ピアストリ 「F1王者に冷酷さは必要か」論争に持論「いい人でも頂点に立てる」
マクラーレンのオスカー・ピアストリが、F1世界王者には冷酷さが必要だという通説に対し、「“いい人”でも成功は可能」とする自身の見解を語った。

発端となったのは、チームメイトのランド・ノリスが『ザ・ガーディアン』紙のインタビューで、「“F1チャンピオンは攻撃的でなければならない”という固定観念に縛られたくない」と発言したことだった。

ノリスは「アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハ、マックス・フェルスタッペンのような伝説的ドライバーに結びつけられる“ファック・ユー”メンタリティを身につけるより、自分らしさを貫きたい」と述べた。

「世界チャンピオンにはこうあるべき、という非常に型にはまったイメージがあると思う。たとえば“すごく攻撃的でなければならない”とかね」

「僕はチャンピオンになりたい。でも、ただの“いい人”として頑張っていきたい。チャンピオンを目指してできる限りのことはするつもりだけど、自分という人間を犠牲にするつもりはない。“ファック・ユー”な態度を持たなきゃいけないというのは、必ずしも正しくないと思ってる」

「チャンピオンにはなれると信じてる。でも、そういう態度を持たなくてもなれると思う。人生を楽しみたい。そういうスタンスが、いわゆる“キラー本能”とは違うかもしれないけど、それでもチャンピオンにはなれると思ってる」

「誰かに押しのけられるようなことはしたくないし、“優しすぎて諦めてしまった”とも思われたくない」

「僕もチャンピオンを目指すために戦うし、リスクも取るし、自分ができる限りのことはやる。でも、自分自身を失いたくはない」

「みんなに“こういう態度を持ってますよ”って見せびらかす必要はないと思う」

「そういう態度を見せようとして、フロントを装う人たちもいるけど、僕は別に“キラー本能”を持ってるように装うこともできるし、少し嫌な奴みたいに振る舞えば、そういう印象を持ってもらえるかもしれない」

「でも、他のチャンピオンたちがやってきたことの中には、僕が絶対にやらないと思うこともある」

「自分には、たぶん他のドライバーやチャンピオンたちほどの“キラー本能”はない。というのも、僕はそういう育ち方をしていないから」

オスカー・ピアストリ マクラーレン F1

ピアストリ、ノリスの見解を支持
ピアストリは現在、F1で3シーズン目のフル参戦を迎えており、成功には必ずしも冷徹さが必要ではないというノリスの意見に賛同している。

「みんなそれぞれ性格があるし、スタイルも違う」とオーストラリア出身のピアストリはサウジアラビアで語った。

「一番ダメなのは、自分に合っていないやり方を無理にしようとすることだと思う。人によって、どんなスタイルが合うかは本当にバラバラだから」

「もちろん、必要な資質というのはあると思う。速さが一番大事なのは間違いないけど、それ以外にもいくつかの特性は必要だと思う」

「でも、ランドが言ったように、それは“悪い人”にならなきゃいけないって意味じゃない。トラック上ではタフでなければならないけど、それをどう実現するかは人それぞれ」

「F1チャンピオンには“これが正解”というスタイルや型はないと思う。それぞれが少しずつ違っている」

「もちろん、似ている部分が多いチャンピオンたちもいるけど、結局一番大事なのは、自分のやり方でやること。それが最も強い方法だと思う」

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カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム