F1 アブダビグランプリ 2017年のF1世界選手権
2017年のF1世界選手権 最終戦 アブダビグランプリが11月24日(金)からヤス・マリーナ・サーキットで行われる。

F1アブダビGPは、今年で9回目を迎える。1200億円以上をかけて建設されたサーキットは、F1開催の素晴らしい舞台であり、地下道を通るピットレーンや、エアコン付きのガレージ、世界最大の常設照明システムなど、特徴的な箇所が多数ある。

カレンダー中5つしかない反時計回りのサーキットの一つで、高速コーナーの配置されたセクター1、ロングストレートのあるセクター2、低速セクションのセクター3と、特性の異なるセクターで構成されている。そして、F1唯一のトワイライトレースであることも見逃せない。

ヤス島のマリーナ沿いにコースが走り、日が暮れ行く中でレースが進むさまは、息を呑むほど美しい光景だ。舗装に際しては、アスファルト用に英国・シュロップシャー州のベイストンヒルにある採石場から切り出された硬砂岩が輸入されている。

このヤス・マリーナ・サーキットが最終戦の開催地となるのは6度目となる。2010年には、4人のドライバーがタイトル獲得の可能性を持って最終戦を迎えた。フェルナンド・アロンソはランキング首位でこの大会に臨んだが、7位に終わり、優勝したセバスチャン・ベッテルが逆転でチャンピオンの座を手にした。

ヤス・マリーナ・サーキット

全長 5.554㎞ ※カレンダー中7番目の長さ。
2016ポールポジション ルイス・ハミルトン 1分38秒755
2016ファステストラップ セバスチャン・ベッテル1分43秒729(43周目)
ラップレコード 1分40秒279 (セバスチャン・ベッテル、2009年)
エンジニアリング コース序盤の高速コーナーは、今季型マシンでは全開で抜けられることが予想されるため、エンジニアリング面では2本のロングストレートと終盤の低速コーナーに焦点が当てられる。21のコーナーのうち、6つが時速100㎞以下であり、低速時のトラクションが重要。また、タイヤ表面をオーバーヒートさせないようにも気を付けなければならない。
ドライビング 縁石の利用がカギ。高速コーナーであるターン3の出口にある縁石はポイントの一つで、シケインでもうまく使いたい。また、ターン19ではバリアにかなり接近して走らなければタイムは伸びない。コンディション変化への対応も求められる。日が沈む前後で温度がかなり異なるので、マシンバランスが大幅に変わってしまう。風向きも時間帯によって変化し、マシンパフォーマンスに影響を及ぼす。
マシンセットアップ ダウンフォースは中程度以上。直線でのスピードは必要だが、低速セクションでのトラクションも重要となる。
グリップレベル 中程度。路面はスムーズだが、砂漠から流れてくる砂によって滑りやすくなる箇所がある。
タイヤ ウルトラソフト(紫)、スーパーソフト(赤)、ソフト(黄) ※この組み合わせは今季10回目
ターン1までの距離 300m
最長ストレート 1200m ※ターン1へ向かう直線
トップスピード 時速320㎞(ターン8への進入時)
スロットル全開率 63%
ブレーキ負荷 高い。ブレーキングポイントは13カ所あり、一周のうちでブレーキを使用する割合は18%。
燃費 1周あたり1.80㎏を消費。カレンダー中でも比較的高め
ERSの影響中程度。ERSのデプロイを低速コーナー出口で効果的に使用するのが重要だが、ブレーキングポイントが多いので回生する機会は多い。
ギアチェンジ69回/1ラップ、3,740回/レース

F1 アブダビグランプリ

周回数55ラップ
スタート時間現地時間17時(日本時間22時)
グリッドポールポジションはコース右側のレーシングライン上。ターン1は左コーナーだが、アウト側からの方がトラクションを多くかけられるので、ブレーキングゾーンで有利になる。
DRSゾーンは2つ。ターン8と11へ向かうストレート。
ピットストップ2ストップ戦略が定石。昨年のルイス・ハミルトン、2015年のニコ・ロズベルグはともに2ストップで優勝し、ともに10周と25周前後でピットインした。今季使用されている硬めのタイヤ特性から、1ストップの可能性もあるが、デグラデーション次第。
ピットレーン360m。1回のストップでのタイムロスは約22秒。ピット出口のトンネルでクラッシュしないように注意が必要。
セーフティカー出動率は40%。接触があるとすればシケインの場合が多く、低速でのクラッシュとなる。そのため、デブリが比較的少なく、セーフティカーの可能性も低くなる。
注目ポイント日没時。ターン14と19は西向きで日が沈む方向にあるため、視界への影響がある。レース中わずかなタイミングではあるものの、ここはブラインドコーナーなので慎重な走行が必要。
見どころトワイライトレースでは、すべての光景が美しく映える。エンジニア、ドライバーともに腕が試されるチャレンジングなレースだ。
関連:2017 F1アブダビグランプリ テレビ放送時間&タイムスケジュール

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カテゴリー: F1 / F1アブダビGP