ウィリアムズ、チームオーダー論争の事後処理に追われる
レース中、ウィリアムズはフェリペ・マッサに対してチームメイトのバルテリ・ボッタスを先に行かせるよう指示したが、フェリペ・マッサはチームオーダーを無視してバルテリ・ボッタスの前で7位でフィニッシュした。
前を走っていたマクラーレンのジェンソン・バトンは、直線スピードに苦しんでいたが、ウィリアムズ勢をなんとか退けて6位でフィニッシュしている。
ウィリアムズのチーフ・オペレーションズ・エンジニアを務めるロッド・ネルソンは、チームはバルテリ・ボッタスの方がジェンソン・バトンよりもフレッシュなタイヤを持っており、エンジン温度に懸念を抱えていたフェリペ・マッサよりもバトンにチャレンジできると感じていたと述べた。
フェリペ・マッサは、チーム無線で「バルテリの方が速い。彼を抑えるな（Valtteri is faster than you, do not hold him up）」というメッセージを聞いて驚いたと述べた。
「僕がしたことは正しかったし、僕はチームのためにベストを尽くしている。彼を先に行かせても結果は変わらなかったと思う。僕の意見では自分のしたことは正しかったし、僕はチームを助けるためにあらゆる手を尽くしている」とフェリペ・マッサはコメント。
「チームは僕を100％リスペクトしてくれているし、枯れれはレース後にもリスペクトを示していたので、まったく問題はない。今日起こったことは僕が期待していたことではないけど、僕がしたことは正しかった」
「問題は、レース全体で僕の方がマクラーレンよりずっと速かったけど、彼らは最終コーナーの立ち上がりでトラクションが良くかったことだ・・・バルテリも同じ問題を抱えていた。マクラーレンは抜くのは簡単ではなかった」
ロッド・ネルソンは、バルテリ・ボッタスにジェンソン・バトンを攻撃させるプランだったが、彼がオーバーテイクできない場合、フェリペ・マッサはボッタスから7位を取り戻しても良かったと述べた。
ロッド・ネルソンは、慎重に言葉を選び、今回の件は“チームオーダー”ではなく“戦略的な決定”だと述べ、この件について両ドライバーと話し合うと述べた。
「彼は我々が彼にして欲しかったことをしなかった」とロッド・ネルソンはフェリペ・マッサについて述べた。
「レースをするときはいつでも、我々はコンストラクラーズポイントを最大にすることを目指している。フェリペのエンジンは温度が高くなっていたし、我々はそれを少し懸念していた。バルテリの方がジェンソンよりも確実にフレッシュなタイヤを持っていた」
「我々はバルテリをジェンソン戦わせた方がいいと考えた。そのあと、彼が2〜3周でそれを成し遂げなかったならば、我々は再びドライバーを入れ替えただろう」
ロッド・ネルソンは、ウィリアムズにはチームオーダーはないと主張する。
「No.1ドライバーとNo.2ドライバーがいる他チームとは違い、我々には二人のNo.1ドライバーがいる。そして、それはレース状況による」
「我々はドライバーと見直し、我々が何を期待しているかを議論するつもりだ」
バルテリ・ボッタスは、最後の2周でマッサをオーバーテイクしないことで指示に従ったと述べた。
バルテリ・ボッタスは「僕たちは以前にもこのような状況について話をしていたけど、もっと詳細に立ち入る必要があると思う」と述べ、自分はジェンソン・バトンをオーバーテイクできたと思っていると付け加えた。
「僕たちは、全てをクリアにできるように、今回の件、そして次回に多様な状況になったときに何をする必要があるかを徹底的に話し合うつもりだ。何がルールなのか・・・うまく行けばもっと多くのポイントを獲得できる」
フェリペ・マッサは2010年のF1ドイツGPで有名な「フェルナンドの方が君より速い（Fernando is faster than you）」という指示を受けている。そのとき、チームメイトのフェルナンド・アロンソに優勝を譲ったフェリペ・マッサは、フェラーリでのキャリアで最も厳しい瞬間だったと述べている。
チームリーダーとして心機一転ウィリアムズに移籍したフェリペ・マッサにとって、今回のメッセージの言い回しは辛いものだっただろう・・・。
関連：フェラーリ、露骨なチームオーダーを発令 - 2010年7月26日
カテゴリー： F1 / ウィリアムズ・レーシング
