新型TF108をドライブするヤルノ・トゥルーリ
パナソニック・トヨタ・レーシングは、2008年シーズンへ向け、新型“TF108”の公式テスト初走行を果たした。“TF108”は前日13日(日)に同サーキットでシェイクダウン走行を行い、理想的なコンディションの下、ヤルノ・トゥルーリがトラブル無く67周を走破した。しかし、“TF108”初の公式なテスト参加となった14日(月)は降雨のウェットコンディションで始まることとなった。

ヤルノ・トゥルーリの任務は、新たなチームメイトとなったティモ・グロックが、変更を加えられた従来型“TF107”で、新しいギアボックスとスタンダードECUに関していくつかのパターンを比較しながら開発を行う間に、新型“TF108”のシステムをテストするために可能な限り多くの周回をこなし、セットアップの変更について理解を深めることであった。

昼食直後に、ティモ・グロックは第8コーナーでスピンを喫し、コースアウト。タイヤバリアに接触しフロントウィングを損傷したが、チームクルーの迅速な作業により、僅かな時間でコースへと復帰し、問題なくプログラムを完了した。ヤルノ・トゥルーリも“TF108”に付いて理解を深め、高い信頼性にも助けられ87周を走破した。明日のテスト2日目はティモ・グロックが“TF108”のテストを引き継ぎ、小林可夢偉も加わる予定である。

ヤルノ・トゥルーリ : TF108/02
 ベストラップ:1分21秒344 順位:8位
 周回数:87周 走行距離:385.236km
「今日は全てがスムーズに進んだ。路面がウェットでもドライでも競争力は高かった。パフォーマンスを向上させるために努力を続け、新型“TF108”に関する経験を重ねた。昨日のシェイクダウン走行は上手く行き、トラブル無く多くの周回をこなすことが出来た。“TF108”は好調で、大きな問題はない。今日も新車で多くの周回をこなせて良かった。有意義な一日だった」

ティモ・グロック : TF107/06
 ベストラップ:1分24秒351 順位:13位
 周回数:58周 走行距離:256.824km
「良い一日だった。多くの周回をこなし、昨年型の“TF107”ではあったが、新しいギアボックスについて更なる情報を得ると共に、特に今朝のウェットコンディションにおいて、トラクションコントロール無しでどのような挙動を示すかを学ぶことが出来た。信頼性に関する問題は無くプログラムを遂行出来たが、午後早い時間に濡れた縁石に乗ってコントロールを失い、スピンを喫してしまったのは残念だった。明日、新型“TF108”に乗るチャンスが得られることに興奮している。“TF108”は全く新しい空力コンセプトが採用されており、これまでのところ、ヤルノ・トゥルーリのドライブによって全てが順調に進んでいる。そして、私は“TF108”をドライブ出来ることを本当に楽しみにしており、それは興味深い経験になるはずだ」

パスカル・バセロン : シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「これまでの“TF108”に関する進歩については満足出来るものだ。昨日、シェイクダウン走行を行ったが、重大な問題もなく、順調にシステムチェックをこなすことが出来た。今日はセットアップを開始し、有意義なスタートが切れたと信じている。しかし、現時点では、ラップタイムを比較するにはまだ早い。今日の主な目的は新型“TF108”に関するデータと情報を収集することであり、また、セットアップ
変更に伴う反応と挙動がどう変わるかを見ることであった。そのどちらもウェット、ドライの両コンディションで達成出来た。ティモ・グロックは“TF107”で、新しいギアボックスとスタンダードECUについての作業をこなした。いくつかのセットアップ作業を行ったが、午前中の路面コンディションでは難しかった。午後は難しい路面コンディションであったが、トラクションコントロールが禁止された新しい規則の下で、貴重な学習の機会となった。今日の進歩には満足しており、明日も順調に作業が続けられることを期待している」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / トヨタ