角田裕毅 レッドブルF1の判断待たず“崖っぷち” 2026年居場所なしとの見方

本来であればメキシコGP後に去就が決まるはずだったが、レッドブルはフェルスタッペンのタイトル争いへの集中を優先。さらにチームはコンストラクターズ2位確保のため、シーズン終盤まで結論先送りの姿勢を取っている。
一方で、2025年末で契約が切れる角田裕毅の成績は伸び悩んでおり、陣営の評価も厳しさを増している。元レッドブルF1ドライバーのロバート・ドーンボスは「2026年にレッドブルでもレーシングブルズでも走らない」と断言し、インディカー転向の可能性まで示唆した。
角田裕毅の2026年が決まらない理由
角田裕毅は2025年シーズン、19戦で獲得25ポイントにとどまり、ミルトンキーンズの本隊では期待された成果を挙げられていないとされている。
原文によれば、レッドブルは「テクニカルフィードバックやレースクラフトが期待値を下回っている」と感じており、かねて否定的だったクリスチャン・ホーナーの評価が「正しかったと学びつつある」とも指摘されている。
また、チーム代表オリバー・ミンツラッフは2026年ラインナップに強い影響力を持つため、ヘルムート・マルコやローラン・メキースも単独で決められない状況。
一連の決定遅延は、角田裕毅にとってポジティブにもネガティブにも働く可能性がある。
ドーンボス「角田裕毅はレッドブルを去る。レーシングブルズ復帰も“有り得ない”」
ドーンボスはポッドキャスト『The Pit Talk』で、角田裕毅のブラジルGP最下位フィニッシュを例に挙げながら厳しい評価を下した。
「マックスが前にいて、チームメイトがどんどん先に行ってしまい、最終的に1分9秒も遅れてゴールした。それは本当に痛い」
「デブリーフの雰囲気を想像してみてほしい。スキップしたくなるだろう、それほどだ」
そしてドーンボスは断言する。
「チームはシーズン末まで彼と共に走るしかない。でも来年のシートは彼にはないと“保証できる”。それは確実に起きることだ」
「そして彼は別の場所を探さなくてはならない。レーシングブルズに戻ることもない。あのチームは“若い才能に翼を授ける場”だから、そこに戻す意味がない」
さらに、「ホンダがアストンマーティンで彼をテストドライバーにする可能性はあるかもしれないが、ホンダ自身も『ここまでキャリアを支えたので、あとは自力で証明すべき』と言ってきた。次の選択肢はインディカーだろう」と語り、角田裕毅の“レッドブル離脱”を既定路線とみなしている。

レーシングブルズの事情が示す“完全消滅とは言えない”可能性
ただし、レーシングブルズ側の状況を見ると、角田裕毅が完全に候補外とは言い切れない。チームはリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドの2026年起用を中心に検討しているが、アラン・パーメイン代表は経験を重視する姿勢を持ち、複数年のF1経験を持つ角田裕毅を評価する可能性も残されている。
それでも、2025年の成績不振やローソンの復調が、角田裕毅にとって逆風となっているのは間違いない。育成枠としての役割と、チームの競争力確保という目的の間で板挟みになっているのが現在のレーシングブルズだ。
アストンマーティンの道も閉ざされる
もう一つの可能性として噂されたアストンマーティンも、2026年リザーブドライバーにジェイク・クロフォードを起用したことで完全に消滅した。ホンダがパワーユニット供給を行うことから角田裕毅の関与が予想されていたが、その可能性は断たれた形となっている。
F1でのシートを改めて見渡しても、2026年に空席はほとんど存在せず、角田裕毅の選択肢は極めて限られている。インディカー転向という案も浮上しているが、一度北米に渡ったドライバーがF1に戻る例は非常に少なく、事実上F1キャリアの終わりに近い含意を持つ。
迫られる“最後の3戦”:キャリアを左右する決定的局面へ
残された3戦でどれだけ結果を残せるかが、角田裕毅の未来を左右する。レッドブルF1残留の可能性は低く、レーシングブルズ復帰も容易ではない。アストンマーティンや他チームへの移籍も事実上不可能な中、角田裕毅が今シーズン最後のレースでどれほど巻き返せるかが、2026年以降のキャリアを大きく決めることになる。
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