角田裕毅のレッドブルF1後任候補ハジャーに警告 ロズベルグ「断れ」
アイザック・ハジャーが角田裕毅に代わってレッドブルのシートを得るのではないかと噂される中、2016年のF1ワールドチャンピオンであるニコ・ロズベルグは、フランス人ドライバーに対して「断れ」と警告した。過激とも言える助言だが、近年の同チームの人事の歴史を踏まえれば、フェルスタッペンの隣の2番目のシートは「チャンス」よりも「罠」に近いというのがその理由だ。

ダニエル・リカルドが2018年末に離脱して以来、レッドブルはチームメイトを安定させることができていない。ピエール・ガスリーは昇格後わずか数か月でトロロッソに戻され、アレクサンダー・アルボンも同じ運命をたどった。角田裕毅も後継者候補とされたが、現在はF1での将来そのものが危ぶまれている。

さらに、セルジオ・ペレスでさえ2024年の惨憺たるシーズンを経て解雇される結果となった。オランダ人ドライバー(フェルスタッペン)を除けば、誰もこのチームで居場所を確立することができていない。

ロズベルグはSky Sports F1のインタビューで明言する。

「もし金曜日にローラン・メキースが電話してきて、『角田は外れるから次のレースで走れる』と言ってきたら? そのときは断らないといけない。僕なら100%ノーだ。絶対にやらないと言うし、強制しようとしても無理だと突っぱねる」

彼は角田裕毅のケースを例に出し、レッドブルがドライバーに及ぼす危険性を指摘した。

「どれだけ危険かわかるか? レッドブルはどれだけのキャリアを壊してきた? 今の角田を見ればわかるだろう。キャリアはかろうじて糸で繋がっているようなものだ。レーシングブルズにいたときは、雲一つない青空だったのに」

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「セカンドシート問題」は以前から指摘されてきた。たとえばメルセデスとの比較はわかりやすい。バルテリ・ボッタスはルイス・ハミルトンに勝つことはできなかったが、明確なセカンドの役割があったことで5年間も在籍し、複数勝利を挙げ、堅実なキャリアを築いた。それに対してレッドブルでは許容度が極めて低く、フェルスタッペンとの比較に晒され続ければ成功はほぼ不可能に近い。

急速な成長と成熟した走りで注目されるアイザック・ハジャーは、いま岐路に立たされている。一方には世界タイトルを狙えるチームで走るという絶好の機会がある。しかし他方には、数多の才能が潰されてきたレッドブルの構造的なリスクが待っている。ロズベルグの結論は明快だ。ハジャーは忍耐を選び、レーシングブルズに留まって2026年の新レギュレーションを待つべきだ。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / アイザック・ハジャー