レッドブルF1代表 サンパウロGP予選Q1敗退を説明「リスクを取った代償」
2025年F1サンパウロGPの予選で、マックス・フェルスタッペンがまさかのQ1敗退。16番手に沈んだこの結果について、レッドブル・レーシングのローラン・メキース代表は「リスクを取った結果」だと認めた。フェルスタッペンはタイトル争いの最中にあるだけに、チームにとっても痛恨の週末となった。

フェルスタッペンはここサンパウロ入り時点で、ランキング首位のランド・ノリスとの差を36ポイントに縮め、5年連続タイトルへ望みをつないでいた。

しかし、週末を通じてRB21のグリップ不足に悩まされ、スプリントでは「完全に壊れていて、運転できない」とまで語っていた。

24周のスプリントでは6番手スタートから4位まで巻き返したものの、グランプリ予選では再びバランスを崩し、キャリア229戦中わずか2度目となる「純粋なペースでのQ1敗退」となった。チームメイトの角田裕毅も19番手に終わり、レッドブルがQ1でそろって敗退するのは2006年日本GP以来、実に19年ぶりの屈辱だった。

「リスクを取った結果、逆方向に振れた」
「誰もこんな結果になるとは思っていなかった」とローラン・メキースはSky Sports F1の取材に語った。

「我々はこの週末、初日からマシンに満足していなかった。プラクティス、スプリント予選、スプリントを通して、ずっと苦しんでいることは皆さんも聞いていたと思う」

「勝てる状態ではなかったが、そのすぐ後ろのグループと戦えるポジションにはいた。そこで予選前にリスクを取って、マシンを少しでも良い状態に戻せないかと試した。だが結果的に逆方向へ振れてしまった。リスクを取ればこういう代償を払うこともある。痛い結果だが、学ぶべきことは多い」

レッドブル・レーシング F1 ブラジルグランプリ

角田裕毅を“テスト役”に 高ダウンフォース仕様で比較
メキースは「チームは実際にマシンを大幅に変更した」と明かし、角田裕毅のマシンにハイダウンフォース仕様のリアウイングを装着して比較テストを行っていたことを認めた。

この変更はフェルスタッペンが特に苦戦していたインテルラゴス第2セクターのグリップ改善を狙ったものだったが、効果は得られなかった。そのためチームは予選に向けて別の方向のセットアップを試したものの、結果は「壮絶な失敗」に終わった。

「我々のスタイルは常に大胆。それが痛みを伴うこともある」
「今朝よりも上を狙えるよう、思い切った変更を加えた。マシンを再び戦えるウインドウに戻すためには、それくらいのリスクを取る必要があった」とメキースは語る。

「だが今回は逆効果だった。我々はこれまでも常に大胆なアプローチでレースをしてきたし、それが我々のやり方だ。時にはこうして痛みを伴うこともある」

フェルスタッペン、反撃のカギは決勝のセットアップ修正
レッドブルは今季ここまで、難しい週末でも巧みなセットアップ変更と戦略でリカバーしてきた。しかしインテルラゴスでは、グリップとバランスの両立に苦しみ続け、根本的な問題を解決できていない。

フェルスタッペンは16番手スタートからの追い上げを強いられるが、決勝日朝のコンディション次第では戦略の妙でポイント圏を狙う可能性もある。
メキースは「痛みを糧に次へつなげる」と強調しており、レッドブルは夜通しで修正作業に取り組むことになるだろう。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1ブラジルGP