レッドブル・ホンダF1 決勝分析:圧倒的なペースでメルセデスの戦略を鎮圧 / F1オランダGP 決勝
レッドブル・ホンダF1は、F1オランダGPの決勝レースで、マックス・フェルスタッペンの純粋なペースとタイヤでの優位性が、メルセデスが2台で仕掛けた戦略を鎮圧した。

決勝前の戦略予想は1ストップだったが、メルセデスはルイス・ハミルトンを21周目にピットに入れて2ストップ戦略を採用。だが、これはどちらかと言えば、タイヤに苦しんだ結果であり、翌周にカバーしたマックス・フェルスタッペンは2秒前でコースに復帰する。

スタートからレッドブル・ホンダのペースに分があることは明らかだった。予選ではルイス・ハミルトンに0.038秒差まで迫られたマックス・フェルスタッペンだったが、2段シフトアップをしてしまうミスと、最終コーナーでDRSが開かないというトラブルが主な原因であり、それによって0.3秒が犠牲になったと試算されていた。

決勝では、その0.3秒差がそのままスタートから発揮され、楽に3秒のリードを築いてペースをコントロールした。

一方、メルセデスはルイス・ハミルトンが2ストップ、バルテリ・ボッタスが1ストップと戦略を分けた。そして、1ストップのボッタスをコース上で攻略できたことがレースのもうひとつの重要な局面だった。

レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも「マックスがバルテリ(・ボッタス)を早めにパスすることが重要だった。あとはチームでルイスを抑えられるからだ」と振り返っている。

そして、2回目のピットストップでは、あえてピットインのタイミングを無線で知らせ、メルセデスにアンダーカットを仕掛けさせた。結果的に、メルセデスは判断を焦り、中古のミディアムでトラフィックのなかにハミルトンを送り出し、逆にレッドブルは新品のハードでフェルスタッペンをハミルトンの3秒前に送り出すことに成功した。

メルセデスにとってもレッドブル・ホンダがハードタイヤを選択することは想定していなかった。終盤にハミルトンはミディアムを使い切ってしまい、最後はファステストラップ狙いに切り替えてピットイン。フェルスタッペンは21秒の大差をつけて優勝を飾った。

メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフも、レッドブル・ホンダが最終スティントにハードを選択することは想定外だったと認める。

「我々は彼らがハードタイヤを履くとは予想していなかった。未知数だったからね。我々は金曜日にハードタイヤで走っていなかったし、ソフトタイヤで序盤に彼らをプッシュできるかもしれないと考えていた。だが、それが現実だ」とトト・ヴォルフはk経った。

「ハードタイヤは、ちょっとしたギャンブルだったと思う。フェラーリがうまく走っていることを確認できていたが、実際に我々の誰誰も走っていなかったので、未知の領域だった。少なくとも我々は走っていなかった」

マックス・フェルスタッペンの優れたペースのために、トト・ヴォルフはメルセデスがアンダーカットを仕掛けてリスクを冒さなければならなかったと感じている。

「戦略に関しては、おそらくレースの50%が予選とスタートで負けたと言わなければならない」とトト・ヴォルフは付け加えた。

「そして、彼らはとてつもないペースだった。もし、我々が先行していれば、我々にはペースがあったと思っている。だが、いくつかのリスクを取ることも重要だった。彼らがハードを履くとは思わなかった」

「少し未知の領域だった。我々の考えは、2回目のストップを早めて彼らをプッシュすることだった。最後にチャンスを得られる可能性があった。我々がどこに出るかをあまり気にしなかったのはそれが理由だ。彼らはハードを選択肢、少しリスクを冒し、レースに勝った」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1オランダGP