キミ・ライコネン
キミ・ライコネンは、メディアに対するそのそっけない言動によって、エンジニアとのコミニュケーション能力、技術的な能力に欠けていると思われる傾向にある。

来年ロータスF1チームで2年ぶりにF1復帰するキミ・ライコネン。フェラーリは2009末、キミ・ライコネンの契約を1年買い取り、2010年のフェルナンド・アロンソのためにシートを空けた。

実際、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリはアロンソの方がライコネンよりも開発とチームの士気を高めるという点で“優れている”と主張し、ドライバー交代の決定を正当化していた。

「フェラーリは、チームにとってのシューマッハのような人物を必要としている。(ライコネンは)とても速いが、非常に閉鎖的でもある。勝てるマシンにおいては彼はパーフェクトだ。だが、マシンを開発する必要があり、チームを刺激するといういう点ではアロンソの方が優れている」とステファノ・ドメニカリは Auto Bild に述べていた。

しかし、F1パドックの関係者の評価は異なっている。

ごく最近、ジェンソン・バトンは、キミ・ライコネンがF1に復帰すると聞いたときは驚いたが、復帰を支持していると述べた。

「マクラーレンでエンジニアから聞いたのは、彼はエンジニアリング面とマシンのセットアップにおいて何をすればいいかわかっているということだ」とジェンソン・バトンは Autosport に述べた。

マクラーレン時代にキミ・ライコネンと仕事をしたエイドリアン・ニューウェイは「キミとミカ(ハッキネン)はマシンの挙動においての報告が似ている。ボキャブラリの使い方が巧い。言葉を無駄にしないとでも言おこうか。彼らの使う言葉は非常に正確だ。キミがマシンについてコメントする場合、そのコメントには注目する価値がある。ミカと同じようにね」と述べていた。

BBC のピットレーンレポーターを務めるテッド・クラヴィッツは「マクラーレンのエンジニアは、いまだライコネンの一貫したラップタイムについて驚きをもって話をしている。非常に優れていたと彼らは言っている。彼がピットレーンに戻り、何がおかしいかを言い、彼らがそれを直して彼が出ていくと速くなっている。単純なことだ」と述べた。

2007年にキミ・ライコネンがワールドチャンピオンを獲得したときにホンダでチーム代表を務めていたロス・ブラウンは「序盤、キミは、新しいチーム、マシン、特にブリヂストンタイヤに少し苦労していたので、特に嬉しかったよ。感銘を受けたのは、彼のエンジニアとの作業、問題の把握、状況を克服することだ。重要なことにミハエルのスタイルで彼はチームのプライバシーの範囲内で静かなやり方でそれをしていた」と述べていた。

ライコネンがワールドチャンピオンを獲得したときのレースエンジニア、クリス・ダイヤーは「彼はマシンがどうなっているか非常に明確なフィーリングを与えてくれる。実際にそれ以上を求めることができないくらい彼は我々がマシンに施す変更に対して非常に敏感だ」と過去に述べている。

F1ジャーナリストのジェームズ・アレンは「フェラーリがマシン開発を止めた7月以降の彼のパフォーマンスは驚くべきものだった。フェラーリのエンジニアでさえ、ライバルと比較したマシンパフォーマンスを考えて、彼がどのようにして表彰台を獲得したか完全には理解していなかった」と述べた。

Autosport の記者ジェナサン・ノエルは「あるチームのインサイダーは、データを見て、困難なマシンのコックピットで彼がやっていたことを信じることができないと言っていた。彼は理論的にF60の能力を越えていた。まるで元チーム代表に彼らが間違っていることを証明するための最後の抵抗のようにね」と述べた。

2002〜2006年にマクラーレンで5年間キミ・ライコネンと仕事をしたマクラーレの現チーム代表マーティン・ウィットマーシュは、長くキミ・ライコネンの大きな支持者だった。

マーティン・ウィットマーシュは、キミ・ライコネンが2009年にフェラーリを去ったあと、ライコネンと契約しようとしていた。

「彼は政治的ではないし、かなり素直だ。あなたが見ているものが、キミと得たものだ。誰もが彼が勝てるドライバーであることを知っている。彼は技術的に過小評価されていると思う」

今年始めの Motorsport-total.com のインタビューでは「私はキミのファンだし、それを秘密にはしてこなかった。彼は過小評価されているドライバーだと思う。誰もが彼がどれくらい速いかを知っているのでその点での過小評価ではない。だが、人々は彼がどれくらい賢く、チームに優れた技術フィードバックを与えてくれるかわかっていないと思う」と述べていた。


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カテゴリー: F1 / キミ・ライコネン