ピレリ F1
ピレリは、2018年にF1に導入する『スーパーハード』コンパウンドは、実際に使用することは想定しておらず、F1マシンのパフォーマンスが予想よりも上だった場合の保険として用意したと説明した。

今年、ピレリはハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトの5種類のコンパウンドを採用してきたが、2018年は全てのコンパウンドを一新。1ストップのレースが続いた今季よりもタイヤ選択のバリエーションを増やすために各タイヤは1段階柔らかくなる。

さらに最も柔らかいコンパウンドとして『ハイパーソフト』、最も硬いコンパウンドとして『スーパーハード』が追加され、全7種類のドライコンパウンドとなり、これに新しくなったインタミディエイトとウェットが加わった9種類のコンパウンドで構成される。

最終戦F1アブダビGPの翌週にヤス・マリーナ・サーキットで行われたテストでは早速新たなコンパウンドが試され、ハイパーソフトに関するドライバーの評価も高かった。

その一方で、今シーズン、ハードタイヤは硬すぎて使い物にならないとドライバーは口をそろえており、実際に第5戦F1スペインGPの一度しか出番はなかった。2018年のF1タイヤは1段階柔らかくなることで、スーパーハードが今季のハードタイヤに相当することになるが、実際に使用される可能性はほとんどないかもしれない。

そのため、一部では7色の“レインボーカラー”というキャッチコピーを使うために、わざわざスーパーハードを追加したのではないかと懐疑的な声もあがっている。

スーパーハードを導入する理由について質問されたピレリのカーレース責任者を務めるマリオ・イオラは「非常に簡単なことだ。我々にとって、それは保険だ」と Speedweek にコメント。

「現在使用を予定しているのはハードからハイパーソフトまでだ。基本的に、スーパーハードを使うことは一度もないだろうと考えている。だが、新しいクルマの開発がどれほど早く進むのか、あるいはどのコーナーが重要となるかを予想するのは困難だ」

「レンジに入れておきたかったのは、何らかの理由で我々が年末時点での開発レートを過小評価し、もう一段階ハード寄りのものが必要になった場合に備えるためだ」

「タイヤへのストレスが大きなサーキットでもハードタイヤで十分だと考えている。しかし、レギュレーションにはシーズン中にもうひとつコンパウンドを追加することもできるとされている。後で後悔するよりは安全策をとっておいた方がいい」

新しい空力とタイヤレギュレーションによって今年のF1マシンはラップタイムが5秒ほど速くなっており、ピレリは、2018年のプレシーズンテストの頃にはさらに少なくとも1秒はパフォーマンスが上がると予想している。

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カテゴリー: F1 / ピレリ