マクラーレン ホンダ F1
2017年これまでの3日間のプレシーズンテストでトラブルにより走行を制限されたフェルナンド・アロンソが、チームが抱える問題、そして、それが2017年シーズンのスタートに及ぼす影響について語った。

マクラーレン・ホンダ MCL32に大きな期待を抱いてテストに臨んだフェルナンド・アロンソだったが、特に第1回テストではトラブルが多発。ここまでテストを担当した3日間で147周しか走れていない。

今回のエンジンスペックはオーストラリアで使用するスペックですか? 昨年のエンジンよりも悪化していますか?
最初の質問に関しては、オーストラリア・スペックのエンジンではない。でも、先週からの進化版だ。オーストラリアには異なるソリューションを持ち込むだろうし、その点から言えば、最終バージョンでは、パワーと信頼性が高まるという希望はまだある。でも、先週のスペックは期待したような結果をもたらさなかったし、今週のスペックも期待に届かなかった。オーストラリアに関しては、もっと多くを望む必要があるし、過去2つのスペックが僕たちの期待にマッチしなかったので希望を持たなければならない。様子を見てみよう。今日の走行に関しては、去年よりパワーはさらに劣っているかもしれない。でも、僕たちはエンジンに抱えている異なる理由、異なる問題のためにオーストラリアで使うものとはかけ離れたセッティングで走っていた。エンジンのフルパワーは、僕らが今経験している問題を全て解決するまで見られないだろう。

問題が全て解消し、クルマのポテンシャルの全てを発揮できるようになるのはいつになると考えていますか?
僕にはわからない。それはトップが下すであろう大きな決定によるところが多い。メインのゴールは、できる限りベストなコンディションでオーストラリアに到着することだ。それはテストの最初の6日間では達成できなかったことだ。僕たちにはあと2日残っている。各ドライバーに1日ずつね。中・高レベルの信頼性を築き、できるだけ問題を抑えてレースをフィニッシュし、引き出せるだけのエンジンパワーを出してオーストラリアに着くために、クルマの基本的な部分を試し、エンジンの中にあるパワーを解放していきたい。2つ目のプライオリティーは競争力だ。やがてはトップ5のバトルに加わり、表彰台に上り、レースに勝たなければならない。今年僕たちが夢見ていたこと全てだ。そのためには、大きな決定によってこの状況が変わることを期待している。即座の素晴らしい反応をチームに期待している。

これだけの問題が発生していますが、テストの最初の6日間でポジティブなものは見いだせましたか?
全般的に新ルールにはポジティブなフィーリングがある。コーナーを攻めることができるし、グリップも増えた。それは嬉しいポジティブなサプライズだ。今は思い通りに全開でドライブできる。小さな子どもみたいにタイヤを長持ちさせたり、変なことが起きるのを避けなくてもいい。それがF1マシンを感じるベストな方法だし、自由にアタックできるのは楽しい。足りないのは他の人たちと同じスピードでストレートを走れるかだ。クルマはいいと思う。他のクルマと比較した分析では、コーナーではほぼ全てのコーナーでタイムは失っていない。でも、すべてのストレートで常に30〜40km/h遅い。ストレートで失っているタイムを足せば、速いクルマとのギャップは埋まる。

オーストラリアに向けた短期的なソリューションは?
僕には何もない。僕にできるのは自分のベストな仕事をして、できるだけ速くコーナーを走ることだけだ。そのためにはエンジン面の作業が必要だ。内部にあるはずのパワーを引き出すためにね。僕たちはまだ一度も望んでいたようなエンジンのフルパワーで走れていない。信頼性も不足している。15周、35周、43周、望んだとおりに多く連続して走り、エンジンのアラームが鳴ってではなく、止まりたいだけ止めればいいようにしなければならない

もしもあなたのマシンにメルセデスエンジンを積んでいたら、オーストラリアでの勝利は可能だと思いますか?
そんなことは誰にもわからない。そういうのは計算で答えが出ることではない。あのクルマなら勝てるかなんてわかるはずがない。誰にもわからないことだ。僕たちはホンダと力を合わせ、一緒にプッシュし、前進していく。僕たちには今見せているものよりずっと良くなれるポテンシャルがあると信じている。ストレートで30〜40km/kmも遅いなんてあり得ない。テストベンチとコースで違いがあるとか、何が起きているにしろ、彼らに問題があるとしたら、僕たちは一緒にそれを乗り越えて残りの2日間のテストでできる限り多くのラップを走らなければならない。

2015年と今の状況は似ていると思いますか?
いいや、違うと思う。2015年のテスト開始時は僕たちもまだ準備ができていなかったけど、ホンダも自分たちのエンジンについて何もわからなかったと思う。今は過去2年間の情報をたくさん持っているし、ここまで見て経験している問題に対する答えを彼らは全て持っているはずだ。僕たちにはいい電気モーターがあると思っている。トップと比べてもほぼ同等のね。ほぼブレーキングエリアまでストレートでデプロイすることができるし、そのエリアではうまくいっている。戦略、エンジンマッピング、ギアシフトスピードという点ではうまくやれている。2015年にはできなかったことだ。すでに多くのベース作業が終わっているけど、エンジンに関してはニュートラルなエリアがいくつかあるので、残りの2日間でそのエリアを仕上げて、もっと良い状態でオーストラリアに降り立たなければいけない。その後は今年レースに勝つために懸命に仕事をしていく。

ロズベルグの引退表明以降、メルセデスからのコンタクトはありましたか? 彼らのクルマを見て、移籍すれば良かったという思いは?
先週の記者会見を見てよ。答えは全部そこにある! 僕には契約がある。ここにいてハッピーだ。だから、変わる理由はない。

ボッタスにも契約がありましたが・・・
彼はマネジャーが違う・・・

昨年のエンジンの進化版で走るのと、今回のように完全に新しいエンジンに時間を費やして、ラップを失うのではどちらがいいですか?
いやいや、僕はこの状況は気にならない。僕たちが完了したラップはクオリティー重視のラップだ。クルマを理解し、問題を発見する。11周するとリアブレーキのキャリパーがオーバーヒートするとか、ティアオフがラジエーターに入って温度が上がるので、オーストラリアでは再発防止のためにインテークにネットを付けなければならないとか、走るたびに全てのラップから学んでいる。重要なのは異なるセットアップを試し、ハード、ソフト、異なる車高を試し、最終的にどのコンディションでクルマが良いパフォーマンスを発揮するかを知ることだ。それは10周の走行を12回、120周することで達成できる。もしくは3周を12回なら36周だ。どちらの場合でも得られる情報は全く同じだ。今は抱えている問題があるのでショートランにすることを選んでいる。1日の終わりにはとても有益な情報が得られているし、常にクルマの改善に役立っている。まだそれを示すことはできていないけど、正しい方向に進んでいると思う。

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1