トヨタ
FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ニュルブルクリンク6時間レースは、8月30日(日)に決勝レースを行い、TOYOTA GAZOO Racingのアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴の乗るTS040 HYBRID#1号車が5位、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車が6位に入賞した。

今回のレースは、TOYOTA GAZOO Racingの本拠地ケルンのTMGから僅か90km南に位置する伝統のサーキットで、3日間延べ6万2000人の観衆を迎えて行われた。

ニュルブルクリンクでLMP1が走るレースが行われたのは2009年以来のこと。

ニュルブルクリンク6時間レースの結果、2014年のWECチャンピオンチームであるTOYOTA GAZOO Racingは、ポルシェから95点引き離されてマニュファクチャラーズ選手権3位に付けている。ドライバーズ選手権では#2号車に乗るブルツ、サラザン、コンウェイの3人が7位に付けている。

決勝レースは好天に恵まれ、気温も30度を記録する真夏のような気候の中で行われた。スタートは#1号車を中嶋、#2号車をコンウェイが担当、2台は3列目のグリッドから6時間に及ぶ長い戦いを始めた。1周5.137kmのグランプリコースはコース幅が狭く、LMP1クラスの戦いではコース上の混雑が最大の問題点だった。遅い先行車を巧みなリズムで抜き去るには、高次元の車両バランスが要求された。

レースでは色々な事が起こるが、3時間を経過した時点でアクシデントによりコース上に散乱した部品を片付けるために2度のフルコースイエローが出されたが、2台のTS040 HYBRIDには大きな影響はなく、5位と6位から上位を目指し着実に走行した。レースはそのまま進行し、6時間を終えた時点で#1号車はデビッドソンが、#2号車はブルツがステアリングを握り5位と6位でチェッカーフラッグを受けた。優勝はポルシェ#17号車だった。

WECは今シーズン全8戦を折り返し、第5戦は9月19日(土)に米国テキサス州オースティンにあるCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で行われる6時間レースが舞台となる。そのアメリカのレースを皮切りにWECはヨーロッパを離れ、ホームレースとなる日本でのWEC富士6時間レース(10月11日決勝)、中国、バーレーンと長い旅に出る。

佐藤俊男 チーム代表
今日は暑さの中ではありますが、的確なピットストップ作業とレースマネジメント、そして確実なドライビングと、チームはプロの仕事をしてくれたと思います。しかしながら結果は満足出来るものではありませんでした。ライバルに対して十分な速さが無かったと思います。WECは耐久レースですが、どのチームにも大きなトラブルはなく、LMP1のそのレベルの高さをここでも確認することが出来ました。今日は、非常に大勢のトヨタファンの皆さんと、ドイツトヨタやトヨタヨーロッパからのゲストにグランドスタンドで応援いただき、とても感謝しております。シーズンの欧州ラウンドは終わりますが、残る4戦に向けてケルンと日本にて引き続き改良に傾注して行きます。

TS040 HYBRID #1号車
(アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴)
決勝レース : 5位 200周、ピットストップ6回、グリッド : 5番手、最速ラップ : 1分40秒207

アンソニー・デビッドソン
我々は今日、これ以上はない完璧な仕事をしたと思います。何のトラブルもなく、チームのエンジニアとメカニックの仕事ぶりには、感謝しています。我々は今後のレースに向け更なるチャンスを見つけようとしており、決して諦めてはいません。出来ることを全てやった今日、この挑戦は楽しいものでした。

セバスチャン・ブエミ
チームメンバー全員が本当に良くやってくれました。我々は全力を尽くし、集中も切らさず、最善を尽くし、技術的問題もありませんでしたから、今日の戦いには満足しています。レース結果は満足行くものではありませんが、まだまだやれます。気持ちを次のレースに切り替え、やるべきことへまい進します。

中嶋一貴
今日は少々物足りないレースでした。というのも、現実的には2台のTS040 HYBRIDでお互いに競いあう以外、バトルが無かったからです。我々は決して諦めず、持てる力を出し切ったと思います。自分のスティントでの走りとラップタイムには満足しています。これからも更にプッシュし、全力で戦い続けます。

TS040 HYBRID #2号車
(アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
決勝レース : 6位 199周、ピットストップ6回、グリッド : 6番手、最速ラップ : 1分40秒738

アレックス・ブルツ
ドイツでWECのレースが戦えたのは素晴らしいことで、信じられないほど多くの観客が訪れてくれた最高のイベントでした。我々にとってのレース自体は完璧とは言えず、何故タイムを失ったのか詳細を調べる必要があります。我々は感覚を研ぎ澄まし、常に自分たちのパッケージを最適化し続けなくてはなりません。それが今季残りのレースへ向けた我々の使命です。

ステファン・サラザン
最大の努力をし、常にチャンスをうかがって、可能な限りベストなレースを戦いました。ハードにプッシュし、一切ミスなく全力を尽くしました。結果は望んだものではありませんが、時にはそういうこともあります。私はイベントを楽しみましたし、非常に多くのファンが来てくれたことは本当に素晴らしいことでした。

マイク・コンウェイ
初めてのサーキットで良いスタートが切れたことには満足しています。最初のスティントでは、TS040 HYBRIDのバランスの面で若干苦戦しましたが、レース後半で再びドライブした時にはとても良くなっていました。最後までずっとプッシュを続け、可能な限り最速のタイムを刻むべく集中しました。その点では上手く行ったと言えますが、もちろん次戦アメリカではもっと良い結果を望んでいます。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)