F1イタリアGP 結果:アルファタウリ・ホンダF1のガスリーが初優勝! / 決勝レポート
2020年のF1世界選手権 第8戦 F1イタリアGPの決勝レースが9月6日(日)にモンツァ・サーキットで行われ、赤旗中断を含む大波乱のレースでピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)がF1初優勝。チームとして2008年のセバスチャン・ベッテル以来の2勝目。ホンダF1との50戦目の節目に大きな勝利を挙げた。

舞台となるモンツァは、コーナーの数が11と少なく、3つのシケインでストレートを結んだ非常に高速なサーキット。スロットル全開率75%を誇るエンジンパフォーマンスが物を言うパワートラックとなる。

ロングストレートでのスピードを最大限にするために、各チームは正面からリアウイングのロゴが見えないほどの“モンツァ仕様”の空力パッケージを持ち込み、シーズン中で最もローダウンフォースのセットアップを使用する。

F1カレンダー屈指の高速サーキットとなるモンツァには、C2(ハード/ホワイト)、C3(ミディアム/イエロー)、C4(ソフト/レッド)という中間のコンパウンドが選択された。レースではC2とC3のいずれか1セットを使用しなければならない。

土曜日のレースは晴れ。気温27.6度、路面温度44.5度、湿度40.2%のドライコンディションで53周のレースのスタートが切られた。

レースは2回のセーフティカーと赤旗中断を含む大波乱の展開。優勝はアルファタウリ・ホンダF1のピエール・ガスリー。F1初優勝で109人目のグランプリウィナーとなった。また、フランス人ドライバーのF1優勝は1996年のオリビエ・パニス(リジェ無限ホンダ)以来。

レースを決定づけたポイントは2つ。19周目にケビン・マグヌッセン(ハース)がパワーユニットのトラブルによってリタイア。セーフティカーを予想したピエール・ガスリーはここでピットに飛び込んでハードタイヤに交換する。ここでトップを走行していたルイス・ハミルトンがピットに飛び込むが、ピットレーンがクローズされており10秒のストップ&ゴーペナルティを科せられる。

2つ目は24周目。シャルル・ルクレールがクラッシュしてセーフティカーが導入。さらにマシン撤去に時間がかかってレースは27周目に赤旗中断となる。そこでガスリーはミディアムにタイヤを交換。リスタート後にハミルトンがペナルティを消化するためにピットインしてトップに立つと最後は0.415秒の僅差でリードを守り、トップでチェッカー。F1初優勝を成し遂げた。

2位はマクラーレンのカルロス・サインツ、3位にはレーシング・ポイントのランス・ストロールが続いた。

ホンダF1エンジン勢はアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトが9位入賞。レッドブル・ホンダはアレクサンダー・アルボンは15位、マックス・フェルスタッペンはパワーユニットのトラブルでリタイアでレースを終えた。

10秒のストップ&ゴーペナルティを科せられたルイス・ハルトンは、リスタート時にトップから30秒差の最後尾に下がったが、そこから追い上げて7位入賞を果たした。

ホームレースとなったフェラーリはダブルリタイアでレースを終えた。次戦はフェラーリにとって1000戦目の節目となるレースがF1初開催となるムジェロでF1トスカーナGPとして1週間後に開催される。

2020年 第8戦 F1イタリアGP 決勝 結果

順位NoドライバーチームGAPINTPIT
110ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダLAP532
255カルロス・サインツマクラーレン0.4150.4152
318ランス・ストロールレーシングポイント3.3582.9431
44ランド・ノリスマクラーレン6.0002.6422
577バルテリ・ボッタスメルセデス7.1081.1082
63ダニエル・リカルドルノー8.3911.2832
744ルイス・ハミルトンメルセデス17.2458.8543
831エステバン・オコンルノー186911.4462
926ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ22.2083.5172
1011セルジオ・ペレスレーシングポイント23.2241.0162
116ニコラス・ラティフィウィリアムズ32.8769.6522
127キミ・ライコネンアルファロメオ35.1642.2882
138ロマン・グロージャンハース36.3121.1482
1463ジョージ・ラッセルウィリアムズ36.5930.2812
1523アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ37.5330.9402
1699アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ55.19917.6663
DNF33マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ  3
DNF16シャルル・ルクレールフェラーリ  1
DNF20ケビン・マグヌッセンハース  1
DNF5セバスチャン・ベッテルフェラーリ  1

【レース展開】
トップ10はソフトタイヤ。11番手以降ではクビアトとベッテルがハード、オコンとルクレールがソフト、それ以外はミディアムをスタートタイヤに選択する。

カルロス・サインツが好スタートを切って2番手に浮上。その後、チームメイトのランド・ノリスが3つ順位を上げて3番手に。マックス・フェルタッペンは3つ順位を落として8番手。アレクサンダー・アルボンはピエール・ガスリーとの接触もあり15番手まで順位を落とす。バルテリ・ボッタスはパンクを訴えているが、問題はないようだ。

2周目:(1)ハミルトン(2)サインツ(3)ノリス(4)ペレス(5)リカルド(6)ボッタス(7)ストロール(8)フェルスタッペン(9)オコン(10)ガスリー

3周目:フェルスタッペンがストロールを攻略して7番手に浮上。

6周目:ベッテルが1コーナーで止まり切れずにボラードをふっ飛ばして通過。ブレーキトラブルで左ブレーキから火が出ており、ピットまで戻ってリタイアを選択する。

ペナルティ:アルボンに5秒加算ペナルティ。グロージャンとのバトル中に1台分のスペースを与えなかったと判断された。

10周目:トップのハミルトンが約5秒のリード。2番手のサインツの4秒後方では(3)ノリスから(7)フェルスタッペンまで1秒以内のDRSトレイン状態が続く。モンツァ仕様の薄いリアウイングでは通常よりもDRSの効果が低く、なかなかオーバーテイクができない。また、追従していくとブレーキの温度が上がっていくためラインを外さざるを得ない。

無線:ボッタス「シングルモードじゃレースができない』

18周目:ルクレールがハードに交換(13→17) ライコネンもハードに交換(12→16)

19周目:ケビン・マグヌッセンがコース脇に止めてリタイア『何かが壊れた』(パワーユニット)。ガスリーがピットに飛び込んでハードに交換(10→14)

20周目:セーフティカー導入。ハミルトンがミディアムに交換(1→2)。だが、同時にピットレーンがクローズされており、ジョビナッツィともに審議対象

23周目:ピットレーンオープン。サインツがミディアムに交換(1→8)。ノリスがピットレーンで後続を抑えるナイスプレイでミディアムに交換(3→9)。ペレスに時間がかかりボッタスの後ろに後退(→12)。ストロールだけがステイアウト。

24周目:レース再開。シャルル・ルクレールがパラボリカの出口で高速でタイヤバリアに突っ込む。ドライバーは無事。再びセーフティカー導入。

27周目:マシン撤去のため赤旗中断。ハミルトンとジョビナッツィに10秒のストップ&ゴーペナルティ。ここで各マシンにタイヤ交換のチャンス。ステイアウトしていたストロールは幸運。

審議:ピットレーンで低速走行したノリスが審議対象

(1)ハミルトン(2)ストロール(3)ガスリー(4)ライコネン(5)ジョビナッツィ(6)サインツ(7)ノリス(8)ボッタス(9)ラティフィ(11)フェルスタッペン(12)オコン(13)クビアト(14)ペレス(15)ラッセル(16)アルボン(17)グロージャン(DNF)ルクレール(DNF)マグヌッセン(DNF)ベッテル

現地時間16時20分(日本時間23時20分)からレース再開のアナウンス。フォーメーションラップと同じ扱いとなり、無線でのドライバーアシストは禁止。

タイヤ交換:ハミルトン(ハード)ストロール(ミディアム)ガスリー(ミディアム)ライコネン(ソフト)ジョビンッツィ(ソフト)ラッセル(ミディアム)アルボン(ハード)

28周目:スタンディングスタートで再開

29周目:ハミルトンがピットインしてペナルティを消化
(1)ガスリー(2)ライコネンン(3)ジョビナッツィ(4)サインツ(5)ストロール(6)ノリス(7)ボッタス(8)リカルド(9)オコン(10)クビアト(11)ペレス(12)ラティフィ(13)グロージャン(14)フェルスタッペン(5)ラッセル(16)アルボン(17)ハミルトン+30秒

31周目:ジョビナッティがピットインしてペナルティ消化。フェルスタッペンがピットに入りリタイア(パワーユニット)。

34周目:ライコネンを抜いてサインツが2番手に浮上。ストロールが3番手。トップのガスリーとの差は4秒。その後、ライコネンはズルズルと順位を下げる。

残り10周:(1)ガスリー(2)+2.25サインツ(3)+4.767ストロール(4)+9.049ノリス(5)+9.565ボッタス

47周目:ハミルトンが10番手まで挽回。

残り3周:ガスリーとサインツとの差は1.2秒。ハミルトンはファステストを記録して8番手。

チェッカー:ガスリー初優勝!



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カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1イタリアGP