秒差、ピアストリにも僅かな余裕をつけて先行。過去10年間連続でポールシッターが勝利しているアブダビの傾向を踏まえても、彼が決勝の主導権を強く握る形となり、最終盤での圧倒的な勝負強さが際立つ結果となった。

■ マクラーレン勢は2・3番手確保も“あと一歩”届かず
ノリスとピアストリはセクター1からわずかに遅れを取り、整った流れの中でフェルスタッペンに迫り切れなかった。とはいえ2台ともフロント寄りの好位置につけており、決勝での戦略次第では十分に逆転の可能性が残る配置。アタック時のトウ獲得の難しさや、タイヤの準備状況の差が最後の差に影響した。

■ 中団の主役はボルトレト・オコン・ハジャー、いずれもQ3で存在感
ボルトレトが堂々の6番手、オコンが8番手、ハジャーが9番手と、中団の勢いが目に見える形で数字に表れた。いずれも上位勢に接近するタイムを刻み、レース本番でトップ争いに干渉する可能性すら示唆。アストンマーティンのアロンソも加わり、中団全体の密度が一段と高まる予選となった。

■ 角田裕毅はQ3進出、チーム任務を優先して10番手に
角田はQ1からQ2にかけて薄氷の突破ながら持ち味の集中力を発揮し、最終Q3へ進出。アタックではフェルスタッペンへのトウ支援を担う展開となり、自身の最速ラップをまとめる状況には至らなかったが、戦略意図に沿った走りで決勝に向け一定の役割を果たした形となった。

■ Q2はコンマ数厘差の攻防、ベアマン0.007秒届かず敗退
Q2は非常にタイトな争いとなり、ベアマンはわずか0.007秒の差でノックアウト。サインツJr.、ローソン、アントネッリ、ストロールも続いて敗退し、タイヤの投入タイミングや路面状況の変化が順位を大きく左右した。中団勢の速さが際立ったことで、上位常連の一部が脱落する結果となった。

■ ハミルトンは再びQ1脱落、0.008秒差に泣く厳しい予選
ハミルトンはターン12でのミスを含む最終ラップが決まらず、角田に0.008秒届かず16番手で敗退。再びQ1で姿を消す厳しい内容となり、アルボン、ヒュルケンベルグ、ガスリー、コラピントとともに下位に沈んだ。コンディション変化とタイヤの立ち上げが噛み合わず、ベテランにとって苦しい予選となった。

2025年のF1世界選手権 アブダビグランプリ

F1 アブダビGP 予選 結果

1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2.ランド・ノリス(マクラーレン)
3.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
4.ジョージ・ラッセル(メルセデス)
5.シャルル・ルクレール(フェラーリ)
6.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
7.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
8.エステバン・オコン(ハース)
9.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
10.角田裕毅(レッドブル)
11.オリバー・ベアマン(ハース)
12.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
13.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
14.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
15.ランス・ストロール(アストンマーティン)
16.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
17.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
18.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
19.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
20.フランコ・コラピント(アルピーヌ)

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1アブダビGP / F1レース結果