ウィリアムズF1、最新トレンドのドリルド・プレーキキャリパーを導入

現行のフェラーリに搭載されている伝統的なスタイルのドリルドキャリパーと比較すると、キャリパーがパッドをブレーキディスクに固定する部分の周囲に、より広範囲にドリルが施されていることがわかる。
これにより、ブレーキディスクの冷却能力が向上し、一定レベルの冷却を行うために必要なブレーキダクトが小さくなる。フロントブレーキのダクトが空力的にかなり邪魔なので、空力的なメリットも得られる。
しかし、穴が開いている分、キャリパーの材料が少なくなるため、熱を逃がす材料が少なくなり、キャリパー自体が熱くなる傾向がある。そこで、熱伝導率の良い素材を使用し、キャリパー本体から熱を逃がすために、いくつかの穴の中に露出したピンを配列している。

このキャリパーは、従来の穴あけされていないコンポーネントと比較して、1コーナーあたり約200グラム、合計で0.8kgの軽量化を実現している。これは、車両重量を制限値以下にするのに有効なだけでなく、バネ下重量を節約できるため、さらに価値がある。バネ上重量はサスペンションによって支えられているが、ホイールやブレーキなどのバネ下重量は、クルマの乗り心地やメカニカルグリップに大きな影響を及ぼす。
ブレーキキャリパーは、クルマに残された数少ない設計自由度の高い部分である。この新型キャリパーの製造には、長い時間とコストがかかる。

通常、1本あたりの製作時間は約20時間で、従来のタイプは約12時間。キャリパーのアルミ合金に穴を開けるには、特別な装置を作らなければならない。穴をあける速度が速すぎると、熱でキャリパーが歪んで使えなくなる。
ウィリアムズは、このドリルド/ピンド キャリパーの技術を取り入れた3番目のチームであるが、他のチームも追随してくることが予想される。

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