レッドブルF1代表 「F1はカスタマーカーのような“大胆”なプランが必要」
2020年のF1世界選手権は7月までの10戦が延期・中止となり、F1は危機的な状況に直面している。F1チームの代表者からは予算制限の引き下げに焦点を当てて議論を展開している。
しかし、クリスチャン・ホーナーはF1が現在の危機的な状況をうまく解決するためには根本的な解決策が必要であるとのこれまでの信念を繰り返した。
クリスチャン・ホーナーは、一時的な解決策であっても、今後数年で小規模チームに1年落ちのカスタマーカーを供給する機会を与えることが実用的なアイデアのひとつだと信じている。
カスタマーカーを可能にすることで、小規模F1チームはリソースの最大の浪費である莫大な研究開発コストを削減することができ、その間にグループを再編し、最終的に本格的なコンストラクターズに戻る時間を与えるというのがクリスチャン・ホーナーの考えだ。
「今こそ大胆になるべき時だ」とクリスチャン・ホーナーは語る。
「今こそ変化に影響を与えるべき時だ。我々は物事を遅らせることはできる。だが、だじゃれで失礼だが、雄牛の角をつかむべきだと思う」
「私が小規模なチームを運営しているなら、高いコスト効率で競争力を高める最も速い方法は、リバースエンジニアリングを行ってサプライヤーチームをコピーすることではない。多くのケースで発生しているが、なぜ我々がアブダビでフィニッシュしたマシン全体を彼らに販売してはダメなのだろう？ 彼らにそうせようではないか」
「そうすれば、彼らはレースチームとして活動できる。研究開発施設のすべてが必要とはならない。それが競争力への最短ルートであり、最も安価なルートでもある。まともなプロダクトを備えたレースチームとして活動することもできる」
「さらに彼らはレースチームをまとめれば、レースに勝つことができる。2008年に事実上カスタマーカーを供給していたとき、トロロッソとセバスチャンベッテルがそれを証明した」
「しかし、コンストラクターであることと、コンストラクターではない場合に何をあきらめるかについてのパラノイアがある」
「MotoGP、他の形式のモータースポーツではそれが機能している。メルセデスを購入できるなら、アブダビの後にフェラーリまたはレッドブルを購入できるなら、なぜそうしない？」
F1でのコスト削減に関する現在の議論の多くは、予算上限の引き下げをめぐる戦いとなっている。小規模チームは1億ドルまでの引き下げを推進しているが、フェラーリは断固として1億5000万ドルに近い値を好んでいる。
クリスチャン・ホーナーは、支出の制限について心配するよりも、支出の必要性を下げる方がチームにとってはるかに価値があり、マシン開発の凍結など他のルールにより焦点を当てる必要があると語る。
「私はお金を節約することには大賛成であり、キャップは合理的だと思うが、上流に行って洪水を止めなければ、キャップがそれをすべてせき止めるダムになるとは期待できません」
「上流の水の供給を断ち切ることが非常に重要だ」
政治的な争いはまだ解決が必要だが、クリスチャン・ホーナーは、F1はこれまでの危機への対応において正しい方法で行動しており、将来のカテゴリーを形成するための機会になると確信していると語る。
「世界的なワールドチャンピオンシップとして、F1は非常に大きな影響を受けているが、逆境の時期には人々が団結すると思う。私はそれを我々自身のチームやスポーツ全体で目にした」とクリスチャン・ホーナーは語る。
「概して、F1は生き残り、最終的には安全で責任ある方法でそれを実現することを保証するという点で、誰もが正しいことに焦点を当てていると思う」
また、クリスチャン・ホーナーは、F1マネージングディレクターであるロス・ブラウンやFIA会長のジャン・トッドなど、以前に危機的状況を経験した経験豊富なパドックの人物たちがやるとしていることを信頼するよう他のF1チーム代表者に要請した。
「我々が現在直面していることに備えられることは何もない。常識を使い、経験を生かしてそれをたどる手助けをしている」とクリスチャン・ホーナーは語った。
「このような経験をこれまでに体験したことがないチームプリンシパルが何人かいるため、このスポーツは、たとえば、ブラウンGPやホンダなどでロス・ブラウンのような自分で危機を乗り越えてきた人々の経験に頼ることが重要だと思う」
「人生の経験は非常に貴重だと思う。それはジャン・トッドも同じだ。その経験を活かすことが重要だと思う」
カテゴリー： F1 / レッドブル・レーシング
