F1 トロロッソ・ホンダ ベルギーGP
トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーGPへの意気込みと舞台となるスパ・フランコルシャンについて語った。

伝説的なサーキットのスパ・フランコルシャンは、多くのドライバーに愛されてきたが、その輝かしい歴史の中で複数回優勝したのは6人だけしかいない。オー・ルージュでの信じられない上り坂をはじめとした複数のアップダウンがあり、攻略するには精神的な強さが必要となる。

ピエール・ガスリー
「休み期間中は、仲のいい友人や家族とゆっくり時間を過ごすことができました。その最中に2019年シーズンにレッドブル・レーシングからF1に参戦することが決まったと聞いて、僕にとって最高の夏休みになりましたね。ダニエル・リカルドがチームを去るというニュースを友達と見た数日後に代表のヘルムート・マルコから電話があって、リカルドの後任に僕が決まったと知らされたんです。本当に嬉しいですし、とても興奮しています。2013年にレッドブルのプログラムに加わってから、ずっと夢見ていたことがついに実現したわけですからね。まだ今シーズンは残り9レースがあるので、F1参戦のチャンスをくれたトロロッソのために、全力を尽くしていきたいと思っています。できるだけ高い順位でシーズンを終えたいですね。ギリシャへ旅行に行ってからフランスに戻ったあとは、シーズンの残り期間に向けての充電をしていました。友達とサーフィンやウェイクボード、サッカーをしながら太陽と海を存分に楽しむことができました。ハンガリーGPが終わったあとは数日、トレーニングをしない日もありましたが、その後からあまり無理しないようにまたトレーニングを始めていて、先週からはかなり本格的に追い込んでいます。残り9レースに向けて、万全の体調で臨みたいですからね。スパは僕の一番好きなサーキットです。どのカテゴリーで走っていても本当に大好きだと思えるぐらいで、すばらしいトラックだと思います。ダウンフォースが増したF1マシンで走るのが楽しみですね。残りのシーズンの幕開けをスパで迎えられるのはすばらしいことです。ここでは2016年のGP2シリーズ、それ以前のフォーミュラ・ルノー3.5でも優勝したことがあり、いい結果を残してきています。シミュレーターでは何度か走っていて、データ上は僕たちにとって厳しい戦いになることが予想されていますが、チャンスを逃さず戦えるよう、ベストを尽くすつもりです。3週間ぶりにF1マシンのハンドルを握るのが今から待ちきれません。正直、夏休み中もずっとレースのことが頭から離れませんでした。競争する感覚が恋しかったですね。友達とスポーツをして遊ぶときも、必ずなにか競争になる要素を入れようとしていましたから(笑)。競争が僕のモチベーションを高めてくれるんだと思います。レースウイークが始まるのが待ちきれません!」

ブレンドン・ハートレー
「ブダペストでのテストが終わってから、すぐに妻のサラとコロラドへ向かい、2週間滞在しました。元F1ドライバーのマーク・ウェバーも一緒でした。滞在中はハイキングやマウンテンバイクに乗ったりと、リラックスした時間を過ごすことができましたし、レースから頭を切り替えられたのでよかったです。マウンテンバイクを使って100マイルを走破するマラソンレース、レッドヴィル・トレイル100に参加したんですが、その日はとてもタフな一日でしたね。標高3000メートル地点からスタートして、標高4000メートル地点にあるゴールを目指すというとても厳しいレースでしたが、走り終えたときは大きな達成感を得られました。自分にとって居心地のいい場所から抜け出して、新しい挑戦ができたこともよかったです。ずっとF1以外のレースに挑戦してみたいと思っていましたからね。非常にうまく行きましたし、山で時間を過ごしたおかげで今はとてもリフレッシュした気持ちです。今週末のベルギーGPから始まるシーズン後半戦に取り組む準備はできています。 スパ・フランコルシャンでは、フォーミュラ・ルノー3.5での優勝やWECで表彰台を獲得した経験があります。ここはドライバーやファンからも人気の高いトラックです。長い歴史があり、森の中を抜けていくレイアウトは景色がすばらしいだけでなく、走っていてとても楽しいサーキットでもあります。ここでは、天候がしばしばレースの行方を左右しますし、過去にはその変わりやすい天候により、何度も刺激的なレースが繰り広げられてきました。 前戦のブダペストではいいペースがありました。難しいコンディションにあってもいい仕事ができる自信があるので、今週末のスパでもポジティブなレースウイークを過ごせるはずです。休み中は頭を切り替えるため、できるだけレースのことは考えないようにしていましたが、先週から残りのシーズン、特にスパのことが頭から離れなくなりました。シーズン前半戦は厳しい戦いが続いていましたが、休みが明けてトロロッソのチームメンバー全員が残りのレースに早く参加したくてたまらない気持ちでいるはずです。ハンガリーでいいペースを発揮できたことで、今のチームにはポジティブなムードが流れていると思います。スパでF1マシンに乗るのは今回が初めてですし、金曜日にF1マシンのコックピットに戻るのが待ちきれません。F1を象徴するトラックの一つであるスパでのレースを楽しみにしています」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今週末のレースの舞台となるスパ・フランコルシャンは、オー・ルージュなどに代表される高速セクションのためにドライバーズサーキットとしてよく知られていますが、同時にパワーユニットのパワーが重要になるサーキットです。ここは年間カレンダーの中で1周の距離が最長のトラックでもあるので、回生エネルギーの使用と回収のバランスがキーになります。そのため、エンジニアは予選パフォーマンスとレースでのオーバーテイクの両方を考慮しながら、エネルギーマネジメントの最適化を行います。この部分に関しては前半戦の戦い、特にアゼルバイジャンでのレースなどを通して多くのことを学んできましたし、その経験を今週末も活かせると考えています。当然、チームの戦略にも関わるため、ドライバーも含めて十分にコミュニケーションを取った上で戦略を構築していきます。予報を見ると今週末の天気は不安定なようですので、その点についても十分に準備した上で週末に臨みます」

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