マックス・フェルスタッペン 「残りの人生をレッドブルと過ごしていきたい」 F1ワールドチャンピオン獲得インタビュー
2021年F1最終戦アブダビGPがヤス・マリーナ・サーキットで開催され、最終盤のセーフティカー導入による信じられないドラマによってマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)がファイナルラップでルイス・ハミルトンをかわし、キャリア初タイトルを獲得した。

決勝はフェルスタッペンがポールポジション、ハミルトンが2番グリッドからのスタートだったが、ハミルトンがオープニングラップでフェルスタッペンをかわして前に出て、レース序盤でフェルスタッペンを劣勢に追い込んだ。

そのフェルスタッペンを、“チェコ” ことセルジオ・ペレスが援護する。1回目のピットストップが一巡したあと戦略的判断で首位に立ったペレスはハミルトンを封じ込め、後方を走るフェルスタッペンとハミルトンの差を7秒詰めてフェルスタッペンが再び首位争いを演じられるようにした。

その後、レッドブル・レーシング・ホンダはメルセデスの前へ出るために異なるピットストップ戦略を試みたが、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がコーナーの危険な位置にマシンを停めたことで、バーチャルセーフティカーが導入されたにもかかわらず、レース終盤の逆転はほぼ不可能と思われる状況が続いた。

しかし、残り5周でニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)がクラッシュしてセーフティカーが導入されると、比較的新しいソフトタイヤを履いたフェルスタッペンにハミルトンにファイナルラップでの1周勝負を挑めるチャンスが生まれた。

そして、ラストチャンスに賭けたフェルスタッペンは、ターン5でハミルトンをオーバーテイク。ハミルトンの猛追をフィニッシュラインまでしのぎ、劇的な形で初のF1タイトルを決めると同時に史上初のオランダ人F1ワールドチャンピオンになった。

22戦続いた前シーズン王者ハミルトンとの熾烈なタイトル争いを経て、フェルスタッペンはF1参戦7シーズン目で初のワールドチャンピオンを獲得した。この大接戦はフェルスタッペンの2021年シーズンを歴史的なものにした。

同シーズンに10勝・ポールポジション10回・表彰台18回を記録したフェルスタッペンは、2010年〜2013年シーズンにかけて4連覇を成し遂げたセバスチャン・ベッテルに次ぐレッドブル2人目のワールドチャンピオンになった。

また、レッドブルは1.6リッター V6ターボ・ハイブリッド時代が幕を開けた2014シーズンから7シーズン続いてきたメルセデスの連覇記録に終止符を打ち、フェルスタッペンは1950年に始まったF1世界選手権における34人目のワールドチャンピオンになtta


そして、今回がエンジンマニュファクチャラーとして最後のレースとなったホンダにとっては、1991年シーズンのアイルトン・セナ以来のドライバーズタイトル獲得となった。

「信じられない。最後まで戦い続けたあと、ファイナルラップでチャンスが訪れた。本当に素晴らしい。まだ脚が震えている。凄まじかった。スタンドのファン、チーム、そしてもちろん、母国の人たちはこの勝利を得るに相応しい。全員を愛している。2016年から楽しく仕事をしてきたけれど、今シーズンは特に素晴らしかった。ようやく運が回ってきた」とマックス・フェルスタッペン

「あとはチェコ(セルジオ・ペレス)に大いに感謝したい。彼のパフォーマンスがあったからタイトルを獲れた。彼はチームのために全力を尽くしてドライブしていた。今日は素晴らしいチームワークだった。チェコは素晴らしいチームメイトだ。チームは僕が彼らを愛していることを分かっているだろう。10年、15年先も、この結果を一緒に出せていければと思っている。残りの人生を彼らと一緒に過ごしていきたいし、そうさせてもらえることを願っている。クリスチャン(・ホーナー)とヘルムート(・マルコ)は僕を信頼してチームに入れてくれた。僕たちの目標はこのチャンピオンシップを獲得することだった。そして今、僕たちはその目標を達成した」

「もちろん、ファイナルラップを迎えるまで勝利を信じるのは難しかった。でも、信じ続ける必要がある。今日も最後までプッシュし続けて、僅差に留まり続けようとした。これが僕の助けになった。メルセデスは好きなタイミングでピットインできなかった。でも、僕たちはそうすることができた。なぜなら後方からのプレッシャーがなかったからだ。そして最後に、ファイナルラップでフレッシュなタイヤでアタックするチャンスを手にすることができた」

「当然ながら、F1ドライバーになることが僕の小さな頃からの夢だった。そして勝利を挙げて表彰台に上りたいと思っていた。表彰セレモニーでは国歌が演奏されるけれど、いつの日か、自分の国歌が演奏されればと願っていた。その表彰台に立ち、ワールドチャンピオンだと伝えられた瞬間は本当に素晴らしかった。父親(ヨス・フェルスタッペン)と一緒だったのでひときわ素晴らしかったし、特別な瞬間だった」

「長年に渡り、僕たちはこの目標のために世界中を旅してきた。そして今日のファイナルラップですべてがひとつにまとまった。チーム、家族、友人、そしてゴーカート時代の仲間全員が、僕を今の場所までプッシュしてくれた。彼らの大半が今日ここに来てくれている」

「アブダビだけではなく世界中でオレンジアーミーを見ることができて嬉しい。彼らはキャリアを通じて僕をサポートしてくれていて、彼らのサポートは本当に素晴らしい。目標が達成できないように思えた時も、プッシュし続けて自分を信じることができた。ミラクルが起きるときがある」

「ファイナルラップの直前に脚がけいれんし始めた。だから、ファイナルラップではすべてのストレートセクションでのフルスロットルでふくらはぎが激しくけいれんしていた。あれは厳しかったけれど、全開で飛ばすしかなかった。引くわけにはいかなかった」

「チェコと組むことが決まったとき、僕たち2人の関係がどうなるかは分からなかった。でも、彼は本当に素晴らしい人間だ。彼のようなチームメイトを得られるのは非常にレアだ。今日彼が見せてくれたのは、彼が真のチームプレイヤーであるということ。長期に渡りこの関係を続けていければと思っている」

「ルイス(・ハミルトン)はアメイジングなドライバーで、アメイジングなライバルだ。本当に苦しめられたし、全員が僕たちの戦いを楽しんでくれたと思う。もちろん、シーズンの中で両チームがやり合うことも何回かあったけれど、それもこのスポーツの一部だし、感情なので仕方がない。全員が勝ちたいと思っている。今日もどちらに転んでもおかしくなかった。来シーズンはまた新たな気持ちで挑戦するつもりだ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / ホンダF1