SUPER GT オートポリス NISMO
SUPER GT第3戦の決勝レースが行われ、11番手スタートの#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、最終ラップまで超接近戦を繰り広げて5位フィニッシュを果たした。

気温22℃、路面温度31℃と、ともに予選時よりは低い状態で決勝レースがスタート。スタートドライバーのクインタレッリは、序盤から前のマシンを果敢に追い立て、0.4秒から0.3秒、0.2秒と、じわじわとその差を詰めていった。

しかし、トップが6周目に入ったところで最終コーナーでクラッシュが発生しセーフティカー(SC)が導入。SCランは8周にわたって続き、14周目にリスタートとなった。リスタート後、GT300クラスがバックマーカーとして現れると、前のマシンとの差は一気に開いたり縮まったりと目まぐるしく変わっていくが、22周目に相手がGT300クラスに引っかかったところを見逃さず第1ヘアピンコーナーでパス。勢いそのままに、23周目には3コーナーのブレーキングでもう1台をかわして9番手までポジションアップした。

GT500クラス 決勝レース

OTUL AUTECH GT-R、最終ラップまでもつれ込む戦いの末5位フィニッシュ
レース中盤に入り、上位陣が次々とルーティーンのピットインへと向かっていくなか、クインタレッリはロングスティントを進めて37周目にトップ浮上。そして、40周を終えてピットへと戻ってきた。素早いピット作業で松田にドライバー交代した#23 GT-Rは5番手でコース復帰。タイヤが温まるまでに2台の先行を許したが、7番手で後半戦をスタートした。終盤はコースのいたるところで激しいバトルが展開され、#23 GT-Rも3番手を走るマシンから続く5台での表彰台争いを繰り広げた。56周目の第2ヘアピンで1台をかわし6番手へポジションアップ。さらに上位を走るマシンがリタイアしたため5位へと順位を押し上げた。前を走る2台を含めての3台での3位争いは最終ラップまで続き、残り2周のところではGT300クラスの大集団に阻まれる形でいったんはギャップを広げたが、最終ラップでは0.6秒差まで接近。最後まで攻めの走りを続けて5位フィニッシュとなった。

松田次生 (#23 ドライバー)

「ピットアウトしてからずっと接近戦だったので、しんどいレースでした。予選のクルマの状況からすると、今日の決勝はどうなるのかと思いましたが、セットアップを変えたこともあって良くなりました。タイヤも後半伸びてくれたのも、僕たちにとってプラスでした。ロニーも頑張って前半スティントを伸ばしてくれたので、僕も最後に何とかもう少し順位を上げたかったのですが、黄旗が出るタイミングが僕にとってあまりいいタイミングではなかったこともあって、抜けませんでした。今は苦しい状況だけどみんな頑張ってくれているし、ここまで着実にポイントを重ねてきているので、次戦以降もいいレースを続けていきたいと思います」

ロニー・クインタレッリ (#23 ドライバー)

「予選で選んだタイヤがハード目だったので、僕のスティントを伸ばしてピットアウト後にポジションを上げるという作戦でした。作戦通りに行けるかどうかは走ってみないと分かりませんでしたが、計画通りにいけたし、タイヤもすごく持ちが良かったです。特に、最後の10周ぐらいは前にクルマがいなくてクリアな状態で走れましたが、その時はクルマとタイヤのフィーリングが良くて、とてもいいタイムで走れました。レース後半は、次生の走りで表彰台がすごく近づきましたね。表彰台に乗れなかったのは残念ですが、予選結果を考えると、いい5位だと思います。開幕のころに比べたらかなり進歩もしていますし、前回の富士や今回の結果で、さらにレベルアップするためのエネルギーがチームに生まれたと思います。次のレースまでにはテストもあるので、SUGO戦を非常に楽しみにしています」

鈴木豊 (ニスモ 監督)

「クルマのポテンシャルがライバル勢と比べてまだ足りていないなか、エンジニアがうまく状況に合わせてくれて、レースに向けていい状態にしてくれたと思います。またドライバー2人も、しっかりと期待に応えてくれました。クルマについてはまだまだ頑張らなければいけない部分があって、今日はそれをドライバーとエンジニアがうまくカバーしてくれました。チームが力を出し切って、今とれるベストの結果を3戦続けて出せています。ライバル勢がミスで順位を落としていったなかで、我々がミスをしないことでトップとの差も縮まりました。苦しいところでいかに自分たちの力を出し切るかがこの先も大事になってくると思っています。次のレースに向けても、気を引き締めて臨みたいと思います」

GT300クラス 決勝レース

B-MAX NDDP GT-Rが9位ゴールで3戦連続入賞
長谷見昌弘監督率いるNDDP RACINGの#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)は、予選17位からスタートし9位まで順位を上げてゴール。開幕から3戦連続で入賞しポイントを獲得した。

前日に比べると雲の増えたオートポリス。スタートを務めた星野は、オープニングラップで4台をかわして13位へ浮上した。5周目の最終コーナー手前でアクシデントが発生し、GT300車両も2台が巻き込まれ、ここでセーフティカー(SC)が導入されることになった。

13周終了時点でSCランは解除となりバトルが再開し、この時点で星野は11位となるが、抜きどころの少ないオートポリスで、なかなか順位を上げられない厳しい展開が続いた。チームでは作戦どおり早めの20周で星野をピットインさせ、高星に交代。給油とタイヤ交換を済ませコースに送り出した。高星はベストラップを更新しながら周回を重ねていき、すべての車両がピット作業を終えた時点で9位を走行していた。思うようにペースが上げられない状態だったが、高星は懸命にドライブ。終盤には他車両のトラブルやアクシデントもあり、まさにサバイバルレースの中で#3 GT-Rは9位を保ってゴール。厳しい展開ながら3戦連続入賞で2ポイントを加算した。

星野一樹 (#3 ドライバー)

「ここは抜けないコースなのでスタートの1周目に懸けていました。何とか決まっていくつか順位を上げることができましたが、前を走るフェラーリをなかなか抜けなかったので無理をせずついていきました。後半は高星が頑張ってくれました。予選の順位を考えるとポイントを取れたことは良かったですが、いろんな部分を見直して、今回悪かったことを反省して次のレースにつなげていきます」

高星明誠 (#3 ドライバー)

「ピット作業は早かったのですが、予想していたとおりの厳しい展開でした。走り出しからペースが上がらず、タイヤを労って走ることを意識して、ベストを尽くしました。クルマをコースにとどめておくことが精一杯で、これまでやってきたレースのなかで一番きついレースでした。もっと上のレベルを目指していきたいと思います」

長谷見昌弘 (NDDP RACING 監督)

「後半は硬めのタイヤに交換するつもりでしたが、路面温度が予想より上がらなかったので、スタートと同じタイヤで高星を送り出しました。でもタイヤがたれてしまい、厳しい戦いになりました。今年の性能調整(BoP)の影響も大きく、なかなかいいところを出せないレースが続きますが、状況を改善できるよう次戦以降も頑張っていきたいと思います」

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カテゴリー: F1 / SUPER GT