角田裕毅 F1オランダGPで「ピットレーン用スロットルマップ」で9位入賞
レッドブルの角田裕毅は、オランダGP決勝を9位で完走した。12番手スタートから序盤は中団グループで粘り、波乱の多い展開のなかで確実に順位を上げていった。しかしレース後半にはマシンが通常とは全く異なる挙動に固定されるトラブルに見舞われ、苦しい走行を強いられた。

それでも角田裕毅はマシントラブルを抱えながら72周を走り切り、貴重な2ポイントを持ち帰った。中団勢が接触やペナルティで脱落する中、終盤の混戦を落ち着いて乗り切ったことが最終順位につながった。

スタートと序盤
12番手からスタートした角田裕毅は、オープニングラップでアントネッリやガスリーと接近戦を展開。混乱を避けつつポジションを守り、中団でレースを進めた。

セーフティカーと戦略
20周過ぎに雨粒が落ち始め、ハミルトンのクラッシュで最初のセーフティカーが導入される。角田裕毅はここでタイヤ交換を行い、再スタート後もポイント圏を狙える位置につけた。

トラブル発生
57周目、角田裕毅は無線で「パワーが落ちている」と報告。
エンジニアは「修復はできない。このまま走るしかない」と返答した。

その後の走行は、通常のトルクの40%程度しか使えないピットレーン用のスロットルマップに固定された状態だった。実質的にセーフティカーと同等の加速しか得られず、彼は普段とは全く異なるドライビングを強いられた。

終盤の粘り
それでも角田裕毅は冷静さを失わず、ガスリーの失速やアントネッリのペナルティ、ノリスのリタイアといった周囲の動きに乗じて順位を維持。トラブルを抱えたままも9位を守り抜いた。

角田裕毅 F1 オランダGP

レース後の説明
角田はレース後、「セーフティカーに追いつけないほどの問題を抱えていた」と状況を振り返った。通常とは違う走り方を強いられたが、即座に適応してポジションを取り戻せたことが収穫だったと語った。

チーム代表のローラン・メキーズも「PU自体の故障ではなく、ピットストップ後にピットレーン用のスロットルマップにロックされてしまった」と説明。レギュレーション上、ピットレーンでは必ずマップを切り替える必要があり、それが元に戻らなければレース全体をその設定で走ることになるという。

「つまり彼は終盤、本当に扱いづらいスロットル特性で走っていた」とメキーズは付け加えた。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1オランダGP