トヨタ
富士スピードウェイで開催されているFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースは、10月11日(土)に予選を行い、トヨタ・レーシングが今季第3戦より3戦連続、“ホーム”富士では2年ぶりとなるポールポジションを獲得した。

アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの駆るTS040 HYBRID #8が予選最後のアタックで2番手に0.043秒差の差をつけてポールポジションを獲得。リードしているドライバーズ選手権で、ボーナスポイントを得て2位との差を12ポイントへと広げた。

また、2位につけるマニュファクチャラーズポイントでも、首位アウディとの差を17ポイントへと縮め、明日のシリーズ第5戦決勝に臨むこととなった。

過去2年の富士6時間耐久レースを制しているTS040 HYBRID #7は、アレックス・ブルツと中嶋一貴が予選アタックを担当。4番手グリッドを獲得し、ステファン・サラザンを加えた3人で、明日の決勝で3連覇を目指す。

WECの予選は、2名のドライバーが最低2回のアタックラップをこなし、それぞれ2人のベスト2周のタイム、計4周の平均タイムで決勝レースのグリッドを決定する。

#7のブルツと#8のデビッドソンは、コース上の混雑を避けるため、予選でのコースインを遅らせた。この決断が功を奏し、2台はトップ争いを展開。#8のデビッドソンはこのセッションでの最速ラップを刻んだ。

その後、#8はデビッドソンからブエミへ、#7はブルツから中嶋へとドライバーチェンジ。しかし、7分半ほどを残して赤旗によりセッションは中断。アタック途中だった中嶋とブエミはこれ以上のタイムアップを果たせなかった。

セッション再開後、コース状況の改善を待つライバルの4台がピットで待機する中、トヨタ・レーシングの2台のTS040 HYBRIDはコースへ復帰しアタックを再開した。この挑戦は報われ、ブエミは最後のラップでタイムを更新。トヨタ・レーシングにとっては2014年シーズン5戦目にして4度目、3戦連続のポールポジションを獲得した。

チームは午前中の1時間の練習走行で、予選及びレースへ向けたセットアップの最終調整を行った。この練習走行で#8のデビッドソンが最速ラップを記録、#7はサラザンが4番手タイムをマークしていた。

明日12日(日)の決勝レースは、午前11時に6時間の長い戦いへのスタートが切られる。

TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
公式練習3回目: 4番手(1分27秒980) 27周
予選:  4番手(平均1分27秒437)

アレックス・ブルツ:
TS040 HYBRID #8がポールポジションを獲得出来て嬉しい。我々のTS040 HYBRID #7は今週末セッティングで苦労していて、#8とのギャップを縮めることが出来なかった。我々にとっては少しがっかりだが、問題ない。レースは6時間あるし、これからだ。レースでは良い結果を残せると思う。

中嶋一貴:
まずはチームにおめでとうと言いたい。特にこのようなドラマチックな展開でのポールポジション獲得は素晴らしい。#7は少し苦労しているが、レースでは強いことを確信しているし、ライバル勢と比べても悪くない。6時間レースなので、勝利を目指しチャレンジする。

TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
公式練習3回目: 1番手(1分27秒033) 28周
予選:  1番手(平均1分26秒886)

アンソニー・デビッドソン:
トヨタにとってのホームレースでポールポジションを獲得出来るとは、夢のような予選だった。予選では何が起こるかわからないが、我々には速さがあったので心配はしていなかった。私の2度目のアタックはもっと速いはずだったが、ターン15のコース上に土が出ていて、少しタイムが伸びなかった。それでも何とかなると思っていた。とにかく努力の結果が報われたと言うことだ。チームのメンバー、トヨタの人々の応援がなければ獲れなかったポールポジションだ。

セバスチャン・ブエミ:
最後の最後に、こんな僅差でポールポジションを獲得出来、最高の予選だった。前戦オースティンのようにある程度の差をつけてポールポジションを獲得するのも素晴らしいことだが、ハードなバトルの末に勝ち取ったポールポジションは格別だ。アンソニーのアタック1周目を見た限りでは、楽な展開になるかと思ったが、実際にはそうはならなかった。タイヤを温めるのに若干苦戦し、グリップが低いままに1周目のアタックをせざるを得ず、その後赤旗が出てしまった。ピットレーンで待機している間にもタイヤは更に冷えてしまった。しかし、最後のラップまでに温度を上げることが出来、タイムを更新出来た。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)