F1 トロロッソ・ホンダ イタリアGP
トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第14戦 イタリアGPへの意気込みと舞台となるモンツァ・サーキットについて語った。

今週末、モンツァ・サーキットで開催されるF1イタリアは、トロロッソ・ホンダにとってホームグランプリであり、トロロッソがチーム初優勝を飾ったグランプリでもある。

華やかで歴史があるこの特別なレースウイークは、パワーユニットの限界に挑む高速での戦いになるだろう。1コーナー手前の短い下り坂はライン取りが重要で、ターン1はオーバーテイクの絶好のチャンスとなる。

ピエール・ガスリー
「週のはじめにイタリアに到着し、トロロッソのファクトリーを訪ねました。僕らにとっては難しいレースウイークになるかもしれませんが、今はモンツァ入りが待ちきれない気持ちです。スパも難しいレースになることが予想されていましたが、すべてのチャンスを最大限に活かし、ポイント獲得を果たすことができました。モンツァでは過去2レースでどちらもポールポジションを獲得しており、いい思い出があります。ただ、F1マシンに乗って走るのは今年が初めてなので、まったく新しいチャレンジになるでしょう。カレンダー最速のサーキットであるモンツァでは、F1マシンで最速のサーキットを走るという意味ではじめての体験になります。エンジニアによれば、DRSを使いながらスリップストリームに入ることで、時速360km以上が見込めるとのことです。ストレートでの全開走行と、それに続くハードなブレーキングセクションを今から楽しみにしています。圧倒的なスピードを楽しめることが、モンツァを特別なトラックにしている理由の一つだと思います。今週末は、通常に比べてダウンフォースが低めのエアロパッケージを用意しています。少し横滑りしやすくなるかもしれませんが、モンツァではストレートでどれだけ速くなれるかが重要なので、問題ありません。ここではラップの約80%がフルスロットル走行になるため、シケインでできるだけ速度を落とさずに曲がることも重要です。縁石をうまく活用しながら、コーナー出口でいいトラクションを発揮することがキーになります。イタリアGPはヨーロッパ圏での最後のレースとなるだけでなく、トロロッソにとってのホームレースです。今週末は、ファクトリーから多くのメンバーが応援しに駆けつけてくれる予定になっているので、なんとかいい結果を残したいですね」

ブレンドン・ハートレー
「モンツァでは過去に何度か好成績を残しています。フォーミュラ・ルノー2.0では優勝を挙げ、ルノー3.5では表彰台を獲得しました。また、レースには参戦していませんが、LMP1マシンでは何度かテストにも参加しています。モンツァには長い歴史があり、会場に足を踏み入れただけで特別な雰囲気に包まれます。F1マシンでここを走るのは初めてなので、楽しみです。ここはカレンダー中でも最速のトップスピードで有名です。僕たちF1ドライバーは、日ごろからレースを続けているうちに、ハイスピードに慣れてきます。現行のF1マシンはダンピングやサスペンションに優れ、非常に安定しているので、なおさらハイスピードで走行していると実感しにくくなっているんです。しかしモンツァでは、ほぼ全チームがダウンフォースを低めにしたモンツァ仕様のエアロパッケージを導入します。それにアスカリ・シケインやパラボリカなど、時速350km以上からハードブレーキングするセクションがあるため、スピードを実感できるすばらしい機会になるでしょう。今週末のレースは、全てのドライバーにとっていつもとは違うマシンで挑む戦いになりますが、ライバルを追いかけるときやスリップストリームに入る際に失うダウンフォースが少ない分、よりエキサイティングなレースになることを期待しています。観客の目からは分かりづらいかもしれませんが、F1マシンは通常、多くのダウンフォースやグリップを使って進む方向を修正しながらブレーキングしています。モンツァのようにダウンフォースが少ないトラックでは、この問題がより顕著になります。ダウンフォースが少なければその分ブレーキングの距離が長くなるので、オーバーテイクの機会は増えますが、ブレーキング時にフロントタイヤがロックしやすくなります。この点に関しては通常のレースより若干、注意が必要ではありますが、同時に楽しいポイントになると思います。モンツァではレースクラフトが常に重要で、天候がレースを左右する要因になることもあります。非常に楽しみなサーキットですね。トロロッソにとってはホームレースになるので、トリコロールカラーがサーキットではためくのを見るのが楽しみです」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今年のヨーロッパラウンド最後となるイタリアGPが行われるモンツァ・サーキットは、長い歴史と伝統を持ち、ここを訪れるのはいつでもどこか嬉しいものがあります。さらに今年のパートナーはイタリアに拠点を置くトロロッソですので、我々にとってもホームレースとなり、いつにも増して特別な気持ちで週末に臨みます。先週、ベルギーGPが行われたスパに続き、モンツァも高速サーキットとなります。長いストレートを組み合わせたレイアウトが特徴のモンツァでのスロットル全開率は高く、PUにはパワーと信頼性が求められます。我々のパッケージとしては厳しい戦いが予想されますが、最大限のパフォーマンスを発揮し、ホームの観衆の前で4戦連続のポイント獲得を目指して戦います」

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