ミハエル・シューマッハ
2010年にメルセデスGPでF1復帰することが決定したミハエル・シューマッハ。シューマッハの復帰を記念して、ここで現役引退を表明した2006年のイタリアGP決勝レース後のプレスカンファレンスでのコメントを振り返ってみる。

ミハエル・シューマッハ
今日は僕にとって、とても意味深い日になりました。今回、このような形で優勝できて良かったです。チャンピオンシップも大きな目標ですが、僕自身、今後についてもいろいろと考えてきました。僕の今後についてはたくさんの話し合いを重ねてきました。そして、この時点でファンの皆さん、モータースポーツ関係者にきちんと僕の方からお話すべきと考えました。

まず、少し時間がかかったことをお許しください。僕達も一番よいタイミングを検討してきて、今日の日になりました。簡単に言うと、モンツァでレースをするのはこれが最後になります。チームと話し合った結果、今シーズン限りで引退することを決意しました。

振り返ってみると、本当にモータースポーツの世界に入って30年以上、信じられないような素晴らしい経験をさせてもらいました。うまくいったときも、いかなかったときも、すべてが貴重な体験でした。おかげで充実した時を過ごすことができました。特に、家族には大変感謝しています。父親、亡くなった母親、そしていつも支えてくれた妻と子供達。家族の支え、協力なしには、とてもこの厳しいスポーツで、戦い、生き残り、結果を出すことはできなかったと思います。家族だけでなく、ベネトン時代からの仲間にも感謝しています。そしてフェラーリに来てからは、たくさんの素晴らしい同僚、友人にめぐり合い、友情を育むことができました。その中で、こうした決断を下すことは容易なことではありませんでした。エンジニアの仲間、友人のことを考えると、後ろ髪を引かれる思いでした。しかし、いつかはこの日が来るわけですから、仕方のないことだと思っています。今がその決断の時だと感じました。

また、チームメイトのマッサにも影響するので、僕の身の振り方をこの段階で決めておく必要があると感じました。彼は素晴らしいドライバーで、チームメイトとしても協力してくれました。彼が今後のことを考える上で、やはり僕が先にはっきりと決めてあげておく必要があると感じました。それでこのような決断をしました。また、僕の後任について、チームの方から正式な発表があると思いますが、僕も既にそのドライバーの名前を聞かされています。大変よい選択だと感じました。あとは、残りの3戦に全力を尽くすだけです。よい形で終わらせることができればと思いますし、もちろんチャンピオンシップも狙います。今日の優勝は、その目標に向けて大きな一歩になりました。今まで僕を支え、見守ってくれた多くの方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

(2006年9月10日 イタリアGP)

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カテゴリー: F1 / ミハエル・シューマッハ