ラリージャパン:トヨタが目指すはシーズン8勝目と王座獲得
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、11月21日(木)から24日(日)にかけて、愛知県および岐阜県で開催される、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の、3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。2024年を締めくくる一戦で、シーズン8勝目と王座獲得を目指す。
ここまで12戦を戦い7勝をあげてきたTGR-WRTは、チームにとってのホームイベントであるラリージャパンに、大きな期待を持って臨む。毎戦のように激しい優勝争いが繰り広げられてきた2024年シーズンもいよいよファイナルラウンド。TGR-WRTは第11戦チリで1-2フィニッシュを達成してフルポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権の首位チームとのポイント差を大きく縮めることに成功した。現在15ポイント差で選手権2番手につけているTGR-WRTは、4年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得すべく、日本でも最大ポイントの獲得を目指す。
2023年のラリージャパンではエバンスが優勝し、オジエが総合2位に、カッレ・ロバンペラが総合3位に入り、TGR-WRTはホームイベントで表彰台を独占した。今大会においては、欠場のロバンペラに代わり勝田がマニュファクチャラーズポイント獲得資格を持つドライバーとして出場する。昨年、勝田は序盤にクルマにダメージを負ったが、その後9本のステージでベストタイムを記録(救済タイム1本分を含まず)するなど、地元愛知県で素晴らしい速さを発揮した。また、勝田は前戦のセントラル・ヨーロピアン・ラリーでも総合4位に入り、日曜日のみの合計タイムで争われる「スーパーサンデー」を制覇。さらにはパワーステージでもベストタイムを記録するなど、ラリージャパンと同様ターマック(舗装路)路面を舞台に行なわれた前哨戦で高いパフォーマンスを示した。
2024年のラリージャパンは、過去2大会と同じく、今年も愛知県豊田市の「豊田スタジアム」にサービスパークが置かれ、スタジアム内には昨年とレイアウトが異なるスーパーSSのステージが設けられる。ラリーはまず21日(木)の午前9時過ぎから豊田市の「鞍ケ池公園」でシェイクダウンが行われ、その後豊田スタジアムでのセレモニアルスタートに続き、午後7時過ぎからデイ1として競技がスタート。全長2.15kmの「トヨタスタジアムSSS1」が行われる。
山岳地帯の舗装路を舞台とする本格的なステージは22日(金)のデイ2から始まり、愛知県の豊田市および設楽町で「イセガミズ・トンネル」、「イナブ/シタラ」という昨年と同じルートを使用する2本のステージを走行。その後、新城市に新たに設けられた「シンシロ」を走る。このうち、全長23.67kmのイセガミズ・トンネルは、前年に続き今大会最長のステージとなる。デイ2はミッドデイサービスの設定がなく、「稲武どんぐり工房」に設定されるTFZ(タイヤフィッティングゾーン)での簡易的なサービスを経て、午後は、午前中の3ステージを再走。一日の最後には、岡崎市の中央総合公園でスーパーSS「オカザキSSS」が2本連続で行われる。そして、一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが実施される。なお、デイ2のステージの合計走行距離は126.00kmと長く、4日間で最長の一日となる。
競技3日目、23(土)のデイ3は岐阜県が主舞台となり、今年新たに恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」で一日がスタート。その後「ネノウエ・コウゲン」、「エナ」という前年大会と大部分が重なる2本のステージを走行する。デイ3もまたミッドデイサービスの設定はなく、中津川公園でのTFZを経て3本のステージを再走。その後豊田市へと向かい、豊田スタジアムでの2回目のスーパーSSで一日が終了する。
競技最終日、24(日)のデイ4は豊田市と岡崎市で「ヌカタ」、「レイク・ミカワコ」の2本のステージを各2回走行。その途中には豊田スタジアムでのミッドデイサービスに続く形で、3回目のスーパーSSが行われる。最終ステージとなるレイク・ミカワコの再走ステージ、SS21はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは昨年よりも1本少ない全21本で、その合計距離は302.59km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1024.34kmとなる。
