2024年のF1世界選手権:忘れてしまったかもしれない10の瞬間
2024年シーズンがアクション満載だったと言えば控えめな表現になるだろう。トラック外での大きなニュースから、コース上でのますます激しさを増す戦いまで、話題に事欠かない1年だった。
これほど多くの出来事があったため、24レースのキャンペーン中に起こった出来事のいくつかを忘れてしまいがちだが、心配は無用だ。チーム内の不和、車に残された珍しいアイテム、セーフティカーの長い不在など、2024年の忘れていたかもしれない大きな瞬間をFormula1.comがまとめた...
リカルドと角田裕毅の間に緊張が走る
2024年、RBチームはドライバーラインナップに関する憶測が絶えなかったため、常に話題の中心にあったが、チームについて初めて誰もが話題にするようになったのは、バーレーンでのシーズン開幕戦での出来事だった。
レース終盤、チームからダニエル・リカルドを先行させるよう指示を受けた角田裕毅は、角田のマシンにハードタイヤが装着されていたのに対し、ソフトコンパウンドを装着していたリカルドがハースのケビン・マグヌッセンを追い抜くことを意図したものだった。角田は「冗談だろう」と尋ねた後、指示に従った。
リカルドは最終的にマグヌッセンを追い抜くことはできなかったが、13位で角田裕毅の前でゴールした。チェッカーフラッグが振られた後、苛立ちを隠しきれない様子の角田は、トラックに戻ってくる際にチームメイトのRBを追い抜く寸前で急降下し、困惑したリカルドに「なんだよ、どうしたんだよ? 後で謝るよ」とコメントさせた。
35歳のリカルドは後にこの一件を「少しばかりの未熟さ」と評したが、角田裕毅はレース後に「そのことについては話したくもない」と述べた。 緊張はサウジアラビアでの第2戦で解消されたようだったが、それはリカルドにとって今後厳しい戦いとなるキャンペーンの始まりを告げるものだったようだ。
「受け入れがたい」シャシー不足でドライバー交代
2024年、ウィリアムズはシャシーに関する問題に悩まされた。特に、サンパウログランプリで1日に3度もクラッシュしてしまったことは、非常に厳しい瞬間だった。しかし、これらのトラブルは、シーズン第3戦のオーストラリアで始まっていた。
アルバート・パーク・サーキットでの最初のプラクティス中にアレックス・アルボンが激しいクラッシュを起こし、FW46のダメージはFP2までに修復するには広範囲にわたっていた。さらに悪いことに、チームにはスペアのシャシーが用意されていなかったため、アルボンはローガン・サージェントのマシンで週末を乗り切るという決断が下された。
チームのボスであるジェームス・ボウルズは、この判断は「ポイント獲得の可能性を最大限に考慮した上でのもの」と述べたが、同時にウィリアムズがイベントに3台目のシャシーを用意できなかったことは「受け入れがたい」とも認めた。
それでも、身を引いたサージェントは「完璧なプロフェッショナル」と称賛された。しかし、その後もアメリカ人ドライバーの成績はあまり改善されず、イタリアグランプリからはフランコ・コラピントがサージェントに代わってチームに参加することになった。
マグヌッセンのマイアミでのいたずらとレース出場停止
ケビン・マグヌッセンは、肘を突き出すことを恐れないドライバーである。これは、マイアミGPの週末に明らかになった。土曜のスプリントレースで、マグヌッセンはルイス・ハミルトンと長時間にわたって激しい争いを繰り広げた。
7度のワールドチャンピオンに激しく抵抗したため、ポイント獲得を争うチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグに先行を許すこととなった。マグヌッセンの戦術はスチュワードの怒りを買い、35秒間のペナルティが科せられた。
後に、ペナルティは「当然の報い」だったと示唆したものの、マグヌッセンは日曜日のレースで、ローガン・サージェントのウィリアムズと接触したとして10秒のペナルティを受け、さらなるトラブルに見舞われた。
これにより、自動的にレース出場停止となる12ポイントに迫るペナルティポイントを獲得することとなった。モンツァでのアルピーヌのピエール・ガスリーとの衝突が、最終的にこの事態を招いた。マグヌッセンはアゼルバイジャンGPで出場停止処分を科され、2012年のロマン・グロージャン以来初めてドライバーがこの処分を受けた。
ラッセルとフェルスタッペンが同タイムのポールポジション
