FIA、ウィリアムズのアゼルバイジャンGPの裁定への再審請求を却下
FIA(国際自動車連盟)は、ウィリアムズが再考を求めたF1アゼルバイジャンGPにおけるセルゲイ・シロトキンに科せられた3グリッド降格を含めたいくつかの事案について、検討すべき新たな証拠がないとして要請を却下した。
ウィリアムズのセルゲイ・シロトキンは、F1アゼルバイジャンGPのオープニングラップでのセルジオ・ペレス(フォース・インディア)との接触に3グリッド降格ペナルティと2点のペナルティポイントを科せられた。
セルゲイ・シロトキンは、そのインシデントの後、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)とニコ・ヒュルケンベルグが絡んだ接触事故によりレースをリタイアしている。
ウィリアムズは、同レースでケビン・マグヌッセンがピエール・ガスリーとの接触で10秒加算ペナルティと2点のペナルティポイントを科せられた件、さらにオープニングラップでキミ・ライコネンと接触したエステバン・オコンがペナルティを免れた件を例に挙げ、セルゲイ・シロトキンに科せられたペナルティを見直すよう要請した。
また、セルゲイ・シロトキン、ニコ・ヒュルケンベルグ、フェルナド・アロンソが絡んだ事故にあと、アロンソが右側の前後のタイヤがパンクした状態でピットに帰還した件についても調査するよう求めていた。
8日(火)、FIAは電話会議を実施。会議にはトム・クリステンセンを含めたF1アゼルバイジャンGPのスチュワード、FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティング、ウィリアムズのスポーティングディレクターのデビッド・レディングが参加。また、ウィリアムズの弁護士を担当するマーク・ビドルも同席していた。
最終的にFIAはウィリアムズの異議申し立てを却下。理由の以下のように述べた。
「スチュワードは、重要で関連性のある新たな要素は存在しないと全会一致で判断した。それは要請のあった5つのインシデントすべての見直しに関しても正当化するものである」
1.文書34(シロトキン/ペレスの)に記載されているインシデントに関して、これは1台のクルマが他のクルマの後部に衝突したものであり、クルマがサイド・バイ・サイドだった他の1周目のインシデントとは類似していない。ペナルティは同様の接触に科された他のペナルティと同じであり、以前に科せられた最低限のグリッドペナルティと一致する。
2.文書34の書面による決定が17時28分までチームに届かなかった事実とは関連性がないと見なされた。抗議や控訴が期限切れになるまでに十分な時間があったからだ。これは他のインシデントにペナルティが科せられなかった、あるいは十分な処分が下されていないと主張するチームの討議に関連して言及するものだ。
3.文書43(マグヌッセン/ガスリー)に記載されるインシデントに関して、チームは書面による審査請求でマグヌッセンに対するペナルティは「重要度が低い」と主張した。チームは、FIAとチームの代表およびドライバーによって開かれた2013年の会合以降、ペナルティの結果が考慮されていないことを説いている。
4.上記に加えて、その他のペナルティに関して、2016年の開始時以降、F1選手権で“接触を引き起こした”と申し立てられたインシデントは合計87件のインシデントがあった。それらのうち、“レースをさせる”ポリシーの結果として、55件は更なる措置を取らないと判断された。14件は10秒ペナルティを科し、9件は次戦での3グリッド降格ペナルティをか科した。他のペナルティが下されたのは非常に少数だった。したがって、マグヌッセン、エリクソン、シロトキンに科せられたペナルティは前例やペナルティガイドラインに完全に一致するものだった。更なる措置を取らないと判断されたものに関しても前例に一致している。
5.レースディレクターは、カーナンバー14のドライバー(アロンソ)が1周目のインシデントの後、第一にセーフティカーが存在し、第二にドライバーがレーシングラインを避け、追随するトラフィックを避け、リスクを最小限に抑えてピットを戻った行動に具体的に言及した。
6.ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングはカーナンバー14のドライバーの行為を認識していた。英国の“ミッションコントロール”にて彼らのチームはテレビのライブ中継を見ており、ピットウォールのチームはカーナンバー14のドライバーがピットに入ってきたのを見ていたはずだ。したがって、“新しい要素”であると主張することはできない。
7.上記のインシデントに関連して、“更なる措置はとらない”とされたすべてのインシデントは結果の発表に伴って公表された。したがって、チームは上述した他のすべてのペナルティを承知しており、処分が科せられなかった件に対して控訴するための十分な機会と時間は有していた(タイムペナルティもしくはグリッドペナルティが科されたものに関しては控訴が認められていない)。
8.カーナンバー14、27、35が関わった1周目のインシデントに関して、スチュワードは本件に対して何の処分も下しておらず、チームには本件について許容された時間制限内に異議を申し立てることができたはずだが、その権利を行使しないことを選択した。
9.異なるペナルティの発令、もしくは、更なる措置を取らないと判断されたインシデントは新たな要素として考慮されない。
10.ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングが再考を要請した際に提示した内容に関するメディア報道について、それらの報道は重大かつ関連するものとは考慮されない。
ウィリアムズは、この結果を受けて声明の発行を拒否しているが、今週末のスペインGPで開かれるメディアセッションにて最高技術責任者を務めるパディ・ロウがチームの見解を説明する予定だとしている。
カテゴリー: F1 / ウィリアムズ・レーシング / FIA(国際自動車連盟)
ウィリアムズのセルゲイ・シロトキンは、F1アゼルバイジャンGPのオープニングラップでのセルジオ・ペレス(フォース・インディア)との接触に3グリッド降格ペナルティと2点のペナルティポイントを科せられた。
セルゲイ・シロトキンは、そのインシデントの後、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)とニコ・ヒュルケンベルグが絡んだ接触事故によりレースをリタイアしている。
ウィリアムズは、同レースでケビン・マグヌッセンがピエール・ガスリーとの接触で10秒加算ペナルティと2点のペナルティポイントを科せられた件、さらにオープニングラップでキミ・ライコネンと接触したエステバン・オコンがペナルティを免れた件を例に挙げ、セルゲイ・シロトキンに科せられたペナルティを見直すよう要請した。
また、セルゲイ・シロトキン、ニコ・ヒュルケンベルグ、フェルナド・アロンソが絡んだ事故にあと、アロンソが右側の前後のタイヤがパンクした状態でピットに帰還した件についても調査するよう求めていた。
8日(火)、FIAは電話会議を実施。会議にはトム・クリステンセンを含めたF1アゼルバイジャンGPのスチュワード、FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティング、ウィリアムズのスポーティングディレクターのデビッド・レディングが参加。また、ウィリアムズの弁護士を担当するマーク・ビドルも同席していた。
最終的にFIAはウィリアムズの異議申し立てを却下。理由の以下のように述べた。
「スチュワードは、重要で関連性のある新たな要素は存在しないと全会一致で判断した。それは要請のあった5つのインシデントすべての見直しに関しても正当化するものである」
1.文書34(シロトキン/ペレスの)に記載されているインシデントに関して、これは1台のクルマが他のクルマの後部に衝突したものであり、クルマがサイド・バイ・サイドだった他の1周目のインシデントとは類似していない。ペナルティは同様の接触に科された他のペナルティと同じであり、以前に科せられた最低限のグリッドペナルティと一致する。
2.文書34の書面による決定が17時28分までチームに届かなかった事実とは関連性がないと見なされた。抗議や控訴が期限切れになるまでに十分な時間があったからだ。これは他のインシデントにペナルティが科せられなかった、あるいは十分な処分が下されていないと主張するチームの討議に関連して言及するものだ。
3.文書43(マグヌッセン/ガスリー)に記載されるインシデントに関して、チームは書面による審査請求でマグヌッセンに対するペナルティは「重要度が低い」と主張した。チームは、FIAとチームの代表およびドライバーによって開かれた2013年の会合以降、ペナルティの結果が考慮されていないことを説いている。
4.上記に加えて、その他のペナルティに関して、2016年の開始時以降、F1選手権で“接触を引き起こした”と申し立てられたインシデントは合計87件のインシデントがあった。それらのうち、“レースをさせる”ポリシーの結果として、55件は更なる措置を取らないと判断された。14件は10秒ペナルティを科し、9件は次戦での3グリッド降格ペナルティをか科した。他のペナルティが下されたのは非常に少数だった。したがって、マグヌッセン、エリクソン、シロトキンに科せられたペナルティは前例やペナルティガイドラインに完全に一致するものだった。更なる措置を取らないと判断されたものに関しても前例に一致している。
5.レースディレクターは、カーナンバー14のドライバー(アロンソ)が1周目のインシデントの後、第一にセーフティカーが存在し、第二にドライバーがレーシングラインを避け、追随するトラフィックを避け、リスクを最小限に抑えてピットを戻った行動に具体的に言及した。
6.ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングはカーナンバー14のドライバーの行為を認識していた。英国の“ミッションコントロール”にて彼らのチームはテレビのライブ中継を見ており、ピットウォールのチームはカーナンバー14のドライバーがピットに入ってきたのを見ていたはずだ。したがって、“新しい要素”であると主張することはできない。
7.上記のインシデントに関連して、“更なる措置はとらない”とされたすべてのインシデントは結果の発表に伴って公表された。したがって、チームは上述した他のすべてのペナルティを承知しており、処分が科せられなかった件に対して控訴するための十分な機会と時間は有していた(タイムペナルティもしくはグリッドペナルティが科されたものに関しては控訴が認められていない)。
8.カーナンバー14、27、35が関わった1周目のインシデントに関して、スチュワードは本件に対して何の処分も下しておらず、チームには本件について許容された時間制限内に異議を申し立てることができたはずだが、その権利を行使しないことを選択した。
9.異なるペナルティの発令、もしくは、更なる措置を取らないと判断されたインシデントは新たな要素として考慮されない。
10.ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングが再考を要請した際に提示した内容に関するメディア報道について、それらの報道は重大かつ関連するものとは考慮されない。
ウィリアムズは、この結果を受けて声明の発行を拒否しているが、今週末のスペインGPで開かれるメディアセッションにて最高技術責任者を務めるパディ・ロウがチームの見解を説明する予定だとしている。
カテゴリー: F1 / ウィリアムズ・レーシング / FIA(国際自動車連盟)