レッドブル・ホンダF1 レース分析:メルセデスとの埋まらない0.3秒差 / F1アイフェルGP 決勝
レッドブル・ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 第11戦 F1アイフェルGPでマックス・フェルスタッペンが2位表彰台を獲得。しかし、現実的にはメルセデスを相手に勝利を争うことができなかった。

3番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンは、スタートでルイス・ハミルトンに並びかけたが、そこが唯一のハイライトだった。

その後、バルテリ・ボッタスがタイヤをロックさせて早めのピットストップを負ったことで2番手に浮上するも、2回のピットストップは、バーチャルセーフティカーとセーフティカーの同じタイミングとなり戦略で差を生み出すことができなかった。

“ロングラン”のペースで言えば、遅れてはいるものの、レース序盤はなんとかメルセデスについていくことができる。序盤もトップを走るメルセデスがタイヤをケアしてペースをコントロールしていることもその一因だろう。

だが、レースが進行し、燃料が軽くなってくるとラップタイム差は広がっていく。今回のレースで言えば、20周目で約2.4秒、30周目で約5秒、40周目には9秒にまで差は広がっていた。

セーフティカーによって残り15周でハミルトンとの差は1秒に縮ままったが、チェッカーまでに再び4.470差でのフィニッシュとなった。レース終盤に1周あたり約0.3秒離される展開は変わらなかった。それは予選での差とほぼ同じだ。

今大会は気温が低いことによって、リスタート時にDASシステムでタイヤに熱を入れられるメルセデスが有利だった。それでも、スタートで前に出ることができない限り、今回のバルテリ・ボッタスのようにミスを犯すか、メルセデスのタイヤにトラブルが発生しない限り、レッドブル・ホンダは3位が最高の結果となる。

ファイナルラップでマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンを上回るタイムでファステストラップを記録したが、勝利を目前にしたドライバーとのメンタル面の違いや、60周目のマシンを比較して互角のパフォーマンスがあると考えるのは間違いだろう。

ポジティブな点はこれまで苦戦を強いられていたローダウンフォースパッケージのバランスに改善が見られた点だ。今大会ではフロントウイングにアップデートを投入。細かな改良で少しずつではあるが弱点を改善することによってメルセデスとの差は縮まっている。

すでに両方のタイトルがほぼ確定していることで、メルセデスは2021年F1マシンに焦点を移している。すでにその時点で差はついてしまっているが、今シーズン中にタイムを縮められることは来季にも役立つはずだ。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1