なお、サポートカテゴリーであるWRC2には、タイトル獲得を目指すサミ・パヤリ(プリントスポーツ)がGR Yaris rally2で出場。今季、GR YARIS Rally1 HYBRIDでトップカテゴリーにも3回挑戦し素晴らしい成績を残したパヤリは、WRC2で2位以内に入れば選手権王者となる。また、パヤリ以外にも、今年ラリー・ポルトガルでWRC2優勝を飾ったヤン・ソランス(テオ・マルティン・モータースポーツ)、TGR WRCチャレンジプログラムの2期生である小暮ひかると山本雄紀、今年英国ラリー選手権(BRC)の王座をMEMチームと共に獲得したクリス・イングラムも、GR Yaris rally2で出場。さらに、全日本ラリー選手権の歴代王者である勝田範彦(ラック ウイズ ルーキーレーシング ラリーチーム)、ヘイキ・コバライネン(ラリーチーム・アイセロ)、奴田原文雄(ヌタハラ・ラリー・チーム)も加わり、全部で8台のGR Yaris rally2がWRC2に出場する。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
我々にとってのホームイベントのひとつであるラリージャパンは、チームにとって非常に重要な一戦であり、誰もが注目するエキサイティングなラリーになると思います。WRC2を含め、全ての主要な選手権はまだ決着がついていません。マニュファクチャラー選手権でタイトルを獲得するチャンスはまだ残っているので我々のモチベーションは高く、日本でタイトルを勝ち取るために全力を尽くすつもりです。我々にとっては完璧に近い週末となることが必要ですが、ラリー・チリではそれを実現していますし、昨年の日本では1-2-3フィニッシュを達成できたので、十分可能であると考えています。ドライバーにとっては難しいラリーだと思いますし、この時期は天候も予測不可能ですが、それもまた我々にとってはチャンスとなります。エルフィンは昨年優勝しており、そのようなコンディションを好むでしょう。一方、セブはシーズンを最高の形で終えたいと思っているはずですし、貴元はセントラル・ヨーロピアン・ラリーでの好成績もあり、自信を持ってホームイベントに臨むことができるはずです。最後に、今年のGR Yaris Rally2と、それをドライブしてきたサミのパフォーマンスは非常に素晴らしいものでした。もし彼が日本でWRC2のタイトルを獲得したら、ファンタスティックなストーリーになるでしょう。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
トヨタの一員として日本で走る時はいつも、とても温かく歓迎してもらっています。もちろん、それには私たちが良い結果を出すことに対する大きな期待が込められていますが、それに応えることはできるはずです。我々にはまだ、マニュファクチャラー選手権で戦うべきものがあります。たとえ困難な課題が待ち構えていても全力を尽くして戦い、最高のチャンスを手にしたいと思います。昨年の結果を再現することが、間違いなく今回の目標となります。昨年は雨が多く、大量の落ち葉が路面を覆うという非常に難しいイベントでしたが、今年もそうなる可能性はあります。また、路面が乾いていたとしても、コーナーの多さで知られるコルシカ島よりもテクニカルで曲がりくねった道なので、ペースノートとステアリング操作の両方で非常に大変かつ、忙しいイベントとなります。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリージャパンに行くのはいつだってエキサイティングですし、特に今年はマニュファクチャラーズタイトル獲得に向けてまだ戦いが続いているので、なおさらです。我々は理想的なポジションにいるわけではないので、チームとしてはほぼ完璧な週末にすることが必要ですが、決して手の届かない目標ではありません。最近のパフォーマンスは良好ですし、自分としては運を好転させて、速さを良い結果に変えたいと思っています。日本の森の中のステージはとても難しく、コンディションは常にどうなるか分かりません。特に今年は、前年よりも一週間遅い開催なのでなおさらです。もちろん、トヨタのドライバーとして日本では常に大きなサポートを感じていますし、それはとても嬉しいことなので、ファンの皆さんが期待しているような結果を残せるように頑張ります。
勝田貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
ラリージャパンを本当に楽しみにしています。もちろん、ホームラリーでは通常とは異なるプレッシャーを常に感じますが、それは良い意味でのプレッシャーです。家族や友人、ファンの皆さんの前で走れると思うと、とてもワクワクします。昨年はクルマのフィーリングが非常に良く、ひとつのミスを除けばいい週末だったので、今年は良い結果を出せるよう頑張ります。最も重要なのは状況とコンディションを見極め、セントラル・ヨーロピアン・ラリーの時のように、自信を持てる時に自分のパフォーマンスを最大限発揮することです。きっとチャレンジングなラリーになるでしょうが、路面がウェットでもドライでも自分としては全く問題ありません。とにかくベストを尽くし、良いパフォーマンスを発揮したいと思います。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