マックス・フェルスタッペンとレッドブルは、シーズン開幕当初は2023年の支配的な強さをそのまま引き継いでいるように見えたが、すぐに、今シーズンは前年度王者のチームがライバルたちからより強力な挑戦を受けることが明らかになった。
これは、F1がカナダGPのためにジル・ヴィルヌーヴ・サーキットを訪れた際に特に明らかになり、メルセデスが前進したように見えた。メルセデスは、3回目の最終プラクティスで目覚ましいパフォーマンスを発揮した。
ジョージ・ラッセルは、その日の予選でも好調を維持し、Q3の最初のフライングラップで1分12秒000を記録し、暫定トップに立った。
一方、フェルスタッペンは最後の最後に自己ベストを更新したが、驚くべきことにラッセルとまったく同じタイムを記録し、1997年のヨーロッパGP以来初めてポールポジションが同タイムで並んだ。ラッセルが先にタイムを記録していたため、イギリス人ドライバーがフロントローからスタートすることになったが、日曜日のレースではフェルスタッペンが勝利を収めた。
接触事故で不和となったルクレールとサインツ
フェラーリでチームメイトとして4年間を過ごしたシャルル・ルクレールとカルロス・サインツは、良好な関係を築いてきたことで知られているが、スペインGP後、2人の間に珍しく不和の瞬間があったようだ。
5番手と6番手グリッドからスタートしたレースで、序盤にタイヤを温存しようとしていたルクレールは、66周中の3周目でターン1でサインツに追い込まれた。これにより、2人の車が接触し、その後サインツがコースアウトして順位を上げた。
最終的には元のスターティングポジションでレースを終えたものの、この2人は、後でこの出来事を振り返った際に不仲になってしまった。ルクレールは「残念だ」と述べ、「おそらく自分は、対抗するために何か“派手な”ことをする相手としてはふさわしくなかった」と付け加えた。
一方、サインツはルクレールについて「レース後に何かと文句を言うことが多すぎる。明らかに熱くなっている。そう考えているのかもしれない」と語った。幸いにも、チームメイトたちは次のオーストリアラウンドまでにそのわだかまりを解消し、2025年にウィリアムズへ移籍するサインツとフェラーリで共に戦う最後のレースに臨む準備を整えた。
セーフティカーはどこへ行ったのか?
セーフティカーが初めてF1に登場したのは1973年のカナダGPだったが、皮肉にも、お馴染みのマシンが数レースにわたって最後に登場したのは、2024年のカナダでのF1開催だった。
セーフティカーはグランプリではよく見かける光景であり、通常はコース上でのアクシデントや天候の変化が原因で導入されるが、今シーズンはレース中に登場しないという異例の期間が続いた。
モントリオールでのウェット/ドライのイベントで何度も必要とされた後、セーフティカーは次の9レースで姿を見せなかった。これは、ここ数年で最も長い導入されなかった期間である。
ルイス・ハミルトンが3周目にリタイアしたアメリカGPの序盤でセーフティカーが復活した一方、シーズン終盤にはドライバーのベルント・マイランダーと彼のクルーにとって忙しい週末が続いた。
アルボンにとっては珍しい出来事
アレックス・アルボンはシーズン後半に不運に見舞われ、最後の7戦で3回のリタイアを記録した。また、その日の予選でクラッシュしてしまったため、サンパウロGPではスタートできなかった。
この苦難の時期の直前の第17戦アゼルバイジャンで、アルバンの今シーズン最後のポイント獲得となった。チームメイトのフランコ・コラピントもトップ10でフィニッシュしたため、ウィリアムズにとっては勝利に値するレースとなった。
しかし、土曜日のバクーでの予選中にアルボンに起こった珍しい出来事は、忘れられているかもしれない。タイ人ドライバーとコラピントは、ともにQ3に進出したが、アルボンはエアボックスのファンがまだマシンに取り付けられたままの状態で最後の走行に出された。
チームがミスに気づいた後、アルボンはコース上で停止し、自力でファンを取り外した。しかし、失われた時間を取り戻すことはできず、セッション終了までにさらに1周することができなかった。しかし、日曜日のポイント獲得により、すべてが許されたことだろう。
シンガポールでのトラック侵入を果たしたトカゲ
F1がシンガポールを訪れる際、コース上でのトカゲの出現は珍しいことではない。2016年にマックス・フェルスタッペンが遭遇した「ゴジラ」、あるいは昨年のイベントで再び現れた「ゴジラの子供」を覚えている人はいるだろうか?
このテーマは2024年も継続され、シンガポールではオオトカゲが保護対象種となっているため、ドライバーたちはマリーナベイ・ストリート・サーキットでの3回目かつ最後のプラクティス走行中、最新のトラック侵入者の邪魔にならないように注意した。
しかし、このトカゲはピットエントランス近くのトラックの真ん中に陣取って、その様子をじっくりと観察しているようだった。そのため、この爬虫類を安全に舗装路から移動させるために赤旗が提示された。
マーシャルたちが逃げ出したトカゲを捕まえようと追いかける様子は、滑稽な場面となった。トカゲはトラックの脇を走りながら、F1マシンに匹敵するスピードを見せつけた。
マクラーレンとフェラーリ、互いの祝賀会を荒らす
コンストラクターズ選手権の行方がアブダビでのシーズン最終戦までまったくわからない展開となったため、2024年シーズン中にマクラーレンとフェラーリの間で多少の緊張感があったとしても、それは理解できることだったかもしれない。
両チームともタイトル獲得に向けて全力を尽くしているのは明らかだったが、それでもトラックの外では幾分リラックスした瞬間もあった。きっかけは、マイアミでのランド・ノリスのデビューウィン祝賀会に乱入したフェラーリ代表のフレデリック・バスールだった。
マクラーレンのクルーたちがチーム写真を撮影している間、フランス人は巧みにカメラマンの群衆に紛れ込んだ。そして、見つかった後はパパイヤの帽子を快く受け取り、用意していたシャンパンボトルをノリスと彼のチームに浴びせた。
このお祝いの場への乱入はシーズンを通して続き、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンはメキシコシティでフェラーリのレース後勝利の記念写真に乱入し、ウォーキングのチームが自分たちの写真を撮ろうと集まった際にカルロス・サインツがすかさずお返しをした。
ブラジルでのハミルトンのセナへのトリビュートラップ
サンパウロ・グランプリの週末は、今シーズンで最も波乱に満ちたカオスな週末となった。危険な天候により予選は日曜の朝まで延期され、その後、盛りだくさんのグランプリが展開された。
しかし、そんな中、特別な瞬間が訪れた。ルイス・ハミルトンが、彼のアイドルであるアイルトン・セナの1990年型マクラーレンMP4/5Bを、故セナの母国の大観衆の前で、インテルラゴス・ジョゼ・カルロス・パーチェ・サーキットを走らせる機会が与えられたのだ。
トラックを周回し、コックピットからブラジル国旗を掲げたハミルトンは、セナの妹ビビアーネと並んで写真に収まり、この象徴的なマシンのステアリングを握ったことが「とても、とても感動的だった」と語った。
それは、2025年にフェラーリへの移籍が決まっているハミルトンにとって、メルセデスとの関係の最終章となるシーズンだったことを考えると、感慨深い瞬間となった。
カテゴリー: F1 / F1レース結果
これほど多くの出来事があったため、24レースのキャンペーン中に起こった出来事のいくつかを忘れてしまいがちだが、心配は無用だ。チーム内の不和、車に残された珍しいアイテム、セーフティカーの長い不在など、2024年の忘れていたかもしれない大きな瞬間をFormula1.comがまとめた...
リカルドと角田裕毅の間に緊張が走る
2024年、RBチームはドライバーラインナップに関する憶測が絶えなかったため、常に話題の中心にあったが、チームについて初めて誰もが話題にするようになったのは、バーレーンでのシーズン開幕戦での出来事だった。
レース終盤、チームからダニエル・リカルドを先行させるよう指示を受けた角田裕毅は、角田のマシンにハードタイヤが装着されていたのに対し、ソフトコンパウンドを装着していたリカルドがハースのケビン・マグヌッセンを追い抜くことを意図したものだった。角田は「冗談だろう」と尋ねた後、指示に従った。
リカルドは最終的にマグヌッセンを追い抜くことはできなかったが、13位で角田裕毅の前でゴールした。チェッカーフラッグが振られた後、苛立ちを隠しきれない様子の角田は、トラックに戻ってくる際にチームメイトのRBを追い抜く寸前で急降下し、困惑したリカルドに「なんだよ、どうしたんだよ? 後で謝るよ」とコメントさせた。
35歳のリカルドは後にこの一件を「少しばかりの未熟さ」と評したが、角田裕毅はレース後に「そのことについては話したくもない」と述べた。 緊張はサウジアラビアでの第2戦で解消されたようだったが、それはリカルドにとって今後厳しい戦いとなるキャンペーンの始まりを告げるものだったようだ。
「受け入れがたい」シャシー不足でドライバー交代
2024年、ウィリアムズはシャシーに関する問題に悩まされた。特に、サンパウログランプリで1日に3度もクラッシュしてしまったことは、非常に厳しい瞬間だった。しかし、これらのトラブルは、シーズン第3戦のオーストラリアで始まっていた。
アルバート・パーク・サーキットでの最初のプラクティス中にアレックス・アルボンが激しいクラッシュを起こし、FW46のダメージはFP2までに修復するには広範囲にわたっていた。さらに悪いことに、チームにはスペアのシャシーが用意されていなかったため、アルボンはローガン・サージェントのマシンで週末を乗り切るという決断が下された。
チームのボスであるジェームス・ボウルズは、この判断は「ポイント獲得の可能性を最大限に考慮した上でのもの」と述べたが、同時にウィリアムズがイベントに3台目のシャシーを用意できなかったことは「受け入れがたい」とも認めた。
それでも、身を引いたサージェントは「完璧なプロフェッショナル」と称賛された。しかし、その後もアメリカ人ドライバーの成績はあまり改善されず、イタリアグランプリからはフランコ・コラピントがサージェントに代わってチームに参加することになった。
サージェントは、シャシーがチームメイトのアルボンに引き渡された後、オーストラリアグランプリをサイドラインから観戦した。
マグヌッセンのマイアミでのいたずらとレース出場停止
ケビン・マグヌッセンは、肘を突き出すことを恐れないドライバーである。これは、マイアミGPの週末に明らかになった。土曜のスプリントレースで、マグヌッセンはルイス・ハミルトンと長時間にわたって激しい争いを繰り広げた。
7度のワールドチャンピオンに激しく抵抗したため、ポイント獲得を争うチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグに先行を許すこととなった。マグヌッセンの戦術はスチュワードの怒りを買い、35秒間のペナルティが科せられた。
後に、ペナルティは「当然の報い」だったと示唆したものの、マグヌッセンは日曜日のレースで、ローガン・サージェントのウィリアムズと接触したとして10秒のペナルティを受け、さらなるトラブルに見舞われた。
これにより、自動的にレース出場停止となる12ポイントに迫るペナルティポイントを獲得することとなった。モンツァでのアルピーヌのピエール・ガスリーとの衝突が、最終的にこの事態を招いた。マグヌッセンはアゼルバイジャンGPで出場停止処分を科され、2012年のロマン・グロージャン以来初めてドライバーがこの処分を受けた。
ラッセルとフェルスタッペンが同タイムのポールポジション
マックス・フェルスタッペンとレッドブルは、シーズン開幕当初は2023年の支配的な強さをそのまま引き継いでいるように見えたが、すぐに、今シーズンは前年度王者のチームがライバルたちからより強力な挑戦を受けることが明らかになった。
これは、F1がカナダGPのためにジル・ヴィルヌーヴ・サーキットを訪れた際に特に明らかになり、メルセデスが前進したように見えた。メルセデスは、3回目の最終プラクティスで目覚ましいパフォーマンスを発揮した。
ジョージ・ラッセルは、その日の予選でも好調を維持し、Q3の最初のフライングラップで1分12秒000を記録し、暫定トップに立った。
一方、フェルスタッペンは最後の最後に自己ベストを更新したが、驚くべきことにラッセルとまったく同じタイムを記録し、1997年のヨーロッパGP以来初めてポールポジションが同タイムで並んだ。ラッセルが先にタイムを記録していたため、イギリス人ドライバーがフロントローからスタートすることになったが、日曜日のレースではフェルスタッペンが勝利を収めた。
接触事故で不和となったルクレールとサインツ
フェラーリでチームメイトとして4年間を過ごしたシャルル・ルクレールとカルロス・サインツは、良好な関係を築いてきたことで知られているが、スペインGP後、2人の間に珍しく不和の瞬間があったようだ。
5番手と6番手グリッドからスタートしたレースで、序盤にタイヤを温存しようとしていたルクレールは、66周中の3周目でターン1でサインツに追い込まれた。これにより、2人の車が接触し、その後サインツがコースアウトして順位を上げた。
最終的には元のスターティングポジションでレースを終えたものの、この2人は、後でこの出来事を振り返った際に不仲になってしまった。ルクレールは「残念だ」と述べ、「おそらく自分は、対抗するために何か“派手な”ことをする相手としてはふさわしくなかった」と付け加えた。
一方、サインツはルクレールについて「レース後に何かと文句を言うことが多すぎる。明らかに熱くなっている。そう考えているのかもしれない」と語った。幸いにも、チームメイトたちは次のオーストリアラウンドまでにそのわだかまりを解消し、2025年にウィリアムズへ移籍するサインツとフェラーリで共に戦う最後のレースに臨む準備を整えた。
セーフティカーはどこへ行ったのか?
セーフティカーが初めてF1に登場したのは1973年のカナダGPだったが、皮肉にも、お馴染みのマシンが数レースにわたって最後に登場したのは、2024年のカナダでのF1開催だった。
セーフティカーはグランプリではよく見かける光景であり、通常はコース上でのアクシデントや天候の変化が原因で導入されるが、今シーズンはレース中に登場しないという異例の期間が続いた。
モントリオールでのウェット/ドライのイベントで何度も必要とされた後、セーフティカーは次の9レースで姿を見せなかった。これは、ここ数年で最も長い導入されなかった期間である。
ルイス・ハミルトンが3周目にリタイアしたアメリカGPの序盤でセーフティカーが復活した一方、シーズン終盤にはドライバーのベルント・マイランダーと彼のクルーにとって忙しい週末が続いた。
カタールGPではセーフティカーが大活躍したが、シーズン中盤には長い不在期間があった。
アルボンにとっては珍しい出来事
アレックス・アルボンはシーズン後半に不運に見舞われ、最後の7戦で3回のリタイアを記録した。また、その日の予選でクラッシュしてしまったため、サンパウロGPではスタートできなかった。
この苦難の時期の直前の第17戦アゼルバイジャンで、アルバンの今シーズン最後のポイント獲得となった。チームメイトのフランコ・コラピントもトップ10でフィニッシュしたため、ウィリアムズにとっては勝利に値するレースとなった。
しかし、土曜日のバクーでの予選中にアルボンに起こった珍しい出来事は、忘れられているかもしれない。タイ人ドライバーとコラピントは、ともにQ3に進出したが、アルボンはエアボックスのファンがまだマシンに取り付けられたままの状態で最後の走行に出された。
チームがミスに気づいた後、アルボンはコース上で停止し、自力でファンを取り外した。しかし、失われた時間を取り戻すことはできず、セッション終了までにさらに1周することができなかった。しかし、日曜日のポイント獲得により、すべてが許されたことだろう。
シンガポールでのトラック侵入を果たしたトカゲ
F1がシンガポールを訪れる際、コース上でのトカゲの出現は珍しいことではない。2016年にマックス・フェルスタッペンが遭遇した「ゴジラ」、あるいは昨年のイベントで再び現れた「ゴジラの子供」を覚えている人はいるだろうか?
このテーマは2024年も継続され、シンガポールではオオトカゲが保護対象種となっているため、ドライバーたちはマリーナベイ・ストリート・サーキットでの3回目かつ最後のプラクティス走行中、最新のトラック侵入者の邪魔にならないように注意した。
しかし、このトカゲはピットエントランス近くのトラックの真ん中に陣取って、その様子をじっくりと観察しているようだった。そのため、この爬虫類を安全に舗装路から移動させるために赤旗が提示された。
マーシャルたちが逃げ出したトカゲを捕まえようと追いかける様子は、滑稽な場面となった。トカゲはトラックの脇を走りながら、F1マシンに匹敵するスピードを見せつけた。
マクラーレンとフェラーリ、互いの祝賀会を荒らす
コンストラクターズ選手権の行方がアブダビでのシーズン最終戦までまったくわからない展開となったため、2024年シーズン中にマクラーレンとフェラーリの間で多少の緊張感があったとしても、それは理解できることだったかもしれない。
両チームともタイトル獲得に向けて全力を尽くしているのは明らかだったが、それでもトラックの外では幾分リラックスした瞬間もあった。きっかけは、マイアミでのランド・ノリスのデビューウィン祝賀会に乱入したフェラーリ代表のフレデリック・バスールだった。
マクラーレンのクルーたちがチーム写真を撮影している間、フランス人は巧みにカメラマンの群衆に紛れ込んだ。そして、見つかった後はパパイヤの帽子を快く受け取り、用意していたシャンパンボトルをノリスと彼のチームに浴びせた。
このお祝いの場への乱入はシーズンを通して続き、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンはメキシコシティでフェラーリのレース後勝利の記念写真に乱入し、ウォーキングのチームが自分たちの写真を撮ろうと集まった際にカルロス・サインツがすかさずお返しをした。
マクラーレンとフェラーリは、お互いのレース後の勝利の記念写真に乱入する習慣を身につけた。
ブラジルでのハミルトンのセナへのトリビュートラップ
サンパウロ・グランプリの週末は、今シーズンで最も波乱に満ちたカオスな週末となった。危険な天候により予選は日曜の朝まで延期され、その後、盛りだくさんのグランプリが展開された。
しかし、そんな中、特別な瞬間が訪れた。ルイス・ハミルトンが、彼のアイドルであるアイルトン・セナの1990年型マクラーレンMP4/5Bを、故セナの母国の大観衆の前で、インテルラゴス・ジョゼ・カルロス・パーチェ・サーキットを走らせる機会が与えられたのだ。
トラックを周回し、コックピットからブラジル国旗を掲げたハミルトンは、セナの妹ビビアーネと並んで写真に収まり、この象徴的なマシンのステアリングを握ったことが「とても、とても感動的だった」と語った。
それは、2025年にフェラーリへの移籍が決まっているハミルトンにとって、メルセデスとの関係の最終章となるシーズンだったことを考えると、感慨深い瞬間となった。
カテゴリー: F1 / F1レース結果