F1 2017 パワーユニット
2017年にF1に導入される新レギュレーションによって空力がより強調されるようになるかもしれないが、ボディワークとタイヤの変更はパワーユニットにも大きな影響を与える。

F1をよりスペクタクルでエキサイティングなものにするために、チームは2017年により高速でアグレッシブなルックスのマシンを導入することを求めた。

だが、それによってパワーユニットが脇役に退くわけではない。

実際、エンジンは、燃料流量制限が同じままで、幅広タイヤによってドラッグが増加し、同時に約20%ダウンフォースが増加するマシンを走らせるためにより多くのパワーを供給する必要がある。

エンジニアは、ドライバーがスロットルを戻して、ステアリングを切る部分をコーナーとみなす傾向にある。だが、ダウンフォースが増加することで、F1ドライバーはコーナーを通してスロットルを踏み続けることになる。

「タイヤが大きくなり、ダウンフォースレベルが高くなることで、クルマはフルスロットルの時間が長くなる」とメルセデスのエンジン責任者を務めるアンディ・カウエルはコメント。

「クルマのグリップがかなり高くなるので、既存のコーナーのいくつかは今後はストレートになる」

「ドライバーは、右足をフラットにする時間がより多くなる。つまり、エンジンがフルパワーを発揮している期間が多くなるということだ。それはエンジン的に耐久性へのチャレンジとなる。2017年の我々のチャレンジは、引き続きパフォーマンスを改善するだけでなく、耐久性もかなり強化しなければならないことだ」

また、パワーユニットがより酷使されることで、信頼性もより重要となってくる。例えば、バルセロナの全開率は2016年の50%から70%に上がる。また、シーズン中に各ドライバーが使用できるパワーユニットは、5基から4基へと減る。

より長い時間パワーを供給するだけでなく、F1エンジンは20kg重くなるF1マシンを走らせなければならない。ストレートでのドラッグの増加を相殺するために燃料量は100kmから105kgに引き上げられるが、チームは引き続き、燃費をモニターし続けることになる。

そのため、クルマは速くなるが、ドライバーは燃料をセーブしなければならないという矛盾が生じる。過去3年間でドライバーは燃料をセーブすることに慣れたが、幅広タイヤによるグリップの増加と広く高くなるディフューザーによって、エンジンマネジメントはよりトリッキーになる。

コーナーリングスピードの増加もF1エンジニアにとって大きな難問となる。

「エンジンへの負荷も増加する。クルマはコーナーをより速く回るので、シャシーとエンジン、モノコックとシャシーの間の負荷は増加する。エンジン内の負荷も増加する。対応するためにクルマの全体的な構造を上げる必要がある。エンジン内の全ての液体もね・・・。エンジンが動いていなときは、まったくGフォースはかからない。だが、5Gがかかるコーナーはかなり極端だ。エンジン内、タンク内の液体を全て望んでいる場所に維持するのは難しい」

さらに25%幅が広くなるタイヤによるグリップの増加は、ブレーキの距離を短くし、コーナーでより速いシフトアップに繋がり、燃費に影響する。

レッドブルのチーフエンジニアを務めるピエール・ワシェは、エンジンと2つのエネルギー回生ユニット(MGU-KとMGU-H)のエネルギーバランスを変えることになると語る。

「エネルギーリカバリーも変化する。ブレーキング段階は短くなり、回生エネルギーの貯蔵は少なくなる。その間にストッロルがオープンになる期間が長くなるので、エキゾーストでより多くのエネルギーがリカバリーする。もっと単純に言えば、多くのサーキットが今後はモンツァのようになる」

2017年からパワーユニット開発はトークンが廃止となり、ルノーとホンダは新しいコンセプトのエンジンを導入する。だが、FIAは、パワーユニットのパーツの重量、寸法、マテリアルを制限する。例えば、少なくともMGU-Kは7kg、MGU-Hは4kg、ピストンは300g、クランクシャフトは5.3kgである必要がある。

また、チームは、これまでシーズンの最初に凍結されていたギアレシオをシーズン中に一度だけ変更できるようになる。

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カテゴリー: F1マシン