ここまで12戦を戦い7勝をあげてきたTGR-WRTは、チームにとってのホームイベントであるラリージャパンに、大きな期待を持って臨む。毎戦のように激しい優勝争いが繰り広げられてきた2024年シーズンもいよいよファイナルラウンド。TGR-WRTは第11戦チリで1-2フィニッシュを達成してフルポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権の首位チームとのポイント差を大きく縮めることに成功した。現在15ポイント差で選手権2番手につけているTGR-WRTは、4年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得すべく、日本でも最大ポイントの獲得を目指す。
2023年のラリージャパンではエバンスが優勝し、オジエが総合2位に、カッレ・ロバンペラが総合3位に入り、TGR-WRTはホームイベントで表彰台を独占した。今大会においては、欠場のロバンペラに代わり勝田がマニュファクチャラーズポイント獲得資格を持つドライバーとして出場する。昨年、勝田は序盤にクルマにダメージを負ったが、その後9本のステージでベストタイムを記録(救済タイム1本分を含まず)するなど、地元愛知県で素晴らしい速さを発揮した。また、勝田は前戦のセントラル・ヨーロピアン・ラリーでも総合4位に入り、日曜日のみの合計タイムで争われる「スーパーサンデー」を制覇。さらにはパワーステージでもベストタイムを記録するなど、ラリージャパンと同様ターマック(舗装路)路面を舞台に行なわれた前哨戦で高いパフォーマンスを示した。
2024年のラリージャパンは、過去2大会と同じく、今年も愛知県豊田市の「豊田スタジアム」にサービスパークが置かれ、スタジアム内には昨年とレイアウトが異なるスーパーSSのステージが設けられる。ラリーはまず21日(木)の午前9時過ぎから豊田市の「鞍ケ池公園」でシェイクダウンが行われ、その後豊田スタジアムでのセレモニアルスタートに続き、午後7時過ぎからデイ1として競技がスタート。全長2.15kmの「トヨタスタジアムSSS1」が行われる。
山岳地帯の舗装路を舞台とする本格的なステージは22日(金)のデイ2から始まり、愛知県の豊田市および設楽町で「イセガミズ・トンネル」、「イナブ/シタラ」という昨年と同じルートを使用する2本のステージを走行。その後、新城市に新たに設けられた「シンシロ」を走る。このうち、全長23.67kmのイセガミズ・トンネルは、前年に続き今大会最長のステージとなる。デイ2はミッドデイサービスの設定がなく、「稲武どんぐり工房」に設定されるTFZ(タイヤフィッティングゾーン)での簡易的なサービスを経て、午後は、午前中の3ステージを再走。一日の最後には、岡崎市の中央総合公園でスーパーSS「オカザキSSS」が2本連続で行われる。そして、一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが実施される。なお、デイ2のステージの合計走行距離は126.00kmと長く、4日間で最長の一日となる。
競技3日目、23(土)のデイ3は岐阜県が主舞台となり、今年新たに恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」で一日がスタート。その後「ネノウエ・コウゲン」、「エナ」という前年大会と大部分が重なる2本のステージを走行する。デイ3もまたミッドデイサービスの設定はなく、中津川公園でのTFZを経て3本のステージを再走。その後豊田市へと向かい、豊田スタジアムでの2回目のスーパーSSで一日が終了する。
競技最終日、24(日)のデイ4は豊田市と岡崎市で「ヌカタ」、「レイク・ミカワコ」の2本のステージを各2回走行。その途中には豊田スタジアムでのミッドデイサービスに続く形で、3回目のスーパーSSが行われる。最終ステージとなるレイク・ミカワコの再走ステージ、SS21はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは昨年よりも1本少ない全21本で、その合計距離は302.59km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1024.34kmとなる。
