角田裕毅「ピークは過ぎた」 ヴィルヌーヴがレッドブルF1残留に疑問符

ザントフォールトでフランス人ルーキーが完璧なレースを披露した一方で、日本人ドライバーへの圧力は強まっている。Skyの専門家ラウンドに出演した元F1世界王者ジャック・ヴィルヌーヴは角田裕毅を厳しく批判し、パドック内で囁かれてきた見方を公然と口にした。
「彼の価値はとっくに分かっている」とヴィルヌーヴはレッドブルに向けて語った。「彼は5年間ジュニアプログラムとトップチームにいた。彼が十分ではないことは分かっている。ピークに達してしまったんだ。ここまで来られたのはホンダの後ろ盾があったからにすぎない」
ヴィルヌーヴは、角田裕毅を長年システム内に留めてきた支援方針そのものに疑問を投げかける。初シーズンから力強い結果を出しているアイザック・ハジャーとは対照的に、角田裕毅には将来的な成長の余地がないと断じた。
「彼はチームを前に進めるドライバーにはならないし、マックス・フェルスタッペンに挑めるドライバーでもない。だからどうする? 数ポイントを稼ぐのがやっとだと分かっている者を残すのか、それとも新しい者に賭けるのか?」
コリンズは学習曲線を強調
元アストンマーティン戦略責任者のバーニー・コリンズは、より慎重な視点を示した。角田裕毅はレースごとに学習し成長していることを証明しなければならないと指摘する。
「チームはすべてを細かく見ている。予選の1周ごと、スタート直後の1周ごと、すべての動き。小さな差が今年はグリッドに大きな違いを生む。角田は進歩していることを示す必要がある。進歩がなければ、長期的に残るのは極めて難しい」とコリンズ。
彼女は、結果そのものではなく全体的な傾向が重要だと強調した。「どこでタイムを失っているかを理解し、それを改善していると分かれば希望はある。でも何も変わらなければ、それが雄弁に物語る」
厳しい数字:ペレスより遅い角田裕毅
数字は日本人ドライバーに厳しい。2025年の予選ペース平均でマックス・フェルスタッペンから0.79秒遅れ、決勝ペースでは1周あたり1.1秒遅れている。比較すると、2024年にチームの弱点と批判されていたセルジオ・ペレスですら予選で0.66秒、決勝で0.56秒の遅れにとどまっていた。
つまり、ペレスのワースト期よりも角田裕毅は差をつけられている。ただし、開幕2戦しかチャンスを得られなかったリアム・ローソン(両カテゴリでフェルスタッペンに1.4秒以上遅れ)よりは近い。
マルコ「アイザックは完璧に走った」
角田裕毅が将来を懸けて戦う一方で、アイザック・ハジャーは新人シーズンで早くも初表彰台を獲得した。レッドブルのモータースポーツ顧問ヘルムート・マルコは称賛を惜しまない。
「彼は本当に必死に戦わなければならなかった。ラッセルが何度も仕掛け、ルクレールもそうだ。だが彼は冷静に対処し、ミスをしなかった。完璧だった」とマルコ。
さらに20歳の精神的強さにも言及した。「金曜はエンジントラブルでほぼ2回のプラクティスを失った。でも彼は『大丈夫、トップ5で予選を終える』と言った。自分に速さがあると分かっていた。そして結果を出した」
マルコは、昇格については急がないと強調した。「我々は急いでいない。重要なのは今の角田にとってコンスタントさとスピードだ」。ドライバー起用の決定は数か月先になる見通しで、マルコはメキシコGP前後を目安にするとしている。
フェルスタッペンとハジャー、チームデュオを冗談交じりに語る
マックス・フェルスタッペンもハジャーを称えた。「ルーキーとして素晴らしい。表彰台に値するし、週末を通じて素晴らしかった」。ただし、2人がチームメイトになった場合について問われると、冗談で「最悪だね」と返答。ハジャーも笑いながら「僕はマックスの隣に座りたくない。彼のこと好きじゃない」と応じた。
レッドブルF1チーム代表のローラン・メキースは、冷静にその走りを評価した。「幸運な日や混乱した状況ではなかった。彼はマシンを4番手に並べ、そこからノーミスで走り切った。それは裏にある膨大な努力を示している」
またメキースも、ドライバー選択に焦るつもりはないと強調する。「我々は全員と契約している。決めるのは我々だ。単発の結果に振り回されることはない。まだ9レース残っているし、時間をかける」
角田裕毅についてもマルコと同様の見方を示した。「ポジティブな傾向は見えている。スパでは進歩があったし、ブダペストもそう。そして今回もポイントを取った。この流れを続ける必要がある。マックスとの差を縮め、ポイントを重ねる。それが基準だ」
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / ジャック・ヴィルヌーヴ