なお、サポートカテゴリーであるWRC2には、タイトル獲得を目指すサミ・パヤリ(プリントスポーツ)がGR Yaris rally2で出場。今季、GR YARIS Rally1 HYBRIDでトップカテゴリーにも3回挑戦し素晴らしい成績を残したパヤリは、WRC2で2位以内に入れば選手権王者となる。また、パヤリ以外にも、今年ラリー・ポルトガルでWRC2優勝を飾ったヤン・ソランス(テオ・マルティン・モータースポーツ)、TGR WRCチャレンジプログラムの2期生である小暮ひかると山本雄紀、今年英国ラリー選手権(BRC)の王座をMEMチームと共に獲得したクリス・イングラムも、GR Yaris rally2で出場。さらに、全日本ラリー選手権の歴代王者である勝田範彦(ラック ウイズ ルーキーレーシング ラリーチーム)、ヘイキ・コバライネン(ラリーチーム・アイセロ)、奴田原文雄(ヌタハラ・ラリー・チーム)も加わり、全部で8台のGR Yaris rally2がWRC2に出場する。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
我々にとってのホームイベントのひとつであるラリージャパンは、チームにとって非常に重要な一戦であり、誰もが注目するエキサイティングなラリーになると思います。WRC2を含め、全ての主要な選手権はまだ決着がついていません。マニュファクチャラー選手権でタイトルを獲得するチャンスはまだ残っているので我々のモチベーションは高く、日本でタイトルを勝ち取るために全力を尽くすつもりです。我々にとっては完璧に近い週末となることが必要ですが、ラリー・チリではそれを実現していますし、昨年の日本では1-2-3フィニッシュを達成できたので、十分可能であると考えています。ドライバーにとっては難しいラリーだと思いますし、この時期は天候も予測不可能ですが、それもまた我々にとってはチャンスとなります。エルフィンは昨年優勝しており、そのようなコンディションを好むでしょう。一方、セブはシーズンを最高の形で終えたいと思っているはずですし、貴元はセントラル・ヨーロピアン・ラリーでの好成績もあり、自信を持ってホームイベントに臨むことができるはずです。最後に、今年のGR Yaris Rally2と、それをドライブしてきたサミのパフォーマンスは非常に素晴らしいものでした。もし彼が日本でWRC2のタイトルを獲得したら、ファンタスティックなストーリーになるでしょう。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
トヨタの一員として日本で走る時はいつも、とても温かく歓迎してもらっています。もちろん、それには私たちが良い結果を出すことに対する大きな期待が込められていますが、それに応えることはできるはずです。我々にはまだ、マニュファクチャラー選手権で戦うべきものがあります。たとえ困難な課題が待ち構えていても全力を尽くして戦い、最高のチャンスを手にしたいと思います。昨年の結果を再現することが、間違いなく今回の目標となります。昨年は雨が多く、大量の落ち葉が路面を覆うという非常に難しいイベントでしたが、今年もそうなる可能性はあります。また、路面が乾いていたとしても、コーナーの多さで知られるコルシカ島よりもテクニカルで曲がりくねった道なので、ペースノートとステアリング操作の両方で非常に大変かつ、忙しいイベントとなります。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリージャパンに行くのはいつだってエキサイティングですし、特に今年はマニュファクチャラーズタイトル獲得に向けてまだ戦いが続いているので、なおさらです。我々は理想的なポジションにいるわけではないので、チームとしてはほぼ完璧な週末にすることが必要ですが、決して手の届かない目標ではありません。最近のパフォーマンスは良好ですし、自分としては運を好転させて、速さを良い結果に変えたいと思っています。日本の森の中のステージはとても難しく、コンディションは常にどうなるか分かりません。特に今年は、前年よりも一週間遅い開催なのでなおさらです。もちろん、トヨタのドライバーとして日本では常に大きなサポートを感じていますし、それはとても嬉しいことなので、ファンの皆さんが期待しているような結果を残せるように頑張ります。
勝田貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
ラリージャパンを本当に楽しみにしています。もちろん、ホームラリーでは通常とは異なるプレッシャーを常に感じますが、それは良い意味でのプレッシャーです。家族や友人、ファンの皆さんの前で走れると思うと、とてもワクワクします。昨年はクルマのフィーリングが非常に良く、ひとつのミスを除けばいい週末だったので、今年は良い結果を出せるよう頑張ります。最も重要なのは状況とコンディションを見極め、セントラル・ヨーロピアン・ラリーの時のように、自信を持てる時に自分のパフォーマンスを最大限発揮することです。きっとチャレンジングなラリーになるでしょうが、路面がウェットでもドライでも自分としては全く問題ありません。とにかくベストを尽くし、良いパフォーマンスを発揮したいと思います